内孫ユッツの満一歳の誕生会は、お昼の食事会、誕生日プレゼントの贈呈、記念撮影に続いて、次のイベントがありました。

 その第1は、「好きもの選び」でした。

 約2m先に、おもしろそうなものを置き、そこに近づいてひとつを選ぶという儀式です。

 沖縄では、お金、お米、ソロバンを並べて、そのいずれかを選び、その子の将来を予想するのだそうです。

 ユッツの場合は、定規、電卓、500円玉、ご飯、本、光マイクロバブル発生装置が並べられました。

 さて、これらのなかでユッツが選んだのは何でしょうか?

 これらを選ぶ際に、たいがいの幼児は、何しようかと迷いますので、一瞬のためらい現象が発生します。

 しかし、ユッツの場合は、この「ためらい」がまったくありませんでした。

 おそらく、動き出す前に、何を取るかを決めてから動き出したのだと思います。

 その獲得物は電卓でした。

 ユッツは、少しも迷わず、即座に電卓を選びました。

 この結果から、かれは、将来、電子機器や計算が好きになる、明るくなるということになります。

 あまりにも鮮やかにユッツが電卓を取りましたので、今度は、電卓抜きでもう一度「好きもの選び」を行いました。

 その際、500円玉を1万円に変えておきました。

 そこでユッツが2番目に選んだのは、定規(ものさし状)でした。

 これも、最初と同じで、少しも迷わず、ストレートに定規の前に行って、それを掴みました。

 こうして、3回目はマイクロバブル発生装置、4回目は新たに加えた小鏡を掴みました。

 いずれも、迷わずに掴むところは同じで、動き出す前に何を掴むかを決めて行動に移っているようでした。

 この即断即決力は、すばらしいと思いました。

 第2は、一升餅を背負わせて歩かせようという儀式でした。

 ユッツは、自分で立つことはできますが、歩き出すことができていませんので、この餅運びで歩かせることは無理なことでした。

 一升餅を背負わせるのですから、いったい、どうなることかと心配していました。

 実際は、次のようなことが起こり、一同笑いこけました。

 最初に、ユッツが4つんばいになり、一升餅を背負わせたときの様子を示しましょう。
 
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               一升餅を背負ったユッツ

 この時は、まだご機嫌の表情です。

 餅の重さを感じながら、しばらくの間、それを両足で受けとめていました。

 しかし、この後におもしろい変化が起きました。

 なんと、ユッツは、ここから起き上がるのではなく、そのままうつ伏せになってしまったのです。

 一升餅の重さを支えられなくなって、起き上がるのではなく、ひれ伏してしまいました。

 その写真も示しておきましょう。

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                ひれ伏したユッツ

 この状態が、ここちよかったのか(?)、それとも、この姿勢しかできなかったのか?

 いつまで経っても、この姿勢を変えようとしませんでしたので、おそらく、後者の要因が強かったのでしょう。

 ユッツにしては、一升餅を背負わされたあまり、最大の防御策を示したのかもしれません。

 私どもは、この意外な姿勢を微笑ましく感じました。

 しばらくして、この姿勢を変え、立たせてみましたが、すぐに後ろに倒れてしまい、これで餅背負いは終わってしまいました。

 「よく頑張ったね」

と、みんなで拍手をして、ユッツの健闘を称えました。


 こうして、真に微笑ましいユッツの誕生会を終えることができました


 ユッツよ、これから、たくさんのものを担うであろうから、その重さに負けないように!(つづく)。