沖縄4日目は、朝早く起きて福岡空港経由で大分に帰る日でした。

 起床は6時半、すぐに光マイクロバブルのシャワーを浴びて帰る支度にとりかかりました。

 昨夜のうちに送付する荷物をまとめていましたので、短時間で帰りの用意を済ませました。

 宿舎を出たのは7時前、お世話になった「おばあ」に別れの挨拶を済ませました。

 早朝の土曜日でしたので車は少なく、順調に浦添に到着、ここから新設の海岸通りで一路那覇空港前のレンタカー事務所へ、ここで素早く手続きを済ませ、余裕をもって福岡空港行きの手続きを済ませました。

 同行のユッツも元気で、那覇空港の待合室では、飛行機を背にして写真撮影をすることができました。
 
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                   ユッツ

 昨夜は、親戚一同が集まっての賑やかな食事会があり、大勢の方々に抱かれました。

 同年齢の友達も来ていて、小さくない刺激を受けていて、ユッツもかなり興奮していました。

 今回の沖縄訪問は正味2日間、真に短い期間でしたが、その中身は濃く、福岡空港に向かう飛行機のなかで、それらをしばし振り返ることができました。

 周知のように、沖縄は、地政学的に非常に優れた位置に存在しています。

 日本本土、中国、東南アジアの中間地点にあり、まさにハブとしての優位性を兼ね備えています。

 しかも歴史的に、それらの国々と活発に交流してきた経験を有し、平和な交易力が民族的にも洗練されてきました。

 平らで日当たりがよく、水が出るところはすべて基地といってよい沖縄が、その地政学的優位性と民族性を発揮させて、わが国でトップの経済成長率を示し、観光客数においてもあのハワイを抜いて1000万人を超えたのは、米軍基地という暗黒の桎梏のなかでも、これらの優位性と洗練性を粘り強く発揮することができたからだと思います。

 沖縄には、その地場を基礎にしてたくましく生き抜いていく力があり、これをさらに飛躍的に伸ばしていくことが重要です。

 その鍵は、沖縄に根ざした産業づくりであり、沖縄で創生される技術づくりではないか、その思いが強く湧いてきました。

 その第1は、亜熱帯気候という沖縄の優位性を最高度に生かした産業づくりを新たに開発することです。

 沖縄は暑すぎて農作物がよく育たない、とよくいわれてきました。

 しかし、高温であることは、生物がよく育つために必要なことであり、沖縄の亜熱帯気候は、それを諦めるには、あまりにももったいないことになるのではないでしょうか。

 この不利を克服し、十二分な有利をなすために、これまでの過去と現状を打破する、すなわちブレイクスルーする新たな技術開発が求められています。

 すでに、昨年の8月以来、このブレイクスルー技術を用いた実証試験が恩納村において実施されています。

 ここには、これまでに多くの見学者が来られたそうであり、これいよって実証から普及への流れが形成され始めています。

 よくいわれる「高温障害」を克服した事例であり、「暑すぎてレタスができない」が、「暑くてもレタスは立派にできる」にみごとに変わったのでした。

 ここには、雨にも負けず、風にも負けず、「夏の暑さにも負けず」・・・という宮沢賢治の精神が息づいているのではないでしょうか。

 第2は、長い歴史の中で培われてきた伝統の技術における問題点を解決し、その本質的打破、すなわちブレイクスルーを図ることです。

 これにおいても、有利をより伸ばし、そのために生じる不利を同時に乗り越えることを可能にする新技術の創生が必要になります。

 たとえば、沖縄の食品文化は個性的であり、しかも高水準の優秀さを有しています。

 すでに紹介してきた「三矢のサータアンダギ」のおいしさは格別であり、ここにその個性が花開いた姿があります。

 いついってもお客さんが絶えずいて、飛ぶように売れていきます。その店の間口は1間しかなく、狭い通路には常にお客さんが並んでいるのです。

 このほかほかのサータアンダギを食べると、すぐにもう一つ食べたいという気持ちになります。

 ここに、この食品の素晴らしさがあります。本土には、このような思いを沸かせるドーナツがあるでしょうか。

 沖縄には、たくさんのサータアンダギを製造しているお菓子屋さんがありますが、この三矢のそれは、それらのお菓子と比して群を抜くおいしさがあり、それゆえに飛ぶように売れているのです。

 沖縄という地域に根ざし、サータアンダギづくりの技術において最高水準を達成、維持させているのです。

 ここに沖縄における菓子技術における洗練さ、素晴らしさ、凄さがあるのではないでしょうか。

 目の前に、このような最高水準の見本があるわけですので、これを学ばないというわけにはいきません。

 沖縄における数多くの伝統のなかで生きてきたモノを、その良さを生かしながら、それをさらに幾重にもより高次に発展させることができるはずです。

 そのブレイクスルーは、新たな技術を適用することによって、そして、それによって何とか、これまでの小さくない問題を解決したいという熱意と重なって、初めて成就できる可能性が生まれてくるのです。

 その意味で、沖縄は豊かな可能性を生み出せるところなのかもしれないのです。

ーーー いよいよ沖縄プロジェクトを本格的に発展させる準備が整ってきたようだ!

 このような思いを巡らしているうちに、飛行機は福岡空港への着陸に備えて降下を開始していました。

 着陸後は、「IKEA」に立ち寄り、新たにワイングラスと作業椅子を購入して帰途に就きました。

 とても短期間の沖縄訪問になりましたが、小さくない成果を得た旅行となりましたので、早速、次の沖縄訪問を検討することになりました(この稿終わり)。

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那覇空港にて