森照明先生による「卓球による脳トレーニング」に示された「卓球とボケ」に関する研究成果を前回に続いて紹介しましょう。

   ふだん運動をしていない主婦4人に、「全身反応時間テスト」という実験をしていただいたそうです。

 この主婦の方々に1日30分間、卓球の練習を1週間していただき、その前後で、このテストを行い、その比較を行うと驚くような結果が出てきました。

 なんと、その敏捷性が、全員4~7割も増加したのでした。

 わずか、一日30分の卓球を1週間続けただけで、このように劇的に敏捷性がましたのですから、これは驚くべき、そしてみごとな結果といえます。

 そこで、大分のアルメイダ病院では、本格的な「卓球リハビリ」が施されるようになりました。

 ここでは、脳血管障害の患者さんに対して、従来のリハビリに加えて、この卓球リハビリを2か月間行い、次のような驚くべき成果を生み出されています。

 車イス患者 42 → 14人 

 歩行器患者   →   5人

 杖歩行患者   → 13人

 独歩患者    → 10人


 これは、42人いた車イス患者が、歩行器歩行、杖歩行、独歩へと変化していった人数を示しており、すばらしい改善結果が、その数字によく現れています。

 さらに「ボケ」の度合いを測定したところ、次の重要な改善結果が得られました。

 重度痴呆と診断された患者数:卓球リハビリ前は20人、卓球リハビリ後はわずかに7人に減少 → 3分の一に減少

 正常と判断された患者数:
卓球リハビリ前は34人、卓球リハビリ後は59人に増加 → 1.7倍に増加

 
真に「卓球リハビリ恐るべし」といってもよい成果ではないでしょうか。


 卓球は、遊び感覚で始められ、徐々にその腕が上達していけるスポーツです。これによって患者さんの意欲が高まり、リハビリの効果も出やすくなったのでしょう。
 
 ここで、「ボケ」と「認知症」の関係も考察してみましょう。

 前者は、高齢化に伴って、動作や記憶、意識が緩慢になり、薄れていく症状だそうです。

 これに対して、後者は、その障害が急速に進行する病気ぼようで、これが小さくない深刻な問題になっています。


 おそらく、これからの人生100年時代においては、この問題がより大きくなり、その対応方法がより深刻に、そしてより真剣に問われることになるでしょう。

 すでに、私どもが共同研究を行っているN介護老人保健センターにおいても対応が迫られている課題であるとされていますので、重要な研究課題として受け留めております
(つづく)。
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チェリーセージ