森照明先生による「卓球による脳トレーニング」に示された2つめの優れた研究成果は、卓球と「ボケ」に関する解明です。

   これについては、男女の卓球選手3千名において「かな拾いテスト」の結果が重要です。

 これは、ひらがなで書かれたA4サイズの文章のなかから母音の文字を拾い出し、その内容について答えるというテストです。

 このテストの結果は、脳内の「前頭葉」と深く関係しています。

 前頭葉は、次の働きを有しています。

 「記憶や情緒など人間らしい高度な精神活動を営み、集中力・判断力つかさどる部位」

 それゆえに、この前頭葉の働きは、「ボケ」と深く関係し、その改善がボケ防止に結びつくといわれています。

 すでに述べてきたように、上記の「かな拾いテスト」の結果によれば、卓球選手と卓球をしない一般人との比較が年代別に行われていて、たとえば、60歳台おいては約2倍の正答率の違いが報告されています。

 この正答率の相違は、年齢が進むにしたがって大きくなっていることから、高齢者ほど卓球に向いているということも明らかになっています。

 卓球選手は、「ボケ」度が少ない。

 これは、非常に注目すべき特徴といってよいでしょう。

 卓球は、対戦相手がもっとも近いところにいて、相手の顔つきや心情をよく観察できて、相手の心情を読みながら競技を行うことができます。

 相手の心理を読み解き、作戦を懸命に練りながら打ち込むことから、その際の集中力と判断力を鍛えることが重要になります。
 
 この時の脳波は、緊張した意識集中状態に相当し、11~12ヘルツ程度になっているのではないでしょうか。

 これは明らかに、リラックスした時の意識集中状態とは異なりますので、その分だけ、前頭葉への働き掛けも微妙に違うのかもしれませんね。

 実際に、アルメイダ病院の脳血管障害の患者に対象にして、従来のリハビリに加えて卓球リハビリを実施したところ、二か月で下記のようにすばらしい成果が生まれたそうです。

 ①車椅子の人42人が15人に減少した。
 
 ②自立歩行できる人が41人から66人に増えた。


 これは、みごとな結果ですね
(つづく)。

kunoura-6 国東市来浦の農村風景