マイクロバブルフォーム水とは、液体のなかにマイクロバブルフォームを含む水のことです。

 これは、水とマイクロバブルフォームの2つで構成されています。

 この水になかで光マイクロバブルを発生させると血行促進物質が生まれます。

 同様に、シャンプー液を含む水のなかでマイクロバブルフォームを発生させた場合には、その水の成分によっても血行促進物質が生まれ、また、マイクロバブルフォームの成分によっても、わずかですが血行促進が起こります。

 この2つの現象のことをマイクロバブルフォーム温浴の作用効果と呼んでいます。

 この場合、単にワンちゃんの身体を温めるだけではなく、ワンちゃんの皮膚表面付近において大幅な血流促進を生起させますので、これが、その作用効果なのです。

 この温浴法は、トリマーの選択によって、①単にお湯を用いる場合と②シャンプー液のお湯の場合の二通りがあります。

 後者は、前者に比して、その血行促進に関する作用効果においてわずかに劣る程度であり、大きな有意差はありません。

 ①については、すでに本ブログにおいて紹介してきたことですが、ここでは、それらを要約して解説しておきましょう。

 この温浴による作用効果の驚くべき現象は、人間年齢に換算すると92歳の「ペロ」において発生した事例でした。

 飼い主のOさんとは長い付き合いで、旅行先でも常に一緒の仲でした。

 そのペロが高齢のために老衰し、動けなくなりました。

 後ろ足が下がり、背骨が大きく曲がってしまい、最後には後ろ足が曲がらなくなりました。

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後ろ足が伸びたままのペロ

 同時に排泄ができなくなり、夜は不安で泣き叫んでいました。

 医者に行っても、どうしようもないと見放され、家族は、ペロの死を待つのみと諦めかけていました。

 その困難のなかで、Oさんは、自分の仕事用にと買っていた光マイクロバブル装置があったことを思い出します。

 また、かれは本ブログの熱烈な愛読者でもあり、光マイクロバブルについては比較的理解の深い方でもありましたので、ペロのために光マイクロバブル装置2機を用いて温浴を施してやることを思い立ちました。

 温浴をさせる水槽も、仕事で使用していた小さなものがあり、それを用いました。

 おそらく、この時点においては、光マイクロバブルで気持ちを楽にしてやりたい、できれば夜泣きをやめてもらいたいぐらいの願望を抱いていたのでしょう。

 しかし、人生は何が起こるか解りません。それはワンちゃんも同じです。

 この思い立ちと思いやりが、命の灯が消えようとしていたペロを奇跡的に蘇らせました。

 狭い水槽のなかに、プロを仰向かせて背中を下にして水槽に入れ、そこに光マイクロバブル装置(M2LM型装置2機)を設置し、約10分間、光マイクロバブルを近接噴射させたのでした。

 さぞかし、ペロは気持ちがよくて涙を流さんばかりに喜んだのではないでしょうか。

 その日の夜から、ふしぎなことに夜泣きがなくなりました。

 死への不安が軽減されたからでしょうか。

 翌朝、Oさんはペロを見て、腰を抜かすほどに驚きました。

 それは、曲がらなくなっていた後ろ足が、いつのまにか曲がっていたからでした。

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後ろ足が曲がったペロ

 しかも、その足を掴んでみると温かいではありませんか。

 昨日までは冷たく硬直した足のままでした。

 「たった一晩で、このように変わってしまった」

 まさに狐につままれた心地でした。

   こうして、この一夜の出来事から、ペロの奇跡の蘇生が始まり、半年後には、以前のペロへと復活していったのでした。

 今、このカムバックを振り返って考察してみますと、それは真に理に適った「施し」ではなかったかと思われます。

 すなわち、それは奇跡の蘇生でしたが、そこには光マイクロバブルの必然性(法則性)が存在し、結果的にベストの対応をなされたのではないでしょうか。

 その必然性を箇条書きにして示しましょう。

 (1)強力なM2-LM型光マイクロバブル発生装置がたまたま2機買い置きされていたことです。

 これが、もし1機のみだったとしたら、この奇跡は起きなかったでしょう。

 しかも、LM型という、光マイクロバブルを安定して大量に発生させる強力装置であることも重要な寄与をなしたように思われます。

 また、別用途で、その装置をOさんが購入していたことも幸いでした。

 (2)有り合わせの小さな水槽しかなかったことも、この奇跡の発生に関係しています。

 すでに、この時点においてペロは自分で立つことができませんでしたので、ペロを抱えて仰向けに、すなわち背中を下にして小さい水槽に入れたことが非常に重要でした。

 まず、小さな水槽が幸いした理由は、光マイクロバブルの発生量がお湯の容量に対して相対的に大きくなり、その作用効果がより顕著に働きやすかったことにありました。

 加えて、ペロを仰向けにして水槽にすっぽり浸潤させたことで、お湯の量を少なくせざるをえなかったことも、かえってよかったことでした。

 (3)仰向けによって背骨付近に光マイクロバブルの近接噴射が可能になったことも重要な要素でした。

 ペロの主な病気は「ヘルニア」であり、この背骨の障害によって後ろ足が曲がらくなっていましたので、ここに光マイクロバブルを近接噴射できたことがより改善に向かわせたのでした。

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ヘルニアで背骨が大きく曲がったペロ

(光マイクロバブルリハビリ6か月後)


 (4)ペロの身体が小さく小型犬であったことも幸いしました。

 身体が小さいと、それだけ光マイクロバブルに接する機会が増えますので、効率よく作用効果が働くことになります。

 逆に、ペロが大型犬ですと、その単位面積当たりの光マイクロバブルの接触量は少なくなりますので効果的ではないのです。

 これらの偶然が重なりあい、存分に光マイクロバブルの作用効果が働いて、翌朝には、鶏の足のように伸びたままの足を自分で曲げられるようになり、冷たかった足に温もりが戻ったのでした。

 このように、ペロの蘇生の開始においては、4つの理に適った必然性があったのです。

 Oさんにとっては、それを理解することはできなかったことであり、私も、じっくり考え続けて、ようやくたどり着いた結果だったのでした。

 しかし、その道のりは近くはありませんでしたが、貴重な光マイクロバブルの研究事例として、私の胸に深く刻まれることになりました。

 さて、前日まで足が伸びたままだったのが、自分で曲げることができたのは、なぜでしょうか?

 周知のように、足の屈伸は脳の指令によって実行されます。

 一日前の状態では、脳がいくら曲げよといっても曲げることができませんでした。

 また、その曲げよという信号は神経を通じて伝達されますが、それも働かなったことで、足は伸びたままになっていたと推察されます。

    その伸びきっていた後ろ足が、翌日において曲がっていたのですから、それには何らかの神経系統の改善が図られたのではないでしょうか。

 また、命の不安を感じながら心身的不調が、夜泣き、すなわち夜の遠吠えを促し、その命を救ってくださいという情報を発信させていたのでしょう。

 これは、何らかのイライラや不安、落ち込みを鳴き声として表現させたものといえ、それが止んだことは、何らかの精神的なリラックスや安堵を覚えることができたからでしょう。

 これらは、単なる身体的回復に留まらない、精神的蘇生を可能にさせたことを示唆していて大いに注目すべき現象といえます。

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回復したペロ(光マイクロバブルリハビリ6か月後)

 このペロの奇跡は、それで終わりではなく、むしろ、そこから始まる現象といった方がよいと思えるようになりました。

 それは、この奇跡に近いことが、次々に起きつけたからでした。

 次回は、その「第二の奇跡」について解説することにしましょう(つづく)。