排泄フォーラムにおけるW先生の話は、非常におもしろく参考になりました。

 なかでも、排泄とは、口から始まり、内臓、そして尿便までのすべてのことであり、身体全体の健康を考えることであるとし、そのために、まずは水分の補給を欠かさないことが重要であることを強調されたことが印象的でした。

 脳内の水分は80%もあり、高齢化するにしたがって体内の水分量が減っていくという、おもしろい話もありました。

 (暑さも厳しい折、ご高齢のみなさん、しっかり水分を摂りましょう!)

 この講演を聞き、先日紹介したように、このW先生と話をし、すっかり意気投合して、私の歯も治療していただくことを了解していただきました。

 最初の診療の時に、私の見るも無残な歯の様子を診て、歯を抜き、総入れ歯をせよと言われても仕方がないと諦めていたのですが、先生の診たては、それとまるで違っていて、今の状態を基本にして何とかするという方針が示されました。

 「入れ歯にしなくてもよいのですか?」

 すでに二か所の歯科医で、それしかないと引導を渡されていましたので、先生の診たてが異なることを意外に思い、こう尋ねてみました。

 「その必要はありません。今の状態からでも。なんとかなると思います」

 こういわれて、目の前が俄然明るくなりました。

 医者が変われば、治療法も変わる、そのことを、まざまざと見せつけられた思いでした。

ーーー 結局、歯をすべて抜いて総入れ歯にせよ、と勧められたのは何だったのか?

 こう思わざるをえませんでした。

 医者もいろいろ、信頼できる医師に診ていただく努力を怠ってはいけないことを思い知らされました。

 この診療の際に、私の歯茎から採取された歯周菌の可視化画像を拝見することができました。

 その画像の倍率は2300倍、そこには、何種類かの歯周菌が動き回っていました。

 そのなかで、この菌は問題ない、この細長いのがよくないという指摘を受けました。

 これらを光マイクロバブルでどう除去し、そして退治できるのかどうか、その画像を拝見しながら、その研究をしてみる価値はありそうだと思いました。

 これは、以前から取り組んでみたいテーマでしたので、自分の歯を治療しながら、その挑戦的萌芽の課題に取り組めるのであれば、「機は熟してきた、それがよい契機になるとよいな」と思いました。

 先ほどは、暑い中、汗をかきながら、高校生に対して「大海原を渡る風になれ!」と、励ましの垂れ幕を観たのだから、私も、その風になることができたら、どんなに良いだろうと爽やかになったことを思い出しました。

 その日の治療は2時間半にも及び、早くも下の仮歯が入りました。

 その後、先生と歯科用装置に関して意見交換がなされ、次回までに先生の要望に則したモデルを検討することになりました。

 私の歯の治療も本番になり、共同研究も、それに近いものになり始めたようです。

 さて、帰りは、40分もかかってきた道を歩いて引き返す気力は失せてしまい、タクシーで駅まで向かいました。

 早速、帰りの便を調べると、よい鉄道の便がなく、待ち時間を含めて考えるとバスとあまり変わらなくなるので、コンビニでお結びを買って、14時10分発の大分空港行きのリムジンバスに乗り込みました。

 歯の治療が済んでやれやれと少し気が晴れていたのに加え、このバスルートは初めてでしたので、その景色を楽しむこともよいなと思っての選択でした。

 案の定、中津から宇佐までは良く見慣れた景色であり、その宇佐から高田経由の空港までのルートは緑のなかを通り抜けていく素晴らしい風景がいくつもありました。

   緑のなかをバスは走る!

 どこかで聞いたことのあるメロディーを思い出しながら、私の想いはグルグルと廻り始めていました。

 光マイクロバブルをもっとおもしろく、そしてゆかいにするには、どうすればよいのか。

 ここでいう「おもしろさ」とは、単に人を笑わせるようなおもしろさではありません。

 それは、科学や技術としてのおもしろさであり、それを世のなかに適用して、時には人や生物の窮地を救い、ある時は、それらを幸福にすることができるという「おもしろさ」のことです。

 これによって、私たちは、そこはかとない「ゆかいさ」を味わうことができるのです。

 おそらく、その暁に女神が微笑んでくれるのでしょう。

 このシリーズを開始するにあたり、冒頭で紹介したフレーズを思い出してみましょう。

 それは、炎天下の夏の日に、突如として現れた大垂れ幕に書かれていました。

 「大海原を渡る風になれ!」

 この風渡るこそ、おもしろくてゆかいなものなのではないでしょうか。

 次回からは、その風になっていく必要がありますね(つづく)。


hazenohana夏空にハゼの花がよく似合っています