本日は、まず最初に、洗浄力とすすぎ、乾燥の相互関係について解説しておきましょう。

 だれしもトリマーであれば、ワンちゃんを、どこまでもきれいにしたい、そして、それを短時間に済ませたいと思っています。

 せっかく、心を込めて、頑張ってワンちゃんを懸命に洗おうとしているのですから、完璧なまでにきれいに洗うことができるような「抜群の洗浄力」の発揮を期待しておられるはずです。

 その期待に応えて①洗浄力が抜群に発揮された場合と、②そうではない場合を、ここで詳しく比較してみましょう。

 まずは、①と②の概略を示します。

 ①:短時間できれいに洗浄される。すすぎも簡単になり、短時間になる。乾燥時間も大幅に短縮する。その結果、仕上げが「しっとりふわふわ」の状態に至る。

 ②:より長時間で洗浄しないときれいにならない。すすぎにも時間がかかり、泡切れが悪い。乾燥にも余計に時間がかかる。「しっとりふわふわ」の仕上げにならない。


 なぜ、このように大きな違いが生まれるのでしょうか?

 この簡単な比較からも明らかなように、この問題の核心は、「抜群の洗浄力」が発揮されうるかどうかにあり、これが可能になるかどうかで、次の「すすぎ」や「乾燥」もよくできるようになることが重要です。

 以上を踏まえ、マイクロバブルフォーム洗浄・温浴法によって「抜群の洗浄力」が発揮されたことを前提にして、「すすぎ」の問題を考察することにしましょう。
 
 マイクロバブルフォームによって「抜群の洗浄力」が発揮されると、当然のことながら、被毛に付着していた汚れがすべて洗い落とされます。

 そうすると、被毛はきれいになってぴかぴかに光るまでになります。

 一方、被毛の汚れが十分に洗い落されていない場合には、被毛の一部に汚れが付着したままになります。

 この汚れが残った部分のなかには水分を吸収する成分があると、そこに水分が溜まったままになります。

 この部分に洗剤泡も溜まりますので、そうなるとこの泡切れが難しくなり、すすぎにおいてもより長時間が必要になり、結果として「すすぎが悪くなる」のです。

 この両者の場合における比較を図示しておきましょう。
himou

 それでは、この状態での乾燥は、どうなるのでしょうか?

 この汚れが残った部分は水分を大量に含んでいますので、被毛の乾燥には時間がかかります。

 また、長時間をかけて乾燥したとしても、その汚れた部分も乾燥されますので、被毛にすっきり感や爽やかさがなく、色つやもよくない、おまけに臭いも残るという、まるで好ましくない状態に陥ってしまいます。

 トリマーのみなさんのなかには、「これでは満足できない」、「これはよくない」と思われて二度洗い、三度洗いをなされる方もあるでしょう。

 しかし、マイクロバブルフォーム洗浄・温浴法においては、この再洗浄の必要がなく、また、実際に、その洗浄がなされているトリマーのところで、そのような再洗浄はまったく行われていません。

 被毛を乾燥するということは、被毛の表面に付着した水分を除去することを意味しています。

 すなわち、すっかり汚れが落ちた被毛は、乾燥しやすく、短時間で乾燥を済ますことができます。

 また、被毛の表面だけが乾燥し、その内部のコルテックスやキューティクルの奥の部分は水分が保持されたままです。

 これによって、被毛には艶が出てきて、さらりとしたふわふわ感が生まれてきます。

 被毛の大部分を占めるコルテックス内には十分に水分が残っていますので、被毛の弾力性や柔らかさ保持され、その状態を「ふわふわ」という用語で表現されたのだと思われます。

 この状態で、被毛を触ると水分がありますので「しっとり」と感じ、表面はきれいに乾燥されていますので「ふわふわ」状態になったのだと思います。

 このように「しっとり」と「ふわふわ」は、水分の多少に関しては相反する現象ですが、それを同時に可能にしたことに、本マイクロバブルフォーム洗浄・温浴法の巧妙さと凄さがあるといってよいでしょう。

 この「しっとりふわふわ」を見出された松林智宣トリマーの腕と目利きは素晴らしく、かれによって切り拓かれたマイクロバブルフォーム洗浄・温浴法は、それこそ新たなトリミング技術の一つとなったのではないかと思われます。

 当然のことですが、このマイクロバブルフォーム洗浄・温浴法による「しっとりふわふわ」現象は、飼い主さんにとても喜ばれることになりました。

 きれいに仕上がったワンちゃんを最初に抱き上げるのが飼い主さんであり、その時の感触がまるで違うと評価していただいたことで、トリマーの方々もやりがいの仕事をしたという喜びを噛みしめることができたのです。

 飼い主さんとトリマー、そしてワンちゃんも喜んだマイクロバブルフォーム洗浄・温浴法について、松林さんは、次のように仰られていました。

 「このマイクロバブルフォーム洗浄・温浴法は、これからのスタンダードになっていくでしょう」

 このスタンダード化によって我が国のトリミング技術は大きく塗り替わっていくことでしょう。

 さて次回からは、マイクロバブルフォーム洗浄・温浴法におけるもう一つの重要な特徴である温浴の作用効果について、詳しく分け入ることにしましょう
つづく)。

siagari マイクロバブルフォーム洗浄・温浴法で仕上がりのワンちゃん(再録)