昨日は、大分からの初めてのお客さんを迎えました。

 これに備えて、家内に国東安岐港の魚の競りにいっていただきました。

 その前は、あの鹿児島豪の影響で、ここ大分の国東もたくさんの雨が降っていましたので、漁に出ているのかを心配していました。

 運よく、その雨も止んだ後でしたので、かなりの量の魚の水揚げがあったようでした。

 さて、どのような海の幸でもてなすのか、少々気になりながら、家内の帰りを待ちました。

 「今日は、良い魚がありましたか?」

 「タコがありましたよ!」

 「それは久しぶりだね」

 やや小ぶりでしたが、それが5匹もあって、これで一安心でした。

 タコの料理は、私の役目ですので、それを引き継ぎました。

 まずは、光マイクロバブル水に塩を入れて、それに浸しました。

 まだ弱りながらもわずかに動いていましたので間に合いました。

 この浸潤によってタコが柔らかくなり、やや死後硬直を防ぐことができます。

 同時に、タコの身体に付着している汚れを除去しました。

 しばらくして、タコの内臓とスミを取り除いた後で、塩をたっぷりかけて塩もみを行い、さらに汚れを落としてきれいにしました。

 最後は、煮たったお湯でタコを茹でました。

 ここで重要なことは、タコを茹ですぎると硬くなることです。

 いざ、お湯に1匹目を入れようとすると、お湯の量が足りないではありませんか。

 ここは仕方なく、1匹、2匹と熱湯にタコを入れ続け、なんとか、そのまま5匹すべてを湯がくことができました。

 お湯の量が少なかったために、タコを順次入れていくにしたがってお湯の温度が下がっていきましたので、それを利用しました。

 そのまま茹で続け、タコの色変化と硬さ変化を確かめながら丁度良いところで取り出しました。

 すぐに冷水に浸けるのですが、今度は氷が少なく、冷水が熱くなり、それを冷ますために水道水を一挙にかけ流しました。

 こうしてなんとか、私流の茹でだこができ上りました。

 しばらくして、大皿に山盛りのタコの刺身が届きました。

 みなさんは、興味津々で、まずは2、3キレを口に入れられました。

 ここで表情が激変、「旨い」という言葉を発する前に、箸の方が伸びて会話がしばしば中断するほどのタコの賞味最優先の状態が続きました。

 まず、適度に柔らかく、そして5、6回噛むほどに真ダコ独特の風味が出てきて、みごとなおいしさを感じ、弾力があることで噛み続けることになります。

 あまりにもおいしいので噛むことを厭わない、噛むことで旨みを噛みしめる、このような賞味がいつまでも継続していきました。

 そして、それをようやく飲み込むと、すぐにまた新たな刺身を食べたくなる、この繰り返しで、大皿に山盛りのタコは、どんどんなくなってしまいました。

 タコで腹いっぱいとは、このことでしょうか。

 このタコの刺身は5匹中の2つだったそうで、この分のタコの値段は800円でした。

 しかるに、このタコを食べた方は私を含めて5人でしたので、それを一人あたりに換算するとタコの値段は160円になりました。

 まさに、タコも驚くほどの値段であり、これによってタコによる「おもてなし」は大きく成功いたしました。

 このタコのおかげで、本日の食事会は「最初に勝負あり」でした。

 その後も次々に料理が出され、そのなかには「あっと驚く」ようなメニューもあり、真にダメ押し、さらにダメ押しの感動を呼び起こしたようでした。

 こうして約2時間の歓談がなされ、そのなかでいくつかの重要な行動提案もあり、それらについて話を進めることが確認されました。

 国東のタコのおかげで、一同、真にゆかいになることができました。

 国東の真ダコの力、恐れ入りました(つづく)。

madako20190706
 茹で上がった真ダコ