ある栽培実験が継続しています。

 第1回目の実験を数回繰り返すことによって、どうやらやり方が解ってきました。

 これは「ノウハウ」というもので、ここには、その実験に則した知恵を工夫が散りばめられています。

 そこで、新たな実験をしていたいと思っていたところ、特別セミナーの受講生のMさんがサンプルを持ってきてくださいました。

 「きっと、これもうまくいくはずです」

とのことでしたので、早速試験をしてみることにしました。

 まずは、その下準備中に「おやっ」と思うことがありました。

 今から思えば、その時に気づけばよかったのですが、それをそのままにして本番でも使用したので、それが失敗の原因となりました。

 サンプルには善し悪しがあり、それを見た目では識別できませんでした。

 ところが、その下準備においては、それがほぼ明確になっていたにもかかわらず、そのままにしていたのがいけませんでした。

 2つ目の誤りは、サンプルを密に置きすぎたことにありました。

 これによって成長が阻害されていました。

 これは、ある意味で当然のことですが、それが密の状態にあれば、互いが競争し合いますので個々の成長は抑制されてしまいます。

 さて結果はどうであったか?

 一部に腐敗臭が発生していましたので、すぐにそれが失敗であったことが判明しました。

 それでも、わずかに成長していた部分もあり、これについては試食を行い、その味においてはかなり良好であることを確かめました。

 この試験、二歩後退でしたが、一歩前進を遂げることができたようで、今後に重要な教訓を得ることができました。

 さて、次はどうするか。

 かなり暑くなってきましたので、この対策を講じないと、この実験は、同じような失敗を繰り返すことになります。

 まずは、その環境を整備すること、次には、上記の反省を生かして悪いサンプルを選別、除去すること、密植を避けて、適切な栽培密度を設定すること、これらが鍵となりそうなので、それらを考慮しての再挑戦を試みることにしたいと思います。

 ところで、前回の記事において、挑戦的試験のおもしろさについてやや論及しましたが、それは萌芽性があるほどにおもしろいものです。

 この認識が深まるにしたがって、そのおもしろさに厚みが出てくるようです。

 時として、それに失敗すると、それを克服する課題が観えてきて、それが解決できると、ますますおもしろくなっていきます。

 おそらく、この実験においても、そのような要素があるようで、「これは良いものに遭遇した」と思い始めています。

 このおもしろさのなかで、私自身のなかにノウハウを封じ込め、蓄積していくことによって、これが科学となり、技術しても花開く、このようになっていくと、これは相当に「ゆかいな」ことになるといえそうです。

 おもしろさと実益を兼ねた実験、ますますワクワクして挑むことにしましょう
(つづく)。

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薄紫のラベンダーが美しい