それでは、以下の4つの命題についての紹介と解説を、順次行なうことにしましょう。

 1.「卓球選手は明るく、好奇心が強い」

 2.「卓球は脳を活性化し、ボケを予防する」

 3.「卓球は脳の血流を増加させる」

 4.「脳のリハビリにも卓球は最高」

 本日は、最初の項目について考察しましょう。

 森先生らのレポートによれば、全国の卓球の選手3000人にアンケート調査を行った結果、その性格分析において「好奇心が強い」、「明るい」、「気が強い」、「楽観的」の4項目において断トツに頻度が高く、ここに卓球選手の性格の特徴が現れています。

 また、この4項目については、ほとんど男女の差がないことから卓球選手の全体にいえることのようです。

 とくに、前二者は、男女それぞれにおいて最頻値を示していますが、ここに卓球選手の特徴が現れているような気がします。

 卓球は、すぐ目の前に相手がいて、相手が打ってきたピンポン球を打ち返すことによって打ち負かす競技です。

 「どのように打ち、どのように受けて打ち返すか」を常に考えて、それを実践していきます。

 相手がどう出てくるか、これを常に想定し、相手の弱いところを衝く技を身に付けていく必要があります。

 相手の打法、弱さを考える、相手を負かす技術を磨く、これは好奇心そのものに結びつく行為です。

 そして、読みが当たり、みごと相手を打ち負かした時の喜びは、ことさらのものであり、「やったぞ!」という意味が含まれた「雄たけび」を上げる選手も少なくありません。

 ここで、この「声出し」と「雄たけび」に関して、前回紹介した「早田ひな」選手の事例を再び示すことにしましょう。

 早田選手は、日本選手権決勝において伊藤美誠選手に完敗しました。

 しばらくの間、そのショックから抜け出ることができませんでした。

 来年の東京オリンピックに参加できる日本選手は4名、その3番手か4番手に入るのが早田選手の目標です。

 この完敗によって、その出場枠に入ることが難しくなった早田選手は、再び一から出直すことにしました。

 先日の完敗の原因は、いざ本番という時に出てくる「気の弱さ」にありました。

 この弱さを克服するために、早田選手が採った作戦は、次の2つでした。

 1.世界におけるランキングを上げるために、可能なかぎり諸外国に出かけて試合に参加する。

 トップクラスの選手が参加していない場合であっても、そこで勝ち続け、実績を上げる。

 2.試合の最中に、その時の自分の精神状態を声に出し、常に前向きの姿勢を出し続ける。

 これこそ、新たな自分の確立のために好奇心を発揮させ、明るく振舞うことで修練を行おうという姿勢だったのではないでしょうか。

 そして、気弱な自分を克服し、気を強くして、なんとか目標を達成できるのではないかという楽観的精神を持とうとしたように思われます。

 こうして早田選手は、大きく立ち直り、オマーンで開催された大会で優勝の栄冠を勝ち取ります。

 その決勝では、国内ランキングで第二位の選手と戦い、みごと彼女に勝つことができました。 

 こうして彼女の奮闘ぶりを考慮しますと、物事にあまり好奇心を持てない方が好奇心を持つようになり、いつも暗い心情の方が明るくなる、気の弱い方が強くなる、さらには、悲観的な方が楽観的で大らかになることをめざしたのだと思います。

 そして、このような変化が卓球を通じて達成されるのであれば、これは真に好ましいことといえます。

 ここで、私がおもしろいと思ったのは、この「卓球のプラス思考」と光マイクロバブル入浴者のそれが非常によく似ていることです。

 後者に関しては、その入浴者の体験談において必ずといってよいほど多くの方々が決まって、そのプラス思考性を強調されています。

 ということは、「卓球と光マイクロバブル入浴には、何らかの重要な相関性があるのではないか」という推論が成り立ちます。

 これは、上記の第二の特徴とも関係していますので、次回において、その考察を深めることにしましょう(つづく)。

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万華鏡(紫陽花)が白から青へと変化し始めています