本日は、「アコウ大好き」の教え子さんが、ちょっと心惹かれる話を紹介しましょう。

 先日、刺身用のアコウが、地元のスーパーで一匹599円で売られていた記事を書きました。

 あいにく、その時に「握りずし」が半額で売られていましたので、その日の夕食は、この鮨をいただくことになりました。

 そのせいで、アコウとアジの刺身は、翌日にしようということになりました。

ーーー これでアコウの鮮度が落ちるのは仕方ないか。

と思っていました。 

 じつは、これまでアコウは、その日のうちに食べてしまっていましたので、翌日まで延ばしたことがなく、そのような心配が過りました。

 ところが、この心配はまったくの杞憂に終わりました。

 翌日でも十分においしく、あるいは、むしろ当日以上においしくなっていたので驚き、そして感激しました。

 「このアコウは、ずいぶんとおいしいね。いつものアコウの味と異なっているようだね」

 こう家内にいいながら、アコウを摘む箸がどんどん伸びていきました。

 その微妙な味の変化は、どのようなものだったのでしょうか?

 ①より柔らかく、よりおいしくなっている。

 新鮮なアコウの肉は弾力性があり、それがやや消えて柔らかさに変わり、その分、新たな旨みが出てきていました。

 ②その味は、上質の鯛によく似ていました。

 この鯛も、旨みを出させるために一日置いた方がよいといわれていますが、丁度、それと似た効果が出ていたのでしょう。

 より柔らかくなるが、より旨みが出る、この作用が働いたのではないかと思います。

 あまりにも、このアコウが旨いので、これには、ワインも白の方がよいと思って、それまで飲んでいた赤ワインを急遽止めてしまいました。

 そういえば昨日に届いていた、取って置きにするための白ワインがあったはずと思い、その「CALVIMONT」を開封しました。

 この切り替えがまさに的中、香りのよい白ワインで、真に、このアコウにぴったりの味でした。

 そこで、この最高の組み合わせを前にして、家内と「父の日」を祝っての乾杯、ささやかな宴となりました。

ーーー アコウは、一日寝かせるともっと旨くなる。

 今度、教え子さんが来ることになっていますので、そのアコウを手に入れるには一日前から動かねばならない。

 これで、アコウを手に入れる確率が高まった。

 その後、アジの刺身も加わりました。

 こちらの方も同じようにおいしかったのですが、これは、一日前の方がよかったのではないかと思いました。

 こうしてアコウのことを考えますと、ここ国東沖は特別の豊かさを持っているといえそうです。

 天然の幻の魚アコウ、極めつくしたようなおいしさを持つアコウ、今回の経験で、その味の豊かさに小さくない幅があることを知りました。

 一匹599円の味の幸福、これこそ豊かさの証明です。

 みなさん、「年金2000万円」ごときで意気消沈してはいけませんよ。

 年間、飲み代に2000万円も使う担当大臣に、庶民の苦労など解るはずもありません。

 はずかしいかぎりで、気分が悪くなりますね。

 元気を出すために、国東の幸を堪能するのもよいですよ(つづく)。

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 アコウの刺身