マイクロバブルフォーム洗浄・温浴法における最大の特徴は、「抜群の洗浄力」を発揮できることにあります。

 この洗浄力を発揮できる理由は、非常に小さなマイクロバブルフォームを大量に発生させることにあります。

 これによって、被毛や皮膚にまでマイクロバブルフォームが浸入し、それらに付着した汚れにマイクロバブルフォームが吸着されます。

 この吸着によって汚れを剥離させ、その後に落下することによって洗浄が進むことになります。

 この洗浄が上手くいかないと、トリマーは、二度、三度と洗浄を行わなければならなくなります。

 この洗浄の達成度、徹底度において、よくいわれているのが、次の2点です。

 ①臭いが取れるか、どうか。

 ②臭いの戻りが、早いかどうか。何日で臭いが再発するか。

 ①に関しては、初期の頃に、私どもが開発した超高速旋回式光マイクロバブル発生装置を用いて、光マイクロバブルのみでワンちゃんの臭いを取り除くことができるかどうかの実験を丁寧に試みたことがあります。

 この実験の意図は、当時から、マイクロバブルのみで臭いが消えるという、まことしやかな宣伝が一部においてなされていました。

 これは主として加圧溶解式と呼ばれるマイクロバブル発生装置によって発生させられた、いわゆる「白い泡」のことであり、これが「優れた洗浄力を有する」という誤った宣伝がなされていました。

 この強引な宣伝が一定の影響力を発揮し、この方式のマイクロバブル発生装置を購入されたトリマーの方もおられたようでした。

 しかし、この「白い泡」には、ほとんど洗浄力がないので、この宣伝と販売は行き詰まり、トリマーのみなさんのなかに「小さくない不評と不振」を生む出すことになりました。

 おそらく、販売側も、この不評と不振を、少しは反省されたのでしょうか。

 そのうち、マイクロバブルだけでは臭いまでは消えませんので、「発泡性の酵素」を併用してくださいという、ある意味での修正を余儀なくされたようです。

 しかし、それでも、わずかな洗浄力アップに留まったようで、結局のところ、この酵素によって、その洗浄力の無さを大きく改善することはできませんでした。

 その理由は、どこにあるのでしょうか?

 それを簡単に述べておきましょう。

 ①この加圧溶解式による「白い泡」は、「収縮する泡」ではなく、逆に「膨張する泡」であり、この膨張によって、表面張力は低下していきますので、それだけ、洗浄力は低下していくことになります。

 ②また、この「白い泡」は、見かけ上、泡の量は多いと思われがちですが、じつは、そうではなく、洗浄力を大きくアップさせるほどに多く泡が発生しているわけではありません。

 ③さらに、シャンプー液を含んだ液体においてマイクロバブルを発生させても、光マイクロバブルほど小さく、そして光マイクロバブルほど大量に発生させることはできていません。

 さて、私どもが最初に行った臭い除去に関する光マイクロバブル実験の結果は、「臭いを完全に除去するまでには至らなかった」ということでした。

 私自身も、その臭いを嗅いでみて、臭いが完全に消えておらず、わずかに臭いが残っていたことを確認しました。

 その理由は、すぐに判明しました。

 実験後の被毛をマイクロスコープで観察すると、その被毛には、汚れが残っていたからで、これが臭いの残存の素になっていました。

 そこで、光マイクロバブルのみでは、完全に臭いを除去できないという結論に達し、シャンプー液を注入してマイクロバブルフォームを大量に発生させる方式を採用することにしました。

 そして、このマイクロバブルフォーム洗浄によって、被毛の臭いを完全に除去できることを確かめました。

 次回は、その臭いの再現問題について、さらに考察に分け入ることにしましょう(つづく)。

sennjyoumae-5
マイクロバブルフォーム洗浄前のワンちゃん