今年は大型の10連休、おかげで、私もゆっくり休養することができました。
じつは、4月の初めから、やや大型の補助金申請書づくりに専念していました。
この10年を展望して新たな技術開発を目指す内容でしたので、いろいろと考えを深めながらの構想化と文章化を進めることになりました。
いつもそうですが、このような申請物は、審査員に読んでいただいて審査を受けるのですから、その独創性と優秀性をわかりやすく、そして鮮明に説く必要があります。
また、その「期待される効果」においては、その開発の成果を正しく示すことができ、それらが国内外の社会に与える影響を、きちんと明らかにすることが求められます。
この作業において、最初に必要なことは、その構想の立案するために、新たに導入する開発概念を明らかにすることです。
平易にいえば、「新たに何を、どうするか」に関するアイデアを具体的に生み出すことが必要です。
このアイデアは、日ごろから洗練させ、磨いていないと、そう簡単には湧いてきません。
このアイデアを深く検討し、より具体的な設計ができるようになると、それが豊かな概念形成に結びつき、それを総合していくと開発テーマが明らかになっていきます。
今回の申請書においては、申請テーマに則して100字以内で、その概要を示せという欄がありました。
これを、さっと100字程度で書ける方はほとんどいません。
私の場合、基本となる主語・述語のフレーズを文字にします。これを踏まえて、いくつかのキーワードを並べていきます。
最初は、この主語述語の文章に、それらのキーワードが整合せず、ぎこちない文章しかできません。
しかし、この文章化を順次繰り返して、書き直していくと、そのうち、それらの字句が連なってひとつの文章になり始めます。
その基本形ができ上ると、全体の文字数を数えます。
この時、たいがいは文字数が不足していますので、適切な文字を加えて、読者にわかりやすい、しかし、アピール性の強い文章に仕上げていきます。
最後は、細かな字句の修正を繰り返しながら、仕上げていきます。
じつは、この100字の概要を上手く書き上げることができると、かなり、この仕事が進んだことになります。
逆に、この概要が上手く書けないと、それは最後まで影響を及ぼすことになり、不要な苦労を重ねる羽目に陥ることもありますので、この概要づくりをいささかも軽視してはいけません。
すなわち、この100字の概要が上手く書けると、それでぐっとやる気が出てくるようになります。
全体のシナリオが頭のなかで描けるといったらよいのでしょうか。
今回は、その書き直し数回繰り返して、比較的すっと仕上げることができました。
次は、新たな概念を創生し、定式化するという根幹問題に移りました。
その実質的な基本命題は、「命と健康の『ものづくり』」ですが、これでは漠然としてし過ぎていますので、これを下敷きにして、最も根幹となる概念をより具体的に明らかにする必要がありました。
ーーー ここはじっくり考えることにしよう。
この思考を経て、
「ここは、やはり『生活リハビリ』が一番良いのではないか」
と思うようになりました。
「生活リハビリ」とは、高齢者や障碍者が、寝たきり状態にならず。日常生活の動作を問題なく行うようにするリハビリのことです。
これは、高齢者介護において、最近非常に重要視されてくるようになった概念であり、全国の介護老人保健施設(「老健」と略称されている)において盛んに主張されるようになった「キーワード」でもあります。
そのためには、手足を自由に動かし、頭を正常に働かして、日常生活における、歩く、座る、食べる、風呂に入る、トイレに行くなどの動作が自然にできるようにしなければなりません。
しかも、その動作においては、違和感や不安感がなく、逆に「ここちよく」、「快適」に行われることが重要です。
そこで、光マイクロバブル技術を用いて、
「最高水準の生活リハビリを、どのように行うのか?」
ここが焦点になりそうでした。
さて、この概念づくりにおいては、「老健」の現場において、
「何が問題になっているのか」、「それをどう解決したいのか」、そして「そのニーズはどのように存在しているのか」
これらが問題として浮かび上がってきました。
次回は、そのニーズに分け入ることにしましょう(つづく)。
コメント
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さて、「ここは、やはり『生活リハビリ』が一番良いのではないか」ですが、発想に対してはその通りだと思います。が、具体的な数値いわゆる現状がこうだからこういう目標を目指すといった数字化が必要ですね。小生の場合、小学校の時から算数は嫌いで文系男だと思ってました。そういう男は必ず理系に進むのでしょうか?こればかりはよくわかりませんね。
米中貿易摩擦のおかげで株価下落ですね。日本の10連休は関係ありません。一方で、トヨタの売り上げ30兆円超。今の世相を反映するかのように、勝ち組と負け組が明確になってきました。そろそろ、「光マイクロバブル産業」が猛追しないと他の産業は頭打ちにあります。がんばりましょう!ではでは。