本日は、下記の②の課題について解説を行いましょう。 
2019-03-09 (2)

 これには、次のような開発経緯がありました。

 最初に、比較的小さな水槽に光マイクロバブル発生装置10機を外付けで配備した装置を開発しました。

 これを山口大学医学部に持ち込み、光マイクロバブルの血流促進作用についての研究を行い、この成果を基にして、株式会社ナノプラネット研究所の初代代表取締の大成博音氏は、医学博士の学位を取得されました。

 この開発と研究が基礎となり、南九州メディカルバレー構想における研究開発補助金が採択され、大分県中津市のK整形外科病院との本格的な共同研究が開始されました。

   これには、ちょっとした次のエピソードがありました。

 大分県の主幹の方から、上記の採択の報告を受けた際に、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から「福祉用具の開発」に関する公募が出ていますよと案内されました。

 この案内を真摯に受け留め、その公募申請を行い、第二次審査にも合格して、その正規の採択通知を受けたことから、その主幹の方にお礼を述べると、かれは吃驚されていました。

 「本当に申請されたのですか?しかも採択されたとは・・・」

 かれにとっては、申請したことが驚きであり、ましてや採択されたことから、二度めの吃驚となっていました。

 このNEDO採択の研究開発においても上記K病院および同付属施設の介護老人保健センターNとの共同研究がなされ、おかげで医療、福祉分野における現場のニーズに則した研究開発を発展させることができました。

 以上を整理すると、次のようにステップアップしてきました。

 第1ステップ:山口大学医学部における光マイクロバブルの血流促進に関する研究、ドクター取得。
 
 第2ステップ:東九州メディカルバレー構想における光マイクロバブルによる血流促進に関する医療機器の開発、K整形外科病院との共同研究。

 第3ステップ:NEDO採択による福祉用具(車イス対応型介護浴装置の開発)の開発、K整形外科病院付属施設・介護老人保健センターNとの共同研究。
 
 これらの研究開発は、光マイクロバブルによる血流促進作用を科学的に究明するとともに、それを技術的に利用した医療機器および福祉用具の商品開発を行い、その事業化に踏み込むことを主な目的にしていました。

 この目的を実現するために、上記の第3ステップにおいては、合計で20種類の各種介護浴装置の試作を行い、その性能試験を行うことによって、当初の血流促進目標値を達成することができました。

 しかし、これを商品化して事業に向かうには、いくつかの重要な改善を行う必要がありました。

 その第1は、血流促進の性能をより大幅にアップさせることでした。

 これには、光マイクロバブルの量を増やすことが重要ですが、それでは画期性に乏しいことから、その装置の数を減らしながら、その促進を図るという知恵と工夫を施すことが望まれました。

 このアイデアが出てきたきっかけは、内輪でのちょっとした論争の勃発にありました。

 もともと、上記のNEDO採択における研究開発においては、福祉用具の開発水準の血流促進量設定を低くしていましたので、そこからの性能アップをめざすには、いくつかの可能性がありました。

 しかもNEDO開発装置は、光マイクロバブル発生装置を6機使用を標準としていましたので、これよりも多くすると大型化、逆に少なくすると小型化に向かうことになりました。

 その論争の中身は、どこまで小型化を達成するかに移行し、その6機から、いかに減らすかをめぐってのことでした。

 「6機から、2機減らして4機、いいね。でも、もっと減らせるのでは?」

 「減らしても、それで性能が低下するのであれば問題だね」

 「装置の数を減らしても、性能が維持できなければあまり意味がありませんね」

 「そうだよ。最低は能力維持、逆にアップできるとさらにおもしろいのだが、どうでしょうか?」

 互いに拘りながらしつこく論争を繰り広げていると、しだいに問題点が浮き彫りになってきます。

 最後には、その「良し悪し」の評価をめぐる論争にまで到達します。

 こうなると互いに譲らないようになりますので、今度は、「引き分け」の条件を模索するようになります(これがないと「決裂」になりますので、それは賢い方法ではありません)。

 「それでは、互いによしと信じることができる『もの』を作って試してみたらどうであろうか?でき上ったもので評価しましょう!」

 「優れた商品開発」を行う際に、このような論争は付き物であり、むしろ、その議論の揉み合いのなかからよいアイデアが出てくることが多く、それを避けていては何も良いものは生まれてきません。

 よい意味で意地を張り、それをとことん追求してこそ、本物の開発に結びつく可能性が出てくるのではないでしょうか。

 そこで、すぐに、最初の試作装置を創り出すことにしました。

 「善は急げ」、すぐにやらないと熱意が冷めてしまいます。

 ここでは手間暇をかけずに、少々問題があっても、市販品で済ますことができれば真に幸いなので、早速、ホームセンターにいって丁度良いもの見つけました。

 「やはり、探せばあるものだ!」

 思い通りのものを探し当てた気持ちは、宝探しで宝を見つけた気分のようでした。

 これを800円足らずで購入し、これに光マイクロバブル発生装置を組み込んで、簡単な実験を行いました。

 結果は、すばらしいものでした。

 「そうか。これは、すばらしい。はっきり、『ここちよさ』を実感できるのがすごい!」

 この結果を踏まえて、試験装置の設計を行い、この度、それができ上ってきました。

 まずは、開発者の役得を発揮させて自分で確かめることにしました。

 先の簡易装置よりも、よりよいか、それとも、それ以下なのか、これを確かめました。

 その結果は、前者の方でした。

 「とうとう、ここまでやってきたのか!」

 上記の第1ステップから数えると、すでに10数年が過ぎたことになります。

 「真に、開発は長し、人生は短し」

といえそうです。

 その商品開発と事業化の開始は、そう遅くないと思われますので、その暁には、より詳しい具体的内容について紹介できるようになるでしょう(つづく)。

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とうとう越冬したマリーゴールド(枯れずによくがんばった)