昨日の記事の続きです。

 3.国東の弱み

  ①4町合併故の一体感のなさ(発信力の弱さ、行政の弱さ)
  ②良くも悪くも「普通の田舎」
  ③高校生の都会へのあこがれの強さ(面白くない、楽しみがない、買い物できない)
  
 ①は、どこでもよくある話です。これこそ、地域のリーダーたちが乗り越えていく課題です。

 そのためには、地域が一体化して共通の目標を達成していく努力の積み重ねが必要になります。

 国東から大分県へ、大分から九州へ、さらには、九州から日本へと拡散していく課題に取り組み、「地域同士の一体感の無さを嘆いても始まらない」という意識を目覚めさせることが重要です。

 たとえば、地域の名産「七島イ」を例に挙げると、かつての最大生産量は500万枚畳といわれています。

 これを1枚1万円と仮定しますと、その総額は500億円にも達します。

 この実績を踏まえ、この地域に500億円産業をどう実現させるか、ここで関係者が一致して知恵を絞り、それを一歩一歩実現させていく努力が必要であり、この目標を持ってこそ、地域の一体感が生まれてくるのではないでしょうか。

 過去には、このように先人たちが成しえた立派な事業があり、ここから学ぶべきことは少なくないのではないでしょうか。

 ②に関しては、日本全国のどこにおいても「普通の田舎」がたくさんあります。そこでは、住民のみなさんが現状に甘んじ、「このままでよい」と思っておられる方々が大勢おられるようです。

 この「普通」を「尋常ではない」、「非常識」に変えていくことが大切です。「普通」であることは、それを変えるチャンスがあるということでもあります。

 ③についても同じです。

 これに関しては、1975年の映画『同胞(はらから)』の舞台となった岩手県松尾村の事例が参考になります。

 ここの高校生のほとんどは、みな都会に出たいと思っておられて、それが当たり前のようになっていました。

 この若者たちとそっくりの思いを国東の高校生も抱いているようです。

 しかし、一本の映画づくりに、この松尾村の若者たちが参加することによって変わっていきます。

 何が変わっていったのか。

 それは、松尾村のよいところを見出し、それを自分たちで確かめ合い、育てていくことでおもしろみや楽しさを創り出し、それが今も続いているのです。

 当時の若者たちは60歳代になり、年老いてきましたが、そこの後継者も育っていて、そのおもしろさと楽しさを持続させている様子が報じられていました。

 つまり、おもしろさとか楽しさは、自分で創り出すものであり、他人から与えられたそれらは、すぐにおもしろくなくなり、楽しさが薄れてしまうものではないでしょうか。

 以上を踏まえ、稲さんから、次の4つの提案がなされました。


 一番目の課題においては、スマートハウスの設計を地元工務店と企画中、大規模狩猟における罠のIOT機能設置に関する実験、商工会における電子決済講座の開催などを行い、IT化を進めるうえで地元に貢献されている様子が紹介されました。

 二番目の課題については、高校生、協力隊起業希望者などを集めた輪読会を書店と組んで開催、異業種交流、協力隊若者定住議員連合など、興味深い取り組みを検討されています。

 三番目については、データサイエンティスト(ビッグデータを活用し、企業内外を取り巻く大量のデータを分析、それをマーケティング等に活かしてビジネス的な価値を生み出す役割を持った専門人材の事)養成、AR(AR(拡張現実)とは、Augmented Reality(オーグメンテッド・リアリティ)の略で、人が知覚する情報に、コンピュータにより拡張する技術、およびコンピュータにより拡張された現実環境そのものを指す言葉)、VR(コンピュータ上に人工的な環境を作り出し、あたかもそこにいるかの様な感覚を体験できる技術です。 日本語では「人工現実感」あるいは「仮想現実」と呼ばれる用語)などの養成講座を検討されています。

 四番目については、「市政の枠だけ与えて、自発的な行政活動を促す仕組み」を創り出そうとされています。

 以上のように、かれがなさっている仕事と、これから行おうとしている事業は、地域にとって新たに必要なことであり、いかに地域の期待が寄せられているかが、これらによってよく示されています。

 25歳の若者が、一人で、これだけの仕事を行い、構想を持っていることに、まず感心しました。

 そして、ここに、国東における若者定住のヒントがいくつ存在しているのではないかと思いました。

 それは、最新の技術を勉強している熱心さにあり、それを自分のものにして実践している優れた行動力にあると思いました。

 わずか25歳の若者が、これだけ地域のことを考え、その再生のために新技術を適用されようとしていることに敬意を示すとともに、地域の年配者や中年は、もっと新たな知識を身に付け、その再生のために尽力すべきではないかと思わされました。

 若者には未来がある、そのことに行政や年配者、中年のみなさんが気づく必要がありますね。

 さらに、このような若者が育ち立派になっていくように尽力することが大切です。

 この報告を受け、議論は、地域の再生、農業のあり方などについて盛り上がりました。

 とても、すばらしい研究会となり、それが終了したのは22時20分でした(この稿おわり)。
 
sakura
 裏の桜