「国東下村塾光マイクロバブル技術特別セミナー」の第8回が、12月13日に開催されました。
師走も中旬になり、年末らしくなり始めています。
本セミナーも、今回で8回が終わり、次回に続いて、いよいよ光マイクロバブル技術の核心部分の解説が始まりました。
今回のテーマは、前回に続いて「光マイクロバブル水」についてでした。
淡水光マイクロバブル水と海水光マイクロバブル水の比較
まず、液体の種類の違いによって光マイクロバブルの発生具合が大きく異なることが示されました。
この図では、淡水と海水における光マイクロバブルの比較がなされています。
これらを比較すると、光マイクロバブルの発生量が大きく異なっていることが明らかです。
しかし、これらの光マイクロバブルの直径は、ほとんど変わらず、その頻度分布の形もよく似ていました。
この場合、海水は自然のものであり、それが汚れているとより多く泡が発生します。
このように、液体の種類が異なると光マイクロバブルの発生量が大きく異なる、これが第1の特徴です。
第2の特徴は、発生させる気体の種類によっても、光マイクロバブルの性質が異なることも明らかになりました。
空気には、窒素と酸素が80%と20%の割合で含まれています。
窒素は、酸素を追い出す方法として用いられ、清涼飲料水の溶存酸素分を低減させるのによく用いられます。
また酸素は、酸素が必要な水中生物の供給に有効です。また、この酸素をマイクロバブル化するとより一層溶けやすくなります。
第3の特徴は、発生させる装置によってマイクロバブルの性質が異なることにあります。
超高速旋回式発生装置によって発生させられた光マイクロバブルは収縮しますが、加圧溶解式の装置で発生させられたマイクロバブルは逆に膨張します。
また、それぞれの水素ィノン濃度特性も異なり、前者は弱アルカリ化、後者は逆に弱酸性化するという違いがあります。
加圧溶解式によって発生した白いマイクロバブルのことを「白濁泡」という場合があります。
この方式がペットの洗浄に採用されている事例があります。
この白濁泡は、そのサイズが比較的大きいことから表面張力が小さく、しかも、その負電位も小さいことから、ペットの洗浄には不向きです。
しかし、この泡に洗浄力があるという誤った宣伝がなされ、実際の現場おいて小さくない混乱が発生しています。
その結果、「マイクロバブルはペットの洗浄には向いていない」という悪評判が定着しています。
これは、加圧溶解式で発生させたマイクロバブルが不向きであるにすぎないことであり、
光マイクロバブルでは、それとは逆に、みごとに優れた洗浄力が発揮されています。
かつて加圧溶解法による白濁泡がいかにも泡らしく、その発生量も多く見えたことから、上図左の淡水光マイクロバブル濃度が薄いといって、その機能を貶めようと非難された方がいました。
しかし、これはまったく的外れな非難に過ぎませんでした。
なぜなら、光マイクロバブルあるいはマイクロバブルの機能性は、その適用目的によって良し悪しが決まるものであって、それが濃い薄いで決まるものではないからです。
また、今年のマイクロ・ナノバブル学会では、「マイクロバブルは溶解するが、ナノバブルは溶解しない」という比較がなされ、後者の方が、溶けて無くならないからより優位であるという論調が示されたようです。
しかし、これは、まったく正しくありません。
なぜなら、光マイクロバブルが溶解する過程において起こる化学反応のことをよく理解できていないために、そのような比較をしているにすぎず、問題の本質は、溶けるか、溶けないかにあるのではなく、その溶解過程において、どのような化学反応が起こるかにあるからです。
ですから、ナノバブルが溶解もせずに存在するということは、化学反応を起こすことができないバブルだといってもよいことになります。
初期の研究段階においては、このような表皮的把握が少なくないのですが、いずれ研究が深まっていくにつれて、上記の本質問題が深く問われることになるでしょう。
本セミナーでは、このような最新の学会での議論も紹介され、大いにその是非に関する意見交換もなされました。
また、この後、空気を用いた場合における光マイクロバブル水の6通りの性質についても解説がなされ、その議論も行いました。
さて第9回の特別セミナーは、12月20日(木)18時から、大成研究所セミナー室(TEL:0978-97-2123)で開催しますが、今回は、遠隔地の塾生の方が参加されますので、その方の歓迎会(翌日は集中レッスン)と近くの親しい方を招いての忘年会(ある方のお別れ会)も兼ねることにしました。
十数名が参加しての楽しいイブニングパーティになることでしょう。
info@nanoplanet.co.jp 国東下村塾・塾長 大成博文
(つづく)。
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さて、本題。『今年のマイクロ・ナノバブル学会では、「マイクロバブルは溶解するが、ナノバブルは溶解しない」という比較がなされ、後者の方が、溶けて無くならないからより優位であるという論調が示されたようです。』ですが、そもそも、マイクロバブルは溶解し、ナノバブルは溶解しないなどと、誰が勝手にそのようなことを定義したのか訳がわかりませんね。光マイクロバブルの考え方は光マイクロバブルが収縮し、その過程を経て、「光ナノバブル」になる。のではないか?でよろしかったでしょうか。ナノバブル信仰者は、マイクロバブルの最期は溶解し、ナノバブルは溶解しないで留まるなどと、たわげたことを当たり前のように述べております。一方で、ファインバブル信仰者は、ドクターが最も嫌う「白い泡」でサイズがどうのこうの、定義までインターナショナルで基準で決めてしまう始末であります。ヤレヤレ。
こうなると、西郷どんのように「新政厚徳」で教科書にさせないか。光マイクロバブルの立ち位置を別物とするか?ここ近未来のうちにハッキリさせた方がよろしいかと考えます。ではでは。
さて、マイクロバブル溶解説は、ナノバブルの保持説を合理化するための理屈のようですが、ご指摘の通りで、それでは本質に分け入ることができませんので、このレベルでは、国民の心を捉えることはできないし、しっかりした技術として発展することはできないでしょう。しかし、これは当初の現象として必ず出てくるものですから、それを実践的に乗り越えていく、すなわち、現場を実際に変えていくこと、これが何よりも重要なことではないかと思います。ここに力点を注ぎ込みましょう。