年末の連休の中日、天気は曇りから小雨が降り始めたようです。

 静かな年末の日曜日の朝、先週は比較的ハードでしたので、昨日は一日静養したおかげか、平常状態に戻りました。

 さて、本ブログも3450回を過ぎ、記念シリーズの「2018年回顧」を認めることにしました。
 
 そのために、昨年の今頃から年始にかけての記事を読み返してみました。

 それによれば、丁度緑砦館が立ち上げられ、その栽培が始まったころでした。

 それまでの約10年余の経験を踏まえて、新たに設計製作した緑砦館のシステムを稼働させたばかりで、その高揚が、この記事のなかに含まれていました。

 それから丸1年が経過し、貴重な栽培研究を深めることができました。

 やはり、良いも悪いも、あるいは容易も大変も、自分で経験しながら学習や研究をしていくとが大切であり、そこに貴重な進歩が潜んでいるような気がしています。

 さて、この緑砦館の1年において学んだ重要な教訓は、次の2つにありました。

 ①真冬においても、光マイクロバブル技術を適用すれば野菜が十分に育つことを確かめたことでした。

 ここで思い出すのは、宮沢賢治の有名な詩のなかにある一節に因めば、「冬の寒さにも負けぬ」緑砦館野菜ができあがることになりました。

 ②それでは、その同じ一節にあった「夏の暑さにも負けぬ」は、どうだったのでしょうか?

 7月頃から、この問題が顕著になり、くじけそうになりかかりましたが、それをブレイクスルーしたのが、沖縄における野菜工場の事例でした。

 ここには、8月20日に、特注の光マイクロバブル装置が設置されました。

 この時には、私も現地で、その導入に立ち会いましたのでよく覚えていますが、ハウスの中の気温は昼間で47℃にも上がり、このなかで作業をしましたので熱中症になる寸前の状態に陥りました。

 その導入をほぼ終えたのが17時過ぎ、すでに植わっていたレタスの苗がみんな元気なく横に倒れていました。

 この状態で光マイクロバブルを発生させたので、この作用効果を確かめるには、最短で丸1日が必要であると判断し、その翌日の21日の午後に、再び、この植物工場を訪れました。

 この時のハウスの中の気温は、前日と同じ47℃でした。

 さて、お目当てのレタスの苗はどうなっていたでしょうか?

 私の予想は、ずばり当たりました。

 小さなレタスの苗の多くが、今度は、真直ぐすくっと立っているではありませんか。

ーーー やはり、そうであったか!これが光マイクロバブルの力、みごとである。

 心のなかでは、「光マイクロバブルよ、よくやった!」、と胸の奥底から込み上げ来る喜びを押さえながら、この頼もしきレタスたちをしみじみと眺めることができました。

ーーー これで、南の地方における橋頭堡を築くことができるようになるかもしれない。

 10月になって、沖縄から、その橋頭堡の構築がいよいよ確かなものになってきたことが報告され始めました。

 それは、現地からの送られてきた写真でより一層明らかになり、その一部が、12月の東京における学会において披露されました。

 人々における新たな認識は、心の底からの感動が湧いてくるときに深く刻まれます。

 学会に参加された同僚、あるいは、この学会を組織された責任者の方も、この沖縄の植物工場の様子を目の当たりにされ、吃驚と感動の両方を経験されたそうでした。

 ところで、広辞苑によれば、「橋頭堡」とは、「渡河・上陸作戦の際、その地点を確保し、後続部隊の作戦の地歩を得るための拠点」であるとされています。

 この場合、渡河と上陸は、南下と北北上に向かって方向にそれぞれ進むことを意味しています。

 苦節10年余、おかげで少々のことでは壊れない丈夫な橋頭堡を築くことができました(つづく)。

akaretasu1225
赤レタス(緑砦館1)