昨日の予告通り、今日は、朝からひねもす慌ただしい一日でした。

 午前中は緑砦館に入り、お客さん用の野菜の収穫を行いました。

 また、その合間に本ブログの記事を認めました。

 じつは、一昨日においてお客さんに光マイクロバブル水耕栽培の解説をかなり念入りにしたことで相当に精力を使ってしまったようで、その日の夜はすぐに眠くなり、21時過ぎには床に入ってしまいました。

 途中24時過ぎに目が覚め、珍しくトイレに行き、その後は、そのまま朝まで寝てしまいました。

 久しぶりに十分な睡眠時間を確保したせいでしょうか、いつもよりは頭がすっきりしていましたので、ブログの記事書きもすんなり進行しました。

 そして、それが終わったころに、お客さんが大分空港に到着、相棒に迎えにいっていただきました。

 また、家内は、お客さんをもてなすために国東安岐港の市場に魚を買いに行きました。

 「今日は、よい魚がありましたか?」

と尋ねても、はっきりした返事がなかったので、てっきり不漁だったのかと思っていたら、そうではありませんでした。

 やや小ぶりの鰆、このところよく水揚げがなされています。

 そして形の良いヒラメが二枚、中程度のサイズでしたがよく太っていて旨そうでした。

 それから、イカと鯵と4種類も購入してきていましたので、わが家にとっては豊漁でした。

 なかでもヒラメはすばらしい味でしたので、これを紹介することにしましょう。

hirame
ヒラメ

 色、体形、肉付き、一番おいしい30㎝前後の手ごろなサイズと4拍子揃った天然ヒラメです。

 おまけに、買ったときは生きていたそうで、血ヌキをしていただいて購入したとのことでした。

 このヒラメの購入価格は、税込みで1104円、一枚あたりは552円となります。

 このサイズで、生きていた新鮮ヒラメですから、都会では、この数倍はするでしょう。

 それに生きているヒラメを買うことは、よほどの専門料理店以外では、ほとんどできないのではないでしょうか。

 ところが、ここ国東では、そのあり得ないことが簡単に手に入るほどの「安さと豊かさ」が存在しているのです。

 母国ではめったに生の刺身を食べない国からのお客さんですが、年に何回も日本に来られていますので、大の日本食好きでしたので、このヒラメの刺身のおいしさに感激され、「オイシイ」を連発されていました。

 また、隣の相棒も同じ反応を示していましたので、私も試しに、それを摘んでみました。

 「こんなにおいしいヒラメは久しぶりだ。いや、初めてかもしれない」

 真にみごとな味でした。

 さて、この客さんは、ベジタリアンでしたので、この刺身の前に前菜として緑砦館野菜が数種類、2つの大皿に盛って出されました。

 もちろん大喜びで、最初は、エキストラバージンオイルに、ポーランド産の塩、そして胡椒には柚子胡椒を勧めて野菜とともに食べていただきました。

 「どうぞ、この野菜を全部召し上がってください」

 こういうとますます喜ばれて、ここでもオイシイノの連発がありました。

 さて、昼食の後半からは、インターネット通信を利用しての通訳を挟んで4つの懸案課題のうちの最初の課題である植物工場の設置とその生育野菜の販売に関する協議を行いました。

 これには、一昨日において報告がなされた成果がありましたので、それを報告しながら、その実績を踏まえて、どのような展開が可能か、そのための具体的な協力が、どのように可能なのかをめぐって、かなり突っ込んだ議論がなされました。

 私のこの課題に関する具体的提案は、この第1ステップの成果を踏まえて、そこに、技術的な改善をさらに行うこと、植物工場の設置に関しては、現地の方々と重要な協力を行い、そのやり方を学び、近い将来における発展の準備を行うことを中心としたものでしたが、これに快く賛同していただきました。

 かれには、私どもの技術に関するかなり深い理解と信頼があり、それゆえの賛同がなされたのだと思いました。

 「これまで時間ばかりかかって、なかなか進みませんでしたが、偶には、このように一挙に進むときもあるのですよ!」

 こういうと、まず通訳が笑いこけ、ご本人も、それに続いて大声で笑っておられました。

 そして来月には、現地で再会することにし、現地の方々との協議をさらに煮詰めることになりました。

 2つめの課題は、福祉に関する装置開発に関することでした。

 かれの国も、わが国と同様に超高齢化が進んでいますので、それに備えた取り組みが国の重点施策として取り上げられています。

 この問題には、約5年前から取り組みを開始し、途中でNEDOからの大型補助金が採択されたことも手伝って、その開発の成果を事業化する段階を迎えています。

 この2年、その事業化の課題を深く検討し、さらに現場のニーズに適した製品開発を繰り返し、それを商品化する段階に到達してきました。

 現在は、その2つの商品における概念モデルがほぼ出来上がり、それを踏まえた商品モデルの試作機の設計がなされています。

 要介護者も、そして介護者の両方が、素敵だ、役に立つと思っていただける商品を創り出す、そして、それをわが国だけでなく、かれの国を含めて世界中のみなさんに活用していただく、これが私どもの願いです。

 そこで、かれには、「その暁には、よろしくお願いいたします」という申し入れを行い、これについても快諾の返事をいただきました。

 第3は洗浄に関する話でした。

 これについても、「メイド・イン・ジャパン」の優れた商品がないか、という声が寄せられており、その装置開発並びに販売事業をどう進めるかに関して、かなり重要な意見交換がなされました。

 最後の4つめは、かれに企業と行っている共同研究による研究開発についてでした。

 おそらく、光マイクロバブルを用いた製品開発においては、初めてになる可能性もありますので、それが、なぜ上手くいかなかったのか、その理由について、まず最初に解説を行いました。

 それは、光マイクロバブルの特性を最高度に活かしていない、またそれを実現するための巧妙な制御技術の熟練がなかった、さらには既存技術に関する深い検討がなされていないので、その弱点の克服方法が見いだせなかったことなどにありました。

 そして、かれの目の前で、その試験装置の実験をして見せると、たちまち、かれは喜びを露わにしました。

 また、既存装置おける大きな問題点が、こちらの装置では大きく改善されていて、その問題が少しも起こらないことを興奮しながら指摘されていました。

 こうして、最終的な商品モデルを5つ作り上げ、それらに優先順位を付けて実際の商品づくりを行うことが決まりました。

 これができ上ると、既存装置との比較、商品の製造方法の検討、さらには、その量産化と販売方法などの過程に進んでいくことになるでしょう。

 以上、簡単な報告と説明に留まりましたが、流暢な通訳を交えて、12時から17時半まで、この協議はかなりの密度で進行していきました。

 そもそもの出合いは、私の拙著『マイクロバブルのすべて』にぎっしりと線を引くほどに読みこなしていたことがきっかけとなり、最初の訪問から5年が経過し、何度も訪問を受けるなかで、上記のような詰めた議論ができる仲になりました。

 このかれの信頼と粘り、これを真摯に受け留め、大きく、そして持続的に活かしていくことが大切であり、それを実現する時期が、とうとう、やってきたように思われます(つづく)。

tomatonohana-55
緑砦館で咲いたミニトマトの花