「用語の解説(3)- 4-8」を以下に示します。
用語の解説(3)- 4-8
光マイクロバブルの「3物理現象」:光マイクロバブルの収縮運動、収縮に伴う負電位増加、発光の特性を有する3つの現象のことである。
どうやら、よくコメントをくださる「教え子さん」は、満を持しての質問を仕掛けてきたようですね。
こうなれば、こちらも受けて立つしかありません。
その仕掛けは、軽いジャブからでしょうか。
しかし、それはなかなか鋭いものでした。
以下、その原文を記します。
「さて、本題です。
著書の1ページ目の『これがマイクロバブルだ!』にカラーで発光写真が掲載されています。
ここで小生が注目するのは、水中で破裂して自発光したマイクロバブルの決定的瞬間(破裂後に気体が噴出している写真の横幅は1ミリメートル)の部分であります。
『破裂して発光???』。光マイクロバブルが破裂するのですか?
ここは小生の頭の中を整理するためにも12年前の考察と現在でもそう考えられているのかドクターの見解をお願いします」
基本的には、12年前と変わっていません。
問題は、なぜ発光するのか、そして、どのように発光するのか、の2つを明らかにする必要があることです。
これらの問題を考察する際に、まず、上記の「破裂現象」の意味を掘り下げてみましょう。
広辞苑によると、「破裂」とは、「勢いよくやぶれさけること」とされています。
これに基づくと、光マイクロバブルは破裂、すなわち、勢いよくやぶれさけることはありうると思います。
重要な問題は、それが、どのように、やぶれさけるのか、そして、やぶれさけるとどうなるのか、にあります。
前者における示唆となったのが、光マイクロバブルの一部から内部気体が噴き出していると思われる画像が得られたことでした。
これは、気液界面の不均一性によって、その界面に裂け目ができて、そこから気体が噴出していると解釈できましたので、真に破裂現象であると考察しました。
また、この勢いよくやぶれさける現象が起こると、高圧の内部気体が噴出するのですから、それによって収縮運動が急激に進行し、そこから噴出された気体の溶解もより進むことになります。
その光マイクロバブルの写真を示しましょう。
内部気体の噴出
この時、この光マイクロバブルのサイズは、直径10~13㎛程度です。
このサイズになると、収縮速度が急増し、急激に収縮運動を進行させることが判明しています。
しかし、破裂する様式は、これのみに留まらないでしょう。
おそらく、もっと多様なパターンがあるのではないかと推測しています。
その基となったのは、光マイクロバブルが収縮しながら短い周期で振動を繰り返している現象を見出したことです。
すでに述べてきたように、光マイクロバブルは収縮を行いながら高温高圧化を遂げていきます。
これによって、その気液界面が曖昧になり、すなわち液体か気体かの区別ができないようにふるまうようになり、その界面の変形が自在に起こるようになります。
おそらく、その界面はグニャグニャになり、さまざまな変形パターンを呈するようになり、その界面変動が極端に大きくなると「勢いよくやぶれてさける」現象が次々に発生してくるのではないかと推察しています。
この現象によって、さらに小サイズのナノバブルを発生させるのではないか、これが、私どもが到達した「ナノバブル生成仮説」です。
この破裂に伴って、急激なエネルギーの発散がなされることで、負電位が急増し、発光が幾度となく繰り返されるのではないかと思っています。
すでに12年が経過したようで、これは短い年月ではありませんね。
しかし、この12年を振り返ると、次の「山宣」の言葉を思い出します。
「科学は長し、人生は短し」
古希を迎えた私には、この言葉が胸に沁みますね(つづく)。
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光マイクロバブルが直径10~13㎛サイズで「破裂」する。実はこのことで小生の頭の中が整理できるのです。そもそもそうでなければ「発光」という「現象」が説明できないとずっと考えておりました。
さらに、もう一つのキーワードは「振動」という「現象」でしょうか。ドクターの研究報告によると、確か9ヘルツの「振動」が起こることによって、光マイクロバブルが収縮しながら、高温高圧化をたどる過程を明らかにされていたと記憶しております。
さて、ドクターの「ナノバブル生成仮説」。古くて新しい仮説だと考えます。これまでは、数十μサイズのバブルが「収縮」することによってnサイズのバブルに変化し「消滅」する(したように見える)というこれまでの概念をまさに覆すものだと察します。
未だ、光マイクロバブルについてはドクターでさえ解明できていない「現象」が多々あるということが面白いですね。早いうちに続きをお願いする次第です。ではでは。