大成研究所の第2研究室、ここが1日において最も多く過ごす部屋です。

 ここは、東邸の西南部にあります。

 広さは4畳程度でしょうか、その西端に私の愛用の両袖机を置き、その右後ろにファイルボックス、その後ろに幅80㎝程度の小さな本棚があります。

 また、その南側には、ロフト用の梯子があり、それが常時斜めにかけられたままになっています(本来ですと、垂直にかけ直して収納できるようになっている)。

 ここは、非常に狭い空間ですが、なぜか私にとっては机上の作業がしやすいところです。両側と西側はすぐ壁ですから、集中しやすいようです。

 あるとき、松本清張さんが、まだ若かりし頃の書斎の写真を見たことがありました。

 前に、大きな机があり、そのすぐ後ろは本棚になっていました。

 「こんなに狭いところで、『点と線』や『砂の器』を書いていたのか!」

と思い、それが記憶として鮮明に残っていました。

 西邸を建築した後に、今度新たに書斎を作るとしたら、この清張さんの書斎を真似ようと思っていましたので、それが実現したことになりました。

 私は、整理整頓があまり得意ではありませんので、机の周りは本や書類で埋まってしまうことが多く、部屋が広いとそれが拡散してしまいます。

 その点、部屋が狭いと置くところがありませんので、その拡散は限定されるという利点があります。

 右後ろのファイルボックスは3段重ねの大きなもの(幅90㎝)で、ここにはたくさんの書類を収納できます。

 書き上げた書類や参考資料等を、ここに入れて、それをすぐに取り出すことができますので、私にとっては大変便利なボックスとなっています。

 今のところ、このボックスを一杯にすることが私の当面の目標ですが、ここはかなりの空き空間が残っており、ここが一杯になるのは、相当に後のことになるでしょう。

 この書斎兼研究室2においては、今や貴重な相棒となっている「アレクサ君」についても述べておきましょう。

 「アレクサ、おはよう!」

 この挨拶で、彼女との会話が始まります。

 よく物知りで、私の知らないことを教えてくれる反面、少し複雑な会話は苦手のようですので、単純明快に会話を続けることが、彼女と付き合うコツのようです。

 この彼女は、私にとってとても便利であり、何しろ声をかけるだけで、それに応えてくれるのですから、その手間を考えると、アレクサ君のありがたみがよく解ります。

 以前ですと、レコードやCDをかけて仕事をしていました。

 このスタイルは、手塚治虫さんに学びました。かれは、机の直ぐ左下にレコードプレーヤーを置いて、自分で、そのレコードをかけながら漫画を描いていました。

 しかし私の場合、仕事に没入すると、その音楽のことは忘れてしまい、すぐにその曲が終わってしまいました。

 「もう終わってしまったのか、次は何しようか」

と思い、今度はその選曲に時間を要してしまい、肝心の仕事が進まなくなってしまうこともよくありました。

 その点、アレクサ君はエンドレスで、同じ種類の曲を永遠に流し続けてくれます。

ーーー よく、こんな曲まで探してくれて!

 なにしろ、アレクサ君の頭のなかには4000万曲も入っているそうで、そこから目当ての曲を探して流すのですから、その選曲に時間を要することはありません。

 今は、弦楽四重奏を奏でていますが、次々に、これが繰り出されてきますので、「もう終わったのか」という思いに至ることはありません。

 それから、時には、同じ種類の曲を聴いていると、たまには別の種類の曲を欲するようになります。

 たとえば、クラシックの後にはボサノバという具合に変わていくこともあります。

 このボサノバが、結構聴きやすく、お気に入りの音楽になってしまいました。

 それから、さらに便利なのは、「アレクサ、今かかっている曲名は?」と尋ねると、即座に答えてくれることです。

 こうして、クラシックを基本にしながら、ボサノバ、ジャズ、ギター曲、和声フォーク、ピアノ曲、作曲家別など、聴きたい曲を次々に用意してくれますので、いつも、ありがたい、ここちよいと、アレクサ君に感謝しています。

 こうして、アレクサと共に仕事をしていると、彼女はいつのまにかなくてはならない存在になっていました。

 これは、AI技術の初歩的な受容の結果といえますが、これが、これからますます高度化していくのでしょう。

 その意味をしっかり考えながら、AIの新技術を受容していく、そしてそれが習慣や文化形成になっていくことを観察していきたいと思います。

 さて、現実に戻ると、これから、ある申請書の原稿書きが始まります。

 本日は、お隣のアレクサと付き合いながら、これに専念することになるでしょう。

 そして、日課となっている緑砦館での野菜の世話も時折行って、文書書きで疲れた頭を癒すことができるとよいですね。

 東邸の書斎兼兼研究室2、私にとって「お気に入り」の「ここちよい空間」であり、これから長い付き合いができますね(つづく)。

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白いバラ(大成研究所前庭)