「用語の解説(3)- 4-2」を以下に示します。

用語の解説(3)- 4-2

  光マイクロバブルの「3物理現象」:光マイクロバブルの収縮運動、収縮に伴う負電位増加、発光の特性を有する3つの現象のことである。
   
 上記の内容に関して、お馴染みの「教え子」殿から、おもしろいコメントを下記(青字の部分)のようにいただきましたので、本記事で検討することにしました。

 おはようございます。「光マイクロバブルの基礎」。いいですね。
 下記の部分についてです。

 「たとえば、直径50㎛の光マイクロバブルが水の中で発生させられているとします。 これが時間経過とともに収縮していくのですから、わずか数十秒の間に、その光マイクロバブルの直径は、40㎛、20㎛、10㎛、1㎛へと、徐々に小さくなっていきます。そして最後には見えなくなってしまいます(おそらく、ナノサイズの気泡へと変化していったのだと思います)」

 一方、過去のドクターの研究報告では、下記のように3つの光マイクロバブルの収縮について述べられています。

 ①わずかにしか収縮しない
 ・直径が数十μm前後のマイクロバブルであり、上昇に伴う圧力低下による膨張よりもマイクロバブル自身による収縮がわずかに上回る。また、直径が65μm以上になると、マイクロバブルは逆に膨張する。

 ②収縮速度が約1.3μm/sで収縮する
 ・マイクロバブルの直径が40μmよりも小さくなると、収縮がほぼ一定の速度で約8μmまで収縮する。

 ③収縮速度が急増し、収縮・消滅する
 ・この収縮速度の急増によって、マイクロバブルはマイクロナノバブルに変化する。この変化は、その収縮速度の違いによって区別される。この急激な収縮変化は、その直径が約8μm以下で起こる。

 さて、1μm=0.001mm。1nm=0.000001mm。間違いなく、直接人間の目で、1μmの光マイクロバブルを可視化できるはずもなく、急激な収縮変化が直径が約8μm以下で起こる。

と言われても、どのような方法で8μmという数字をはじき出したのか教えて下さい。

 この質問に答える前に、せっかくですから、上記の①~③について、よりやさしく、そして、より詳しく説明を追加しておきましょう。

 前記①における「わずかに」という意味ですが、たとえば、直径50㎛の光マイクロバブルが発生した直後の状態を思い浮かべてください。

 このサイズは、100分の5㎜ですから、1㎜を100分割した5つ分であり、相当に小さい気泡です。

 これが収取運動を開始してマイクロバブルスコープで可視化できる範囲において消滅したように見えるまでの時間は約38秒程度です。

 仮に、その可視化の限界のサイズを1㎛としますと、直径50㎛の光マイクロバブルが収縮して1㎛になるまでに38秒かかるということです。

 ということは、毎秒あたりの就職速度は、50㎛÷38秒=1.32㎛/sになります。

 1秒間に、1.32㎛しか小さくならないわけで、これが「わずかに収縮する」という意味です。

 これを単純に毎秒あたりの体積減少率で表しますと、1秒間に約2.64%になります。

 それから、この気泡はわずかに上昇しますが、それによって周囲の圧力低下による膨張よりも、光マイクロバブル自身の収縮が上回ることで、その低下の影響をほとんど受けることはありません。

 たとえば、直径10㎛の光マイクロバブルの上昇速度は毎秒100㎛程度ですから、6秒間では600㎛しか上昇しません。

 わずか、0.6㎜ですから、その上昇前後の圧力差は、ほとんどないと思ってよいでしょう。

 また、光マイクロバブルが収縮するか、膨張するかの限界値は、直径において65㎛です。これは、精密な実験を行った実測値ですので、それが根拠になっています。

 ある学会で、これを発表したときに、みなさんが驚いていました。

 なぜなら、それまでは、その限界値が50㎛だといわれていたからで、しかも、その根拠があいまいで、「怪しげな値」だと思われていたからでした。

 ここで、その提唱者が根拠も示さずに50㎛だといっていた「問題」がより一層明らかになりました。

 ②と③については、上記の①の解説と重複していますので、その部分を省きます。

 そこで、残りは、8㎛問題ですが、ここで8㎛が出てきた根拠は、これを境にして、光マイクロバブル速度が急激に増加するからであり、この現象に注目したというわけです。

 ざっと計算してみますと、この間の収縮速度は、1秒間で約10マイクロメートル以上も収縮しますので、その収縮速度は約10倍にも増加しています。

 短期間に大きく収縮する、これが光マイクロバブルの後期過程の重要な特徴なのです。

 これによって、急速に圧力と温度が増加することも推察可能になります。

 ゆっくり収縮しながら、徐々に圧力と温度を上昇させ、最終過程で急速に、すなわち約10倍の速度で高圧高温化を成し遂げる、ここに光マイクロバブルの重要な特徴があると考えてよいと思います。

 ですから、直径8㎛の光マイクロバブル(正確には光マイクロナノバブルともいう)は、非常に重要な値ということができるでしょう。

 なお、この8㎛よりも直径が小さくなると、その上昇速度は、ストークスの法則から離れて遅くなっていきます。

 おそらく、この上昇速度の低減は、収縮速度の急増に関係しているのではないかと思っています。

 これは、前に進んでいる車においてブレーキをかけて速度を遅くする現象とよく似ていて、そのブレーキ役が急激な収縮速度の増大の役目を果たしているのではないかと推理しています。

 なお、このように重要な具体的な数値の提示は、光マイクロバブルを時間的に細かく追跡したデータがないと明らかにすることはできません。

 他の研究者が、このような類のデータを提示した例をあまり見かけないのは、その計測技術が、その水準にまで達していないことの「現れ」ではないかと思っています。

 光マイクロバブルの計測技術を高める、これは光マイクロバブルの正体を探究するうえで不可欠な技術ということができるでしょう。

 関係者のみなさまの切磋琢磨をよろしくお願いいたします。

 「教え子」殿、よい質問をありがとうございました(つづく)。

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タマスダレ(大成研究所前庭にて)