「用語の解説(3)-3」を以下に示します。

用語の解説(3)-3

 超高速旋回式発生装置:秒速500回転前後の旋回速度で気液二相流体を旋回・制御することによって光マイクロバブルを発生させる装置のことである。
   
 筆者が開発し、1995年に発表した装置を、「超高速旋回式」と呼んでいます。

 その特徴は、以下の通りです。

 ①気液二相の流体を同時に超高速で旋回させることによって、液体には遠心力が作用し、気体には向心力が働きます。

 これを遠向心分離作用といいます。

 これによって、装置の回転軸上に超高速の旋回空洞部が形成されます。

 ここで重要なことは、装置の内壁側の液流体は、壁の抵抗によって旋回速度を低下させますが、中心軸上においては、その速度の低下がなく、液体と気体の旋回二相流体が同じ速度で旋回することです。

 この同時旋回によって、気液の界面は少しも変形を起こさないことから、この状態では、気液界面に少しも摩擦現象が発生しません。

 そのため、気液二相の流体界面において摩擦による圧損を発生させないことから、超高速の旋回速度を維持することが可能になります。

 この気液二相流体運動における遠向心分離作用によって、装置の回転軸上に超高速の旋回空洞部が形成され、光マイクロバブル形成の第1段階が準備されます。

 しかし、この準備段階のみでは、光マイクロバブルの形成は実現されません。

 ②気液二相流体の旋回速度は、秒速400~600回転でした。この速度は、ハイスピードカメラによる観察によって確かめられました。

 この超高速旋回速度は、気泡発生装置としては世界最速ではないかと思われます。

 そこで、この旋回速度の比較を簡単に行いましょう。

 よりわかりやすくするために、回転数を分速に換算し直します。

 一般に、通常のモータの旋回速度は、分速3000~4000回転といわれています。

 光マイクロバブル発生装置の旋回速度は秒速500回転、すなわち分速3万回転になり、こちらの方が約10倍速いことになります。

 少し前のハードディスクの旋回速度が分速1万回転でしたので、これよりも約3倍速いといえます。

   私が調べた範囲では、ターボジェットエンジンが最速で分速10万回転でした。

 また、スペースシャトルに積み込んだポンプの回転速度が、光マイクロバブル発生装置と同じ分速3万回転でした。

 光マイクロバブル発生装置のように高速で流体が旋回する装置は他にほとんどなく、それゆえに、それを「超高速旋回式」と呼ぶことにしました。

 しかも、おもしろいことに、この旋回速度は、小型ポンプを用いて実現できたことでした。

 その小型ポンプとは、たとえば、圧力0.15MPa(メガパスカル)、流量毎分15リットルの仕様で可能になったことも注目に値することでした。
 
 ③光マイクロバブルの発生は、超高速で旋回する旋回空洞部の切断・粉砕によって可能になりました。

 これには、装置内における巧妙な流体制御のアイデアが必要でした。

 この切断・粉砕は、流れ方向における上流と下流の間に発生させた回転速度差を発生させることによって可能になりました。

 秒速約500回転で、この旋回空洞部を切断し、粉砕することによって初めて光マイクロバブルの大量発生が実現されたのでした。

 しかも、この方式によって発生した光マイクロバブルと光マイクロバブル水には、非常に重要で優れた物理化学的特性が付与されていたのです。

 この物理化学的特性は、一言で表すと「革新的機能性」といってもよく、ここに、他の発生装置には認められない優位性が存在していたのでした。

 この数年、「ナノバブル」、あるいは「ウルトラファインバブル」という用語が世に出てきて、しかも、それらには固有の特性が認められるという報告もなされています。

 しかし、これらの研究の進展においては、その機能性は限定的で、ほとんど革新的な機能性を有しないという見解も示されるようになりつつあります。

 おそらく、そう遅くない時期に、それらよりも「光マイクロバブルの方がはるかに優れた革新的機能性を有する」ことが明らかになってくることでしょう。

 科学や技術の本性は、その「語呂のよさ」や「珍しさ」、そして「目新しさ」や「イデオロギー」などで決まるものではありません。

 科学的根拠がなく、そして技術的確かさがないものは、短期間に歴史の表舞台から消えていくものです。

 これを科学的、そして技術的淘汰といってもよく、そこで生き残っていくものこそ本物ではないかと思っています。

 今後も、歴史の試練に耐えることができる発生装置の本物性を追究していくつもりです(つづく)。


MBsoutiM2
光マイクロバブル発生装置(㈱ナノプラネット研究所製M2型)