昨日は、ある大学の先生が訪ねてこられました。

 年齢は30台半ば、ラフな格好でしたので、より若く感じました。

 その大学の研究所に勤められていて、生物工学の最先端技術に関する研究をなされていました。

 時代が進むと、予想もできなかったことができるようになるものですが、この方の研究も、そのようなものでした。

 聞くほどに、「そんなことができるのですか、すばらしいですね」と感心を重ねました。

 この研究は、周知の「iPS」とよく似ているそうですが、大きく異なることは、iPSの方が他人の細胞を用いるのに対し、これは、同一のヒトや動物を用いることにあるそうです。

 そのため、iPS研究で指摘されているような副作用は起こりにくく、同化しやすいという利点があるとのことでした。

 しかし、問題がない訳ではありません。

 今回の訪問の目的は、その問題解決において「何か良いヒントが得られないか」にありました。

 当方にとっても、これは非常におもしろく、ワクワクするような話でしたので、話は大いに盛り上がりました。

 このなかで、いくつかの大きな問題点が指摘されましたが、その一つに「何事にも莫大なお金がかかる」ことがありました。

 「このようにお金がかかってしまうのであれば、実用化には漕ぎつけない」 

 これが、かれの重要な強調点でした。

 「なぜ、そうなるのか」を詳しく尋ねると、その生命現象に対して生物工学的に対処する方式に、すべてが留まっているという問題がありました。

 ある意味で、これは当然のことですが、そのために、「金と時間がかかりすぎていて、この壁を何とかブレイクスルーしたい、よい方法はないですか?」、これが、かれの要望でした。

 「生物工学的対処のみに留まらず、物理学的に対応可能な方法を見出せるか」

 これが議論の焦点になりました。

 「物理学的方法、あるいは機械工学的手法といっても、その生命現象に適した方法であることが重要ですね。そうでなければ、一方的な破壊が起こる場合もあり、あるいは無反応の場合も起こりますね」

 「そこが難しいところですね」

 議論は、ここで、光マイクロバブルについて移っていきました。

 光マイクロバブルの物理化学的特性、生物学的特性が、その壁を突破できるのかどうか、

これについて大いに意見交換をすることができました。

 また、これによって最初に問題適された問題のみならず、さまざまな角度からの検討も重要であることも明らかになりました。

 議論は、昼食を挟んで大いに展開していき、数時間に及ぶものとなりました。

 「今後、この議論を発展させ、共同研究に至るとよいですね」

 新進気鋭の若手研究者とのディスカッション、真にさわやかな一時でした。

 同時に、これからは、このような若手を大いに育てていくことができれば幸いだと思いました。

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沖縄にて