多くて重くて大きな困難に直面する世の中、これからの高専生は、このなかでたくましく生きて行かねばなりません。

 これは、高度成長から「奇跡の30年」に至る時代を生きてきた時代の若者たちが背負ってきたものとは、その種類、スケールや進行速度などにおいて本質的な相異を有しています。

 大都市と地方の問題では、東京を中心とする一局集中がますます進みました。

   しかし、お金があれば、この上なく便利であった東京において、肝心のお金が不足することによって生活ができなくなり始めています。

 老後は年金で、細やかであっても十分に生活できるはずであったのに、年金の目減りと高物価のために徐々に困窮してしまうことになり始めています。

 企業の内部留保は、とうとう400兆円を越え、儲かるのは大企業の経営者と株主、都会の地主など一部に限られ、格差はますます拡大する一方です。

 正規の労働者数は3484万人、非正規労働者数は2095万人、じつに、後者の割合は38%にまで占めるようになりました。

 労働者の実質賃金は減少したままで、いつまで経っても初任給の額は同じである状態が続いています。

 一方で大規模なリストラが珍しくなくなり、地方においては大規模工場の閉鎖が続き、産業の空洞化が進展しています。

 私が住む国東においても、空き家住宅が林立し、1DKのアパートの家賃が月1万円でも入居者がないという状態が久しく続いています。
 
 また、地方においては、主力の農林水産業が振るわず、中小企業の低迷、サービス業も進展しないという3業態が続いています。

2018-09-06 (2)
多重大困難な時代

 これらに加えて、近い将来には、次の2つの小さくない問題が発生する可能性あります。

 (1)3.11クラスの南海・東南海沖大地震によって太平洋ベルト地帯がズタズタに破壊され、物流と情報の停滞が起こり、その復旧に膨大な費用を要することで日本経済が打撃を受ける。


 (2)AI時代の本格的な到来によって、大規模な労働力の代替が進行する。その際、アメリカと中国によるAI覇権国によって日本市場は創造的破壊を受けて、その従属化と属国化がさらに進展する。

 孫正義(ソフトバンク)氏は、このAI時代の本格的な到来を迎えて、次のような指摘を行っている。

 1)記憶力、情報通信力、情報認識力などが、現在の100万倍になる。

 2)AIのIQは約1万になるといわれている。アイシュタインのIQは200程度だったといわれているので、IQではAIには敵わない。

 ある経済評論家は、このAI時代がくると、今の労働の9割がAIロボットによって置き換えられると専門家がいっていたことを先日のラジオ番組で紹介されていました。

 これらを踏まえると、高専生は、大地震の復興にたくましく立ち向かい、AIを使いこなし、AIにできない技術の開発と実践を担うことが重要になります。

 真に、かれらは、これから、これらの多くて重い、そして大きな困難に直面しながら、粘り強く生き抜いていかねばならなくなるのです

 高専教員のみなさん、あなた方は、そのことを、かれらにしっかり教えて「立派に生きよ」と導かねばならないのです(つづく)。

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シーサー(シルトロンホテルの玄関にて)