「これは、小さくない可能性がでてきた。ひょっとしたら、沖縄の農業のあり方を変えていく、よいきっかけになるかもしれない」

 栽培が始まったばかりの出来立ての植物工場を後に、近くのホテルでアイスコーヒーを飲みながら、このような思いが湧いていました。

 「あの植物工場で、光マイクロバブルの効果を、いかに最高度に発揮させるか、これが重要ですね」

 「そうですね。とくに初期段階における苗づくり、これが決め手になるかもしれませんね」

 「そうなると、沖縄は、重要なモデル地区になりそうですね」

 「施主の話では、早くも見学者がかなりあるそうです。魅力的なのは1年中野菜が栽培できることであり、これは沖縄しかできないという特徴があり、これを活かすことができると、おもしろい話になるでしょう」

 「沖縄は、南は東アジア、北は九州、そして東京がありますので、ここを起点にして南北に出荷できるようになると、沖縄の利点を最大限に活かせますね」

 「そうです。その意味で、この植物工場が果たすべき役割は小さくないですね」

 冷房のよく聞いた喫茶室で、しかも、サンゴ礁の海の景色に囲まれて、相棒との歓談は大いに弾んでいました。

 「せっかく、ここまで来たから道の駅『許田』まで足を伸ばそうか」

 「いいですね」

 二人の狙いは一致していました。

 それは、そこにある「三矢」の「サーターアンダギー」を買うためでした。
asa-
サーターアンダギー(国糖)

 この道の駅は、いつも人気で、お客さんでごった返していました。

 店内の野菜果物コーナーでは、「キーツマンゴウ」が主役であり、2つで8000円もする箱入りがいくつも並んでしました。

 これに対して、パイナップルは大きなものでも500円程度、両者の差は大きくなる一方ですね。

 一周りしてから、目当てのサーターアンダギ―を買うために、店頭に並びました。

 ここでは、いろいろな種類のアンダギーがあり、それらを選んで自分で袋に入れて買うという方式です。

 私たちは、国糖入りを9個、そしてプレーンを11個買いました。

 後者は、丁度焼き立てでしたので、これがほくほくしておいしく、車中では大喜びで、これらの味見をしました。

 残りはお土産にして持って帰りましたが、これがまた受けて、みなさんに喜ばれました。

 家内は、お腹が空いていたのでしょうか、またたく間に3つ平らげていました。

 「一度食べるると、すぐにまた食べたくなる」

 これが名物の特徴ですが、これは、まさに、その名物に値すると思いました。

 それにしても、ひっきりなしにお客さんが買っていて、よく売れていました。

 おそらく、1日1万個は売れていると思いますので、その売り上げは90万円、売り子は2人、採算は十分に取れますね。

 ついでに、お隣の天ぷら屋で島ラッキョーの天ぷらを買いましたが、これもまた絶品の味でした。 

sa-ta7
アーサーアンダーギー屋の「三矢」と天ぷら屋