このところ、夏の暑い陽ざしが、心なしか和らいできて、暑さも峠を越えたかなと思えるようになりました。
ここ、国東市向陽台は、海抜40m、かつては広大な森だったところですので、夏は涼しく、冬温かいところです。
夏になると、朝は山から風が吹いてきて、夜には海風が通り過ぎていきます。
さて、本日は、いつもよりも早く起きて、朝の6時に家を出ました。
宇佐にあるお墓の掃除のためでした。
1年に1回、お盆を迎える前の墓掃除、子供のころから続いている恒例の作業です。
7時過ぎに宇佐市街に到着、途中のコンビニで朝食用のお結びを買って腹ごしらえを行いました。
墓場に着くと、すでに先着のみなさんがいて、人気のないところに、今日は人気を感じて賑やかでした。
年々、この墓地にはお墓が増えているようで、大きな駐車場だったところが狭くなっていると感じました。
街並みは、ほとんど変わらないのに、墓地では立派な新しいお墓が増え続けている、これも高齢化社会の反映なのでしょう。
複雑な思いを抱きながら、墓地のなかに分け入っていきました。
我が家のお墓は、その墓地の奥まったところにある林の手前にあります。
「今年は、草木の生え方が少ないね!」
こういいながら、墓の周囲を箒で掃き、そして、濡れ雑巾で丁寧にお墓を拭いていきました。
埃が1年分溜まっていますので、濡れ雑巾がすぐに真っ黒に汚れてしまいます。
これを水で流して、再度拭き掃除を繰り返し、お墓をピカピカに磨いていきました。
最後は、乾いたタオルで空ぶきを行い、きれいに仕上げました。
「きれいになったね。おじいちゃん、おばあちゃん、そして姉が、さぞかし喜んでいるでしょう」
そして、みんなで迎えのお祈りをして、墓場を後にしました。
「予定よりも早く終わったので、どうしますか? お茶でも飲みに行きましょうか」
時刻は8時30過ぎ、この時刻だとどこも開いていないようで、駅館川を越えたところにファミリーレストランがあったので、そこに行くことにしました。
冷房のよく効いたレストランに入って少々驚きました。
それは、お客さんがかなり来ていて、空いてる席を探すほどだったからでした。
家族で来ている方々が多く、
「こんなところに人が集まっているのか!」、
とふしぎに思いました。
興味津々の、この人集まり現象に接し、私の頭は、その原因を探究するためにぐるぐると回転し始めました。
この観察中にも、来客は増え続け、店内はほぼ満席状態になっていました。
「さて、何を注文しようか? コーヒーでも飲もうか」、
と思ってメニューを見渡すと、それが単独ではありませんでした。
なぜかと隣の相棒に尋ねると、「ドリンクバー」のなかにコーヒーが入っていて、その値段は350円でした。
いろいろな飲み物があって、それらを好きに飲めるのだそうで、これが人気だとのことでした。
それでは、このドリンクバーにしようかと思っていたら、ビールが399円とありましたので、これを家内と二人で飲もうかということになりました。
さて、今日は早朝から労働をしてきたので、朝からでもビールを飲んでもよいであろうと勝手に思いながら、そのレストランのメニューを眺めて、なるほど、これが人気の理由かと納得しました。
それは、そこに掲載されていたメニューのほとんどが、500円、600円のものばかりだったことでした。
「これだと家族で気楽に来ることができる」
店内には、4人から6人かけのテーブルが30~40あり、ここに4人掛けで座ると、総勢で約150人でほぼ満席になります。
一人が1000円の注文をするとすると、その売り上げは15万円、これが一日10回繰り返されると150万円にもなります。
なかには、1500円以上の注文もなされるでしょうから、それは200万円にもなるのかもしれません。
これを一月にすれば6000万円にもなり、電気代、人件費などを考えても、十分に成り立つビジネスといえます。
問題は、本日のように常に満席を維持できるかにありますが、その秘訣が低価格でもおいしさを確保できる料理にあるのでしょう。
よい勉強になりました。
「まだ、目当てのところが開く時間の11時までには、かなり時間がありそうなので、院内の道の駅にでも行きましょうか」
ここで、地元産の名物を買うことも楽しみの一つになっています。
その名物とは、「とりめし」、「レンチョウの干物」、「川蟹のスープ」、「柚子胡椒」の4つであり、いずれも売り切れになっていなかったので、内心ホクホクでした。
最初の「とりめし」は、鳥がおいしいからでしょうか、子供の頃に食べた味に近く、人気の商品なのでしょう。
夕方に訪れると、よく売り切れになっていることが多く、本日も1パックしか残っていませんでしたので、すぐに籠に入れました。
値段は、4つ入って370円でした。
コンビニの「おむすび」よりは、はるかに優れた極上品です。
2つ目は、レンチョウ(シタビラメ)の子どもを、地元では「ベタ」と呼んでいます。
この「ベタの潮風干し」、これが絶品です(興味のある方は、HP『宇佐のちから』を参照されてください)。
これを弱火で焼いて、朝食に添えると、まさに高級な朝食に様変わりします。
香りと味がすばらしく、真に宇佐の「名物」といってよいでしょう。
私が買ったのは5枚入りで700円、これも一つしか残っていませんでした。
3つ目は、川蟹で造られたスープのであり、地元では、これを「がん汁」と呼んでいます。
その商品名は、「がん汁の素」であり、450円でした。
これも、川蟹独特の味がして格別の名産といえるでしょう。
最後は、お馴染みの櫛野農園の柚子胡椒の『極々上』でした。いつもは、直接、そこに伺うのですが、今回は、ここでの購入で済ませました。
値段は同じで、一瓶750円、これは絶品中の絶品であり、先日、京都から来られたお客さんが、これに病みつきになり、ワサビを一切食べなくなったといっていましたが、これは私も同じです。
この「極々上」は、数ある柚子胡椒のなかでもトップクラスのもので、私が、こちらに来ての柚子胡椒行脚の末に、たどり着いた逸品です。
家内は、品質の良い板海苔が安かったそうで100枚入りを4つも買い込み、沖縄へのお土産にするのだといっていました。
他には、地元産の野菜もおいしそうで安かったので購入したそうです。
こうして、久しぶりに訪れた道の駅「院内」でゆかいな買い物をすることができました(つづく)。
真夏の東の空と竹藪
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