(2)地場のなかに存立してきた高専

高専において地域協力が本格的に開始され,発展していったのは1990年代に入ってからのことであり,これには,次の客観的および主体的条件の両方において比較的優れていたことと関係していた3

a) 全国の地方都市に高専がバランスよく配置され,その地域の優秀な中学卒業生を受け入れるとともに,地域が高等教育機関として期待を寄せた.

b)高度な技術研究に裏打ちされた実践的技術者教育がなされた.

 その結果,高専においては,「地域に根ざした技術づくり」と「地域に根ざした高専づくり」が共に持続的に発展を遂げるようになった3

 

(3) 光マイクロバブル技術の誕生と普及

 高専における実践的な技術研究とそれに裏打ちされた教育の成果の積み重ねは,1995年におけるマイクロバブル技術(現在は,他の技術と区別するために『光マイクロバブル技術』と称している)の誕生,そして,その後の小さくない規模の発展と普及に貢献した3)

その特徴は,常に現場における技術研究が先行し,その驚くべき成果を踏まえて科学的研究が後追いしてきたことにあった.

そして現在は,膨大な数のマイクロバブル,ナノバブルの研究者が輩出するようになり,その数が現在も急増している.

重要なことは,本技術が,高専で誕生し,わが国における小さくない発展が世界に影響を与え,波及するという,いわば「わが国発のオリジナル技術」であり,ほとんど稀有ともいってもよい世界的発展を遂げていることなどにある.

本技術の発展は,次のような過程をたどった.

 ①マイクロバブル発生装置の誕生と発表(1995年),世界32カ国における特許取得.高専に根ざした実践的技術の探究と普及.

 ②日本高専学会および日本混相流学会におけるマイクロバブル研究の発展(20002007年).

 ③VB(ベンチャービジネス企業)(株)ナノプラネット研究所の設立による技術開発と展開.

 ④「地域に根ざした高専づくり」,「地域に根ざした技術づくり」への挑戦(20082016年).

 ⑤次世代の光マイクロバブル研究のメッカをめざして「大成研究所」を設立(2018年).

(つづく)。
ochanowakaba
お茶の若葉(大成研究所前庭にて)