たった今、懸案の学会原稿を済ませたことでほっと一安心し、このブログを認めることにしました。

 昨日、大分県は梅雨明けをしたそうで、そのことを今日になって聞きました。

 なにせ、原稿書きに没頭していましたので、それに気づきませんでした。

 これで平常通りの執筆体制に移行できます。

 さて、その執筆中に気になることがありました。

 それは、死者と行くへ不明者を含めて200人を超える大災害であるにもかかわらず、政府の対応が非常に遅いことでした。

 そのことについては、7月8日付の記事「日曜日の朝」において言及しておきました。

 その後、上記の被災状況が明らかになり、同時に政府の対応の遅さが指摘されるようになりました。

 それは、「66時間もの遅れ」であり、政府は対策本部を7月8日の午前8時に立ち上げたそうです。

 この対応に専念するために、首相はヨーロッパにおける4カ国訪問を取りやめたという報道もありました。

 逆にいえば、首相外交を取りやめるほどの大災害であったこと、これを中止しなければ、非難ごうごうになって大変な事態に陥る可能性があったということが想像できます。

 66時間もの対応の遅れ、「政府や自衛隊が、なぜメディアに登場しないのか?」とふしぎに思っていましたが、この心配は的中していました。

 そこで、今回の災害を振り返ってみましょう。

 ①7月6日(金)夕刊 ➡ 各地で記録的大雨、一人心肺停止、4人不明

 この記事では、西日本の各地区で大雨が降り、気象庁が7日、8日にかけて1時間に80㎜以上の大雨になるところもあり、警戒が必要であることが報じられています。

 しかし、この記事は、松本死刑囚執行の記事のために1面の隅に追いやられていました。

 ②7月7日(土)朝刊 ➡ 8府県大雨特別警報 死者3人、安否不明12人 広島複数生き埋め

 この大雨特別警報は、さらに大幅な被害の拡大を防ぐための発令であり、この時点で大災害になる様相を帯びてきています。

 これは、気象庁からの実測と予測が逐一が集まてくる災害対策室においては、この甚大な災害予測が可能だったはずです。

 その道の専門家であれば、6日の夜に、遅くとも7日の朝の時点で政府が対策本部を立ち上げ、必要な対策を機敏に対応すべきだったと悔いたはずです。

 「これは大変なことになる」、こう考えられたのではないでしょうか。

 しかし、その対応が遅れ、結局は8日の午前8時になるまで最も大切な初動ができなかったようです。

 ③7月7日 夕刊 ➡ 死者14人 不明50人超 記録的大雨、心肺停止一人、西日本、前線なお活発

 この時点で、被害者が拡大し続けていることが報道されています。

 4年前の広島での死者70数名を越える恐れが出てきています。

 また、その死者と不明者の大半が土砂の流出による生き埋めであることが報じられていますので、すぐに救出に向かう必要がありました。

 よくいわれていることは、生き埋め被災者の生命保持時間は72時間といわれていますので、この時点ですでに30~50時間前後が費やされていたことになります。

 ④7月8日 朝刊 豪雨死者8府県50人 不明50人、冠水で孤立も

 死者の数が一挙に増えて50人になっています。不明者の数は、昨夕と同じ50名ですが、この時点では被害の全容が明らかになっていません。

 悔しいことに、夥しい土砂と石の山を前にして、有効な掘り出しに至らなかったのではないでしょうか。

 真に残念です。

 おそらく、この朝刊を見て、政府は慌てて対策本部を立ち上げたのでしょう。被災者の数、災害の規模、広さといい、国を挙げての緊急対策が必要な災害でした。

 ⑤7月8日 夕刊 死者103人 安否不明なお50人以上 西日本豪雨、避難2万人以上 

 死者の数が、一挙に2倍になりました。この時点で、生命維持時間の72時間を超えています。

 緊急の救助が一部に留まり、対応できなかったことで、そして被害の状況が明らかになってきたことで一挙に死者の数が増えたのだと思います。

 この時点で死者の数と不明者を併せると約150人、それから、途方もない避難者の数、これも、今回の災害が大規模であったことを示しています。

 ⑥7月10日 朝刊 死者126人、全容見えず ➡ 不明86人、救助活動続く 西日本豪雨 82年以降で最悪

 死者と不明者を併せて214人、この時点でも全容が見えていないと指摘されています。

 そして、この時点で初めて「救助活動続く」という見出しが1面トップに出ています。

 82年以降とは、36年ぶりの大災害ということになりますが、おそらく被害の全容が明らかになれば、さらに被災の規模は拡大するのではないかと思われます。

 こうして振り返ると、初動の遅れが重大であり、本当に悔やまれることです。

 日本は災害列島ですので、これにふさわしい初動ができるようにならないといけませんね。
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高砂百合