本格的にナノバブルのことを検討する前に、巷で、「ナノバブル効果」なるものが、どのように流布されているかを少し調べてみました。

 以下は、その一例ですが、あまりにも都合のよさそうなことを並べているにすぎず、これでは、みなさんに納得していただくことはできないし、むしろ混乱を助長させているのではないかと思いました。

 以下の1~3の黒字は、その巷の説明の部分であり、緑の文字のところは私のコメントです。

1.  気体溶解効果
 「液体中に気体を多量かつ効果的に溶かすことができます」

 この見解は、これまでのナノバブルの説明と大きく矛盾しています。

 ナノバブルは、液体中に多数発生しますが、それが液体中で長時間保持されることが大きな特徴とされています。

 ですから、それが多量に溶けるのであれば、ナノバブルは消えてなくなってしまいます。

 そうなると、長時間にわたってナノバブルを維持することはできなくなります。

 それから、「効果的に溶かすことができる」も、この長時間維持とは相いれないことといえます。

 長時間にわたってナノバブルが維持されるのですから、効果的に溶かすことも至難の業ということができるでしょう。

 以上をまとめると、ナノバブルは、液体中で長時間保持されるのが特徴であり、それは、液体中で容易に、そして短時間に溶解しないことから成り立つ現象です。

 ですから、ナノバブルとは「多量に気体を溶かすことができない気泡」であり、そして、「効果的に溶かすことができない気泡」ということができます。

 大量に、そして効果的に溶解させる性質は、ナノバブルよりも光マイクロバブルの方がはるかに優れています。

 幾人かのナノバブル研究者に、この溶解問題を質問したことがあります。

 かれらの回答は、「多量に、そして効果的に溶かすことができる」というものではありませんありませんでした。

 おそらく、「ナノバブルが多量に溶ける」といえば、その時点で「大量発生したナノバブルが長時間にわたって維持することができる」ことを否定してしまうことになると思われたからなのでしょう。

 2. 気体封入効果
 「気体の中に目的に応じた気体を封入することでナノバブルにさらなる機能を付加することができます」

 これは、たとえば、「オゾンナノバブル」のことを示しているのだと思います。

 オゾンをナノバブル化して、「さらなる機能を付加できる」といいたいのでしょう。

 オゾンには、殺菌、脱臭、脱色作用がありますので、それらをナノバブル化して効果的な作用を生み出したい、誰しも、そのようにしたいと思うはずです。

 しかし、そのように都合よく事は進んでくれません。

 オゾンナノバブル、これを造ることは、そんなに難しいことではないでしょう。

 それ問題は、それが効果的に溶解しせず、長時間維持されることにあります。

 液体中でナノバブルが長時間維持されることは、学会においてもみなさんが認めておられる現象ですので、これを尊重すれば、オゾンは、水中で溶けないということになります。

 そうであれば、オゾンを封入できても、それによって「さらに効果的な機能を付加する」ことはできないはずです。

 それとも、ナノバブルかすることによって、原理的にも新たな現象が産み出されているのでしょうか。

 そのことを学会で尋ねても、何の返答もない、これが現状でしかありません。

 むしろ、真摯な見識あるナノバブル研究者との対話では、ナノバブルによって化学反応的な作用効果はないということが明らかになってきています。

 それでも、反論があるようでしたら、具体的な証拠を示して、ナノバブルの機能性を説明すべきだと思いますが、いかがでしょうか?

 3. 生理活性効果
 「ナノバブルは植物の根などから吸収されやすいため酸素等を植物に供給するための効果的な手段となります」

 これも納得できるような説明ではありませんね。

 この方は植物の根が酸素を吸入することを「生理活性」と考えられているようですが、それにも無理があるといわざるをえません。

 酸素を十分に含んだ水を与えれば、植物の根はそれを吸収して養分と一緒に茎や葉に運んでいきます。

 酸素が必要なのは、茎や葉の方で、これを呼吸といいます。

 ナノバブルを根に供給することによって、どのような植物の生理活性を整理させるのでしょうか。

 その説明がなく、これによって「生理活性効果」を唱えることには相当な無理があるといわざるをえません。

 ナノバブルの生理活性作用を論ずるのであれば、それによって、ナノバブル化によって、どのような生理活性物質が産生されるのか、それを明らかにする必要があります。

 このような解明はなされておらず、科学的な根拠がないままに、このような主張がなされることは「まやかし」でしかなく、これを「ナノバブルがもたらしている社会的混乱」といってもよいでしょう。

 ここには、「光マイクロバブル」を否定しながら、一方で「光マイクロバブルの成果」の「いいところ取り」が「こそっと」なされ、ナノバブルに「あやかる」、このような姿が浮き彫りになっているように思われます。

 このような「まやかし」と「いいところ取り」が起こることは世の常ですが、一方で、それは「泡沫(うたかた)のようにできては消え」するものでもあります。

 読者のみなさま、くれぐれも「まやかし」に騙されないように、要注意で、よろしくお願いいたします(つづく)。
kinnsennka
キンセンカ(なかに虫がいました)