このところ連日雨の日が続いています。
雨が降ると、その分だけ気温は下がりますが、逆に日照のない日が続くと、それが植物の成長を阻害するようになります。
水質が悪化し、植物の根が腐りはじめ、最後には枯れてしまいす。
こうなると最悪の事態となり、雨の日の次に晴れると一挙に気温が上昇し、さらに、植物の体力が弱り、枯れて死んでいくことになります。
一昨年は、約20日も太陽が顔を出さず、大切に育てていた「7ii」が一挙に枯れてしまうという突発現象に遭遇し、何もすることができませんでした。
植物を含めて生物は、与えられた環境条件の下でしか生きていけず、それが壊されると一気に身を亡ぼす道へ向かっていきます。
とても恐ろしいことですが、それを経験してみないと、その環境の重要性を理解することができない、これが、浅はかなヒトの性なのかもしれませんね。
農家のみなさんは、このような恐さを何度も経験され、そこから体験的な学習をなされ、生物とどう付き合えばよいのか、そしてその環境をどう整備してやればよいかをよく悟られるようになるのではないかと思われます。
また、農作物は、1年に1、2回程度しか収穫できないことから、その技術の改善にも長い時間を要します。
さらに、その長い間に思わぬ天変地変があると、そこにより不安定な要素が加わり、そこからなかなか回復することができなくなります。
よくある話としては、設備投資に多額の金を使い、それを20年で返済していくという計画が立てられます。
これは、その20年の間に、何も天変地変やアクシデントが何も起こらないと考えられて立案されます。
しかし、実際には、その想定外のために、すべての経営が立ち行かなくなる、このような事例をいくつも目にしてきました。
そんなに甘くはない、それが現実に起こっていることなのです。
それでは、いったい、どうすればよいのか?
ここで立ち止まってしまいたくなりますね。
しかし、人間というものは、そんなに単純なものではありません。
暗闇の中においても、決して諦めることなく一筋の光を見出そうとする、その閃光のなかに、確かな活路を発見しようとする、これがヒトのすばらしさでもあります。
その典型的事例がワールドカップロシア大会において大活躍した日本の若者たちです。
下馬評は3連敗、ある辛口の解説者はそれぞれ1~2%と酷評していました。
この予想のために、今回のワールドカップは盛り上がらない、期待できない、これが日本中を覆っていました。
ところが、どうでしょうか?
事態は、初戦の開始後3分のレッドカードで一変しました。
若者たちが力を合わせ、工夫して挑戦すれば、世界の強敵を、次々に、なぎ倒し、互角に戦うことができることを証明したのでした。
かれらにとって、あの相手へのレッドカードは活路そのものであり、暗闇に放たれた閃光そのものだったのではないでしょうか。
この快挙の意味は、決して小さなものではなく、その閃光の矢は、一挙に日本や世界の人々に驚きと喜びの的を射ることになりました。
日本の若者たちは、このサッカーでの快進撃の矢を、今度は別の世界において、いくつも放つことができるようになるでしょう。
それが、日本中を沸かせたかれらの成果ではないでしょうか。
あの輝かしい閃光のなかで、2つの真摯な涙を目の当たりにすることができました。
そのひとつは「乾の涙」でした。
自分が得点したシュートのことよりも、自分のミスで相手に点を入れられ、敗北したことを悔やんだ真摯の涙、これには、心を動かされました。
もう一つは、同僚の引退の方に接して流した「吉田の涙」でした。
苦楽を共にし、先に引退する同僚に対する感謝と労いの涙、これも本物であり、感動的でした。
これらには、純粋透明の「悔しさ、感謝の念」が迸っており、これぞ、これからの日本の未来を創造する「源泉の力」ではないかと思いました。
日本の若者たちには、このように未来を切り拓く力がある、これを痛切に再認識したワールドカップでした。
私も、久しぶりに鼓舞され、ゆかいに、そして、やる気になりました(つづく)。
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