この季節においてよく水揚げされるのが小エビと鯛です。
小エビは、夏を前にして成長期を迎え、一気に大きくなっていくことから、それが底引き網でよく獲れるようになるのでしょう。
ここ豊後灘では、まだ地元産の魚がよく獲れていて、瀬戸内海とは小さくない違いを見せているように思われます。
国東安岐港の市場で購入した小エビです。
地元では、この水揚げと同時に、これをゆでて食べる、あるいは出荷しています。
これは「浜ゆでエビ」と呼ばれ、宇佐市長洲のものが有名です。
新鮮ですから、エビ独特の臭いもなく、塩を入れてさっとゆがくと恰好の酒の肴になります。
写真には、やや小ぶりの小エビが写されています。
これを少し摘んで、早速塩ゆでにしてみて、少々吃驚しました。
「あれっ、これは柔らかい。これだったら丸ごと食べることができる!」
通常は、殻を剥いて食べますが、このエビは違っていました。
殻が非常に柔らかく、丸ごと食べても何の違和感もありませんでした。
「これは、いける」
ついつい手が伸びてしまいました。
そんなわけで、小皿のゆでエビは、すぐになくなってしまいました。
ーーー こんなことなら、もう少しゆでておけばよかった。
ついでにワインでも飲もうかという思いが過りましたが、ここは我慢しました。
柔らかで丸ごと食べることができる新鮮小エビ、これをトロ箱ごと買えるのですから、これは贅沢な話です。
近頃、急に成長し始め、そのために未だ殻形成ができていなかったのだと思います。
浜ゆでエビは、殻ごと食べる、これは現代人がとっくの昔に忘れてしまった食習慣ではないかと思いました(つづく)。
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