5月22日に開催されるサイエンス&テクノロジー社主催のマイクロ・ナノバブル技術セミナーの準備をしていて、次のような思いが去来しました。

 今の状況を変革するには、この講演を引き受けて、それを足がかりにするのがよいという助言を得て、これを引きうけることにしました。

 そして、この5時間講演のプログラムを検討することになりました。

 引き受けるからには、そしてそれによって状況を打開するのであれば、それにふさわしいプログラムにしなければならない。

 この思いを下敷きにして、その全体構成と具体的な内容をより詳しく検討することになりました。

 その際、参加者が最も聞きたいと思うことは何か、これを追究していくことにしました。

 それは、マイクロ・ナノバブルの革新的機能性を、どう明らかにするか、そしてそれをどう具体的な技術に適用するのか、さらに、いかに情勢に応じて、その規模を発展させていくのかなどにあるのではないか、と想像しました。

 そこで次に、その技術の「核心」を丁寧に解説し、その理解を深めることによって、それを舞台にしての革新(イノベーション)の方法を、どう見いだしていけばよいのかについても解説することにしました。

 第1の関門は、その核心を、どう理解していただくかの問題でした。

 物事を理解する方法には、次の2通りがあります。

 Ⅰ知識を徐々に積み重ねることによって新しいことを知る。いわば、教科書を通じての理解です。

 この場合は、ドラマチックなことはほとんど起こりませんので、論理的な知識の更新がひたすら続くことになり、これがひとかどの量に達しますと「博識」に至り、その証拠として「博士」になる方もおられます。

 なかには、この博識を持って、世のなかを制したと思われる方も少なくなく、これらの人々が集まる場所は「象牙の塔」ともいわれていました。

 Ⅱ現場において実際の現象を五感を用いて体験する、あるいは、その実際現象を通じて、なぜ、それが起きたのかを考える、その謎解きをしようとすることです。

 この場合、わからないことだらけですから、教科書を通じて身につけてきた知識、博識はほとんど役に立ちません。

 しかも、このような理解の方法は、実践的に何度も鍛えられていないと、簡単に観に付くものではありません。

 これは、「鋭い洞察力」といわれるもので、実際の現場において、何度もその現象を体験し、そこから、現象がなぜ起こるのかの謎解きを行い、問題解決を図るという方法です。

 ですから、博識の達人が、鋭い洞察力を有した達人にはほとんどなれないのはむしろ当然のことでもあります。

 これらをⅠ型、Ⅱ型と呼ぶことにしますと、後者の数は、圧倒的に少なく、このⅡ型教育の不足を指摘せざるをえません。

 以上を踏まえ、本セミナーでは、このⅡ型の理解が可能になる工夫をすることにしました。

 マイクロ・ナノバブルの本質に関わる実際の現象をまず先に提示し、そこから、その理解を開示し、なぜ、それが起きたのかを考えていただく、これが非常に大切です。
 
 それぞれの現象は、まったく違う世界で起きたことですので、相互に貫かれている法則性を理解するところまでには到達できていません。

 「真理は細部に宿る」

 個々の現象のなかで起きた細部のことを追究していくと、そこに潜んでいる真理が見えてくることがあります。

 「たとえば、カキで起きたことが、ヒトの成長とどう関係するのでしょうか。さらには、植物の成長や味にどうかかわるのでしょうか?ペットはどうでしょうか?」

 どこかに、普遍的な「共通項」があるはずです。

 具体的な現象を通じて、そこに普遍的な本質を見いだす、これが可能になると、その理解はより本質的な段階に達するようになります。

 「その普遍的な本質とは何か?」

 これを理解することができるかどうか、ここが「理解の核心」といってよいでしょう。

 具体的には?

 「それは、マイク・ナノバブルの革新的機能性であり、それによって生み出される革新的機能物質です」

といってよいでしょう。

 参加者のみなさんが、これらを理解することができれば、最初の山を越えることになるでしょう(つづく)。 

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               光マイクロバブルの発生