②食糧の生産機器、食品の高品質化機器の開発

 ③環境・エネルギー機器の開発

 本日は、この②と③の問題について解説しましょう。

 まず、②の問題は、長期的課題としての「食糧問題」に結びついています。

 この問題は、21世紀の10年代を迎えて、国内外で最も重要な課題のひとつとして認識され始めています。

 世界においては格差がますます広がり、水や食糧を求めて大量の難民が発生する一方で、世界中のあちこちから、それこそ湯水のように大量の食材が移入され、消費されるという国も出現しています。

 また、安全でおいしい食材(野菜を含む)を求めて、自前で生産を強化する国も増え始めています。

 農薬まみれで育った農作物は、安くてもまずく、そして安全性が確保できないことから、それよりも、少々は高くても安全でおいしい農作物を購入した方がよいという指向も出現しています。

 この消費者側の指向は、ますます強まり、安いが、おいしくなく、農薬まみれで安全性を確保できない農作物と、少々高くても、おいしくて安全安心の農作物との攻防がますます激化していくでしょう。

 この激烈な攻防が、今後、より一層繰り広げられる典型的な舞台の一つが「植物工場」です。

 安全で無農薬栽培をめざしていますが、その実態においては無農薬栽培には困難が少なくありません。

 また、植物工場野菜は、そのおいしさにおいても露地野菜を勝るほどには至っておらず、そして何よりも肝心の6倍もの価格差を克服できていません。

 求められているのは、おいしくて安全、そして、そのおいしさにふさわしい価格の野菜であり、これまでの植物工場は、これらを実現する領域には達していないように思われます。

 さらに、もうひとつの重要なことは、それを担う農家の問題です。

 周知のように、農家の高齢化が進行し、「後5年持つのか」といわれ続けています。

 若い後継者が現れ、かれらが十分に生計を保つことが可能になる一方で、高齢者においても十分に農業を行うことが可能な方法を新たに開発していくことが重要な課題になっています。

 こうして、この問題の全体像を俯瞰して見ると、ここには重大な問題がいくつも存在し、それらを解決していくことには小さくない困難性があることを認めざるをえません。

 「それでは、どうすればよいのか?」

 これが、この十数年間にわたって真剣に考え続けてきたことのひとつです。

 「これは、大成研究所において本格的に取り組むべき重点課題になる」

 こう思って、自前で、真に小規模ですが、その課題の根本的解決をめざして建設したのが「緑砦館」でした。

 その広さは40㎡、通常のビニールハウスの広さの数分の1しかありません。

 「ここで、高生産性としっかりした採算性を確保できるか、これをめぐる実験と実証を行おうではないか?」

 これが、私が到達した問題意識でした。

ーーー せっかく自前で造るのだから、最高水準の植物工場をめざそう!それを「緑砦館」と命名し、まさに「緑の砦」を造ることができるかどうか。

 これを問うことにしました。

 この緑砦館の本格的な稼働は、この2月からですので、まだ実質3か月余でありますが、はやくもいくつかのおもしろい問題も出始めています。

 はたして、その緑砦館が、本来の機能を遂行できるのかどうか、これから、それが試されるのではないかと思います。

 幸い、私は、今年の夏に古希を迎えますので、十分な後期高齢者といえ、その高齢者が、この緑砦館の生産部隊を担えるかどうか、これも試されることになりますので、実験者としての自覚をますます高めていこうと、その思いを強めています。

 次に、③の課題についても少し言及しておきましょう。

 この課題は、食糧問題と比しても、それに劣らないほどに重要であり、それらが、世界的規模で常に政治経済的テーマにもなっています。

 炭酸ガス排出問題、自然エネルギー利用と原発問題、環境汚染と食の安全性問題など、ここに深刻で重要な問題が存在していることを読者のみなさまは容易に理解なされることでしょう。

 「これらの問題に、光マイクロバブル技術は果敢に分け入り、その解決の鍵のひとつとなっていくべきではないか」

 長年にわたって、私は、この問題意識を養生してきました。

 そのためには、短期的アプローチに留まらない、しっかり足腰を据えた準備と取組が重要であると考えています。

 幸いにも、これまでにいくつかの「きっかけ」となりそうな事象も現れてきていますので、それらを本研究所の足場として組み立て、それにふさわしい構築物を建設していきたいと思っています。

 こうして考えてみると、本研究所が果たしていくべきことは少なくないようであり、これらに取り組むには、それにふさわしい若さと体力が必要である、このようにつくづく思うこの頃です。

 本研究所が、みなさまのご期待に応え、着実な発展と、それらに基づく社会的貢献をなすことができれば真に幸いです。

 どうか、みなさまのご支援、ご協力をよろしくお願いいたします(この稿おわり)。

 
siroihana
大成研究所の前庭に咲いていた白い花