昨日、今度5月22日に東京で行う集中セミナー(サイエンス&テクノロジー社主催)の参加者の応募状況に関する報告がありました。

 すでに、予定の定員を大幅に上回っているようで、大変よい傾向かと思っています。

 これは、今回のプログラムを見られて興味を抱かれたからではないかと推察しています。

 そのことは、その参加者のほとんどが所属の企業においてが開発や技術統括、さらには顧問をなされている方ばかりであることからも類推できます。

 じつは、このセミナーを引き受ける際に、この主催社の担当者とかなり突っ込んだ話をしました。

 それを要約して示しますと、次のようでした。

 ①単に、マイクロバブルやナノバブルに関する知識を解説するのみのセミナーでは、多くの参加者を集めることはできない。すなわち、企業を中心とした参加者にとって魅力的でワクワクするようなセミナーではない。

 その意味で、従来のセミナーのあり方は基本的に改善される必要があると思っていました。

 ②参加者に光マイクロバブル技術の本質を理解していただき、その未来に確信を持っていただく必要がある。

 この技術の本質を理解するとは、どのようなことなのでしょうか。

 単なる知識の獲得では、そこに到達できないことは明らかなことです。

 それは、その技術のすばらしさに感動し、それを単に知識として受容するだけでなく、それを実際に試してみよう、実践してみようという「行動」が生まれることにまで到達することです。

 そして、その本質的理解が進展すると、その未来における発展を確信するようになり、その「重要な何か」を探究しようとする姿勢が形成されるようになります。

 ③その技術の核心を理解することによって、それが社会に対してどのような作用をもたらすか、ここを明確にする必要があります。

 それが貧弱のままか、あるいはほとんどできていないようでは参加者を満足させることができない。

 これには、講演者の立場や社会的実践の姿勢や実績そのものが色濃く反映してきます。

 技術とは、社会に活かされてこそ本物であり、これが実現できていない技術には必ず未熟さが含まれています。

 かつて、私は「学者生活」をしていましたので、その自らを振り返りますと、「その未熟さがどの程度であったか」を、今ではよく理解することができるようになりました。

 以上の3つの問題を提起したところ、その担当者は、それをすぐに理解されたようでした。

 それは、主催社自身が、「そうありたい」と望んでいたことでもあったのです。

 そこで、本セミナーにおける講演を次の5つに分けることにしました。

 1. 四半世紀を生き抜いたマイクロ・ナノバブル技術

 2. マイクロ・ナノバブルは新物質か、未来材料か

 3. マイクロ・ナノバブル技術の「核心」

 4.マイクロ・ナノバブルの技術革新(イノベーション)

 5. 今日的課題と展望


 いずれにおいても、従来においては抜けてた視点、あるいは軽視されていたことが少なくなく、この全体をどう構成するかに関しては少々考察の時間を要したように思います。

 この基本骨格が決まると、今度はそれに従って、節立て、項立てを行っていけばよいので、いわば「坂道を転がる」ように考えていくことになります。

 マイクロバブル技術の創生から、今日のナノバブル技術に至る四半世紀の歴史を語り、それが真物質として果たしてきた役割を説明し、さらに未来に対しても新たな材料になるという位置づけを行うことが非常に重要でした。
 
 そして、マイクロ・ナノバブルの技術的核心を示すことで、そこに技術イノベーションの種と卵がいくつも存在することを明らかにすることが、参加者の要望に応えることではないかと思いました。

 そして、これからはどうするのか、その具体的な課題と豊かな展望を示す。

 これらが、本セミナーにおける狙いに関する「一連の流れ」です。

 本セミナーの期日も間近に迫り、その細部を検討し、そのスライドづくりを遅ればせながら、ようやく始めたところです。

 なお、「マイクロ・ナノバブル」とは、「マイクロバブル」と「ナノバブル」の総称の用語です。

 本セミナーでは、この両者の相互関係についても、新たなスポットを当てる予定です。

 とくに、光マイクロバブルとその他のマイクロバブル、ナノバブルとの違いや相互関係を解りやすく解説するつもりです。

 このセミナーが契機となり、マイクロ・ナノバブル技術のますますの発展がなされることになれば幸いです(つづく)。
 
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岩戸寺の石碑(国東市富来(とみく)、再録)