緑砦館の各水路が稼働し始めて約2カ月が経過し、当初の予定の栽培は実行されたものの、それぞれにおいて固有の特徴が明らかになってきました。

 やはり、実際に試験的に実験を行わないと、その奥深い特徴は詳しく解ってきません。

 本日は、その重要な問題をいくつか紹介しておきましょう。

 その第1は、緑砦館Aレーンの一番北側の水路の中央部から、ぽつぽつと水漏れが発生したことです。

 随分と気温が上がってきましたので、水路の伸び縮みなどによって歪が生じ、それが原因で水漏れ箇所ができたのだと思います。

 この水路の中央部には、丁度接手部があり、そこから漏れているのだろうと判断し、そこに水漏れ防止剤を塗りました。

 ところが、ここに防止剤を何度塗っても、その水漏れが止まりませんでした。

 この中間部において水漏れ箇所がないとすると、その上流に原因があるかもしれないと思って、それを探索しましたが、それらしき箇所を見つけることができませんでした。

 この水漏れ箇所には、アルミフレームを繋ぎ合わせる場所でもありましたので、困ったことに、この水漏れが下流端までアルミフレームを伝っていき、その下流端においても水漏れが発生していました。

 私と相棒のYOが入れ替わりで、水漏れ箇所を探し、防止剤を塗りましたが、どうしても、その水漏れは止まらず、この厄介な現象に頭を痛めていました。

 そこで、このAレーンの水路を抜本的にやり換える作業が始まりましたので、その隣の水路の水も抜いて、さらに、それらの上流と下流端の接手部のすべてに水漏れ防止剤をたっぷり塗りました。

 そしたら、どうでしょう。

 あれほど難しかった水漏れ防止が、みごとに果たされ、完全に水漏れがなくなりました。

 まことにふしぎな現象であり、キツネにつままれた心境ですが、何はともあれ、これで懸案のひとつを何とか処理することができました。

 しかし、その水漏れの原因はとうとう解らずじまい、その謎は、そのまま残ってしまいました。

 第2は、当初から問題点として指摘されていた上流からの流入量と下流の排出量の調節問題でした。

 
これはどういうことかというと、上流から液肥を含む液体をたくさん流入させると、水路内の水深が増して、水路が液肥水で満たされるようになります。

 その液肥水を下流端で落としてタンクに流し込みます。

 じつは、この下流の水はけがよくなく、すぐに水路内の水深が増えていきました。

 しかし、そのままでは水路を越えてしまいますので、下流の円形水はけの高さをできるだけ下げた状態にしていました。

 これでなんとか治まっていたのですが、この水量制御の難点は、ポンプが動いて液肥水が流れ始めると比較的に早く水位が増し、反対にポンプ稼働を停止すると、急激に水位が下がり、その水位の差が大きすぎることにありました。

 これだと、根の長さが短い小さい苗の場合、水が流れているときには、その根が浸潤されますが、ポンプが停止すると空気中に晒されるということが起こってしまいます。

 これでは、安定して苗が育ちません。

 根の大きな苗については問題がないのですが、そんな苗ばかりではありませんので、これを、次のように抜本的に改善することにしました。

 ①下流の円形堰の直径を大きくして、流出量を多くする。

 ②上流端からの液肥水の流入量を考慮して、可能なかぎり水位差が、ポンプ稼働と停止時で大きくならないように、水路の水位を深くする。

 ③この水位変化に応じて上板の位置を決め直し、そこに移植した苗の根が常に浸潤した状態を確保する。

 これは、今の水路システムのより特徴を引き出そう足した改善といますが、おそらく、これで、根の短い苗もより育つようになるのではないかと思います。

 これでしばらく様子を観察していきますが、そのうち徐々に、その長所と短所が明らかになるでしょう。

 技術開発には、不断の改善を重ねていくことが重要であり、最後には、その集結によって、イノベーションを引き起こす可能性が生まれてくるのではないかと思っています。

 その暁まで、より一層の粘りが必要ですね(つづく)。

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ビオラ(大成研究所の前庭にて)