ありがたいことに、前回の記事は、トリマーを始めとしてみなさんの関心が高く、多くの方々に読まれていたようです。

 
本日から、トリマーのみなさんから寄せられた質問(前回の記事で紹介しました)の回答を示すことにしましょう。

 Q1:
シャンプーを注いで泡立てるまでに、どれくらいの時間がかかりますか?

 A1:マイクロバブルフォームづくりには、ほとんど時間がかかりません。

 それは、ほんの一瞬といってよいでしょう。しかも、時間的に連続して、大量のマイクロバブルフォームが噴出し続けます。

 これは、これまでの指とシャンプー液を使っての、いわゆるゴシゴシ揉んでの泡づくりと決定的に異なる泡づくりであり、その違いは「革命的」といってよいでしょう。

 これまで、トリマーのみなさんは、数分、あるいは10数分もかけて、それこそ、ゴシゴシと泡づくりを行ってきました。

 このとき、よい泡づくりができるかが、トリマーの腕の一つといわれ、優れたトリマーほど、このゴシゴシの泡づくりの技法を修行してきました。

 洗浄力のある泡とは、小さな雪のような泡であり、これを作るのは、濃いシャンプー液が必要であり、それを被毛にかけてゴシゴシ揉みながら泡を発生させていきます。

 しかし、ここには、どうしても避けることができない問題が横たわっていました。

 
1)綿雪のような小さくて弾力のある泡を造るには、比較的濃い濃度のシャンプー液を使用する必要がありました。

 これは、できればシャンプー液を節約したいという思いと逆行していました。

 2)細かい泡を造り出すには、手と指の動きを素早くする必要がありました。ゆっくりと動かしていては思うような泡ができませんでした。

 しかし、これによって、時には被毛やトリマーの指が傷むこともありました。

 これでは元も子もありません。

 しかし、背に腹はかえられず、これによってトリマーの手荒れが深刻になることもありました。

 3)シャンプーを賭けながらワンちゃんの被毛を用いて泡づくりを行うわけですから、これは空間的に限られた範囲で行うしかありませんでした。

 一か所が済めば、次は隣の場所へと移動していきますので、全部、ゴシゴシによる泡づくりが済むまで相当な時間がかかっていました。

 トリマーにしてみれば、できるだけ早く細かな泡を大量に作りだしたい、それを可能にするのであれば、より時間をかけてゴシゴシするしかない、この相反は、トリマーにとっては矛盾、いわば「悩みの種」でした。

 そこで無理をする、この無理とは、シャンプー液を多くする、手と指の動きを早くする、そうすると被毛やトリマーの指の肌が傷みやすくなる、この泡づくりの「矛盾サイクル」から、どうしても抜け出すことができなかったのです。

 これに関係して、光マイクロバブルP3(今は、光マイクロバブルP4へと進化している)を国東在住の日本のトップトリマーの一人である松林さんに試験していただきました。

 その際に、きわめて画期的な発見がありました。

 かれは、それまで行っていた、いわゆる「ゴシゴシの泡づくり」の工程をすべて止め、光マイクロバブルP3のノズル先端から大量に出てくるマイクロバブルフォームをただ「かけ流すことでよい」ことを発見したのでした。

 これは、これまでの「ゴシゴシ洗い」の習慣が消滅する瞬間でもあり、これによって泡づくりの「マイクロバブルフォームブレイクスルー」が起きたことを意味していました。

 このマイクロバブルフォームづくりが瞬時にできるようになって、上記の3つの難題は、いとも簡単に解決することになりました。

 このように、革命的な技術変化を起こすことを、私たちは「ブレイクスルー」と呼んできました。

 1)シャンプー液の節減

 松林さんのシャンプー使用量は、それまでの100ml(ミリリットル)から10ml(ミリリットル)へと10分の1に削減されました。

 こんなに少量で、薄くても、光マイクロバブルP装置は、十分に細かいマイクロバブルフォームを大量に発生させることができたのですから、松林さんも大いに喜ばれたことでしょう。

 すでに述べてきたように、このマイクロバブルフォームの大きさはピーク値で約60㎛(100分の6㎜)であり、これは、それまでのゴシゴシ洗いの泡と比較して10分の1以下のサイズだったのでした。

 これも洗浄力のアップをもたらす画期的な泡となりました。

 2)光マイクロバブルPの泡づくり

 どんなに優れたトリマーがいかに速く指を動かしても、秒速500回転でマイクロバブルフォームを造り出す光マイクロバブルPを勝ることはできません。

 トリマーが、どんなに速く指を動かしたとしても、それはせいぜい1秒間に2回程度です。

 光マイクロバブルP装置は、これよりも約250倍の速さでマイクロバブルフォームを造り出すのですから、これは敵いっこありません。

 しかも、それは機械装置ですから、ヒトのように疲れることはありません。

 スイッチオンの状態を保てば、それをオフにするまで造り続けるという優れものです。

 3)大幅な時間短縮が可能に

 ゴシゴシの手もみ泡よりも10分の1も小さい泡が、毎分10リットル(泡を大量に含む液体として)も連続的に噴出してきますので、これまでのゴシゴシ洗いにかかっていた時間が完全に削除されました。

 これで大幅な時間短縮が可能になったのです。

 しかも、マイクロバブルフォームは、そっと被毛に軽く押し付けて流すだけで、マイクロバブルフォームが被毛間に浸透し、皮膚に到達できますので、トリマーは、それを軽くなでてあげるだけでよいのです。

 ここで、松林さんが、また「おもしろいこと」を発見されました。

 それは、マイクロバブルフォームを含む液体をかけていくと、「被毛が重たくなった」と感じたことでした。

 もちろん、水分を含むと被毛は重たくなりますが、そうではなく、これまでのようにゴシゴシ洗いをしたときにお湯をかけて水分を含ませたときよりも、より重たくなったというのです。

 これは、なぜでしょうか?

 次回は、この「おもしろ現象」の解明を行うことにしましょう(つくづ)。

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これからマイクロバブルフォームがはじまります
(このように、最初にマイクロバブルフォームづくりをしてからワンちゃんを入れます)

(トリマーは国東市のMさん)