大成研究所を設立した、もうひとつの重要な目的は、長い間懸案になっていた中長期的課題に取り組むことにありました。

 これは、私の光マイクロバブル研究40年弱において、いくつかの興味深い現象に出会った貴重な経験を生かして、それを今日まで孵化してきていましたので、いよいよ、その卵の殻を破る時期がやってきたと思うようになったからでした。

 そのために、大成研究所においては、私専用の研究室および実験室を設けることにしました。

 今はまだ、未整備のままですが、ここを追々整備して各種の実験的研究を開始する予定です。


 さて、本研究所における中長期的課題は、次の4つです。

 ①新たな技術開発を行う。

 ②光マイクロバブルに関する技術戦略研究を行い、その構築と普及の方法を明らかにする。

 ③特許の構築を発展させる。

 ④光マイクロバブル技術を体系化し、その編纂を行う。

 これらは、光マイクロバブル技術が今世紀においてより大きく花開き、国民的技術として発展するかに関して、その核になっていく部分を担っています。

 それゆえに、これらの課題解決に挑戦しないかぎり、私の光マイクロバブル研究は、本番に分け入ることはできないと思ってきました。

 ①については、その説明を簡単にするために、これまで用いてきた光マイクロバブル技術の樹状図を再示しましょう。

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光マイクロバブル技術の樹状図
 
 この図からも明らかなように、光マイクロバブル技術は、1)健康・医療、2)食糧・生物、3)環境・エネルギーの3分野において発展してきました。

 しかし、それぞれの分野において着実な発展はあっても、それが大きく技術イノベーションとして飛躍することはありませんでした。

 とくに、この3つの分野のそれぞれにおいて、国民生活や産業を根本的に変革することを可能とする「ブレイクスルー技術」にまでの発展には至っていません。

 それは、国民生活を一変させる「革命的な技術や商品」が生まれていない、日本経済を契印していた製造業の在り方を変えるまでのイノベーションが起きていないことにあり、それゆえに、マイクロバブル技術は、未だ「生成期」の途上にあるといってもよいでしょう。

 正確には、現在は、その生成期の後期に位置しており、これを次の成長期に突入させる必要があります。

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マイクロバブル技術の時代区分
 
 上図は、マイクロバブル技術の成長曲線ですが、この生成期後期から成長期に向かわせるためには、赤印で示した小規模イノベーションを連続的に生起させ、やがて大爆発させていくことが重要です。

 それゆえに、上記の3分野のそれぞれにおいて、そのイノベーションの種を芽生えさせ、育てていく必要があります。

 そこで、本研究所において取り組む中長期的な具体的課題は、次の3つです。

 ①本格的な医療機器の開発

 ②食糧の生産機器、食品の高品質化機器の開発

 ③環境・エネルギー機器の開発

 この②と③は、相互に関係があり、すでに述べてきた当面のプロジェクト課題とも結びついています。

 これらの課題に専念して取り組む、これが今年古希を迎える私に与えられた天命ではないか、そう一人で勝手に思って楽しんでいます。

 前述の以降については、次回で解説することにしましょう(つづく)。