2年続けて失敗、未収穫の事態に陥り、今年は、3度続けては失敗できないという気持ちで取り組むことになりました。

 この3年間の取組における目標は、以下の通りでした。

 ①二期作が可能か。

 ②高品質化が可能か。

 ③生産性の向上、採算性の確保が可能か。


 ①については、多くのみなさんが、その実現を目指しておられるとのことですが、それを実現させたという朗報は生まれていません。

 現行の1期作の工程は、以下のようです。

 1)2~4月 苗づくり
 2)4月末 田植え
  3)6月頃 梢刈り
  4)7月下旬 収穫


 2)の田植えから4)の収穫までの日数は約80日とされています。

   また、一反あたりの生産枚数は、畳サイズで300枚、約300万円の生産額に相当するといわれています。

 1期作が、このような工程ですので、その二期作は、収穫後から開始するのかと推察していましたが、実際に行われている二期作の試みは、上記の7月収穫を先延ばしし、10から11月に収穫が可能かを実験されているようです。

 こうでないと、10月~11月にかけて花が咲き、その後は寒さで枯れてしまいますので、翌年の春になるまでは、その成長が期待できないと考えられているようでした。

 これは1年草の宿命か?

 ここで、国東市における月別の平均気温の変化を示しておきましょう。

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平均気温

 
これからも明らかなように、この植物が育てられている80日間は、気温においては18℃から27℃の温度帯であり、植物が最も育ちやすい20~25℃の温度帯が含まれています。

 8月以降も、この温度帯が維持されますが、この季節には台風がよく来ますので、これによって倒れてしまうと、極端な品質劣化を起こしてしいます。

 先に述べたように、この二期作は、その収穫時期を9月、10月とより長引かせることによって達成しようとした試みでした。

 しかし、これだと、せっかく台風の試練を潜り抜けて倒れなかったとしても、花が咲き、そして気温の低下とともに枯れていくという運命を辿ることになってしまいます。

 そこで、これらの事情を考慮し、二期作を試みるとすれば、次の時期がより適切ではないかと考えるようになりました。

 ①7月末の収穫後に、新たな発芽を生み出し、8月から秋にかけて成長が可能か。

 ②秋から冬にかけて発芽させ、4月までに成長が可能か。

 ①の場合、10月、11月と気温が下がっていきますので、この間の成長が可能かどうか、ここをどう工夫するのか、これが問題になりますね。

 ②の場合は、地中の根を採取し、それを育てて早めに発芽できるかどうか、ここが重要なポイントになりますね。

 これについては、昨年末から根を採取し、その実験を行ってきました。

 まだ、試験の苗数が少なく、きわめて限定された範囲ですが、やや明るい結果も出てきているようであり、それに励まされています。

 この二期作への挑戦、まだまだいくつも試すことが残っており、これからも粘り強い取り組みが必要と思われます。

  上記②の高品質化問題のおいては、収穫後における非常に重要な工程は、それを2分化して引き裂くことです。

 これは、根元の部分が大きく、先に行くほど小さくなっていきますので、これを2分割して織らないとムラが出てきてしまうという問題が発生して、それが高品質化の妨げになってしまうようです。

 一番良いことは、この二分割を行わずに、丸ごと1本物を使用することによってムラの解消を図ることができるとよい品質を実現できるのではないか、これが重要な研究課題ということができるでしょう。

 第3は、その生産性を向上させ、採算性を十分に確保できる開発を行うことです。そのためには、1)栽培技術の革新、2)生産と販売、流通を一体化させ、重要な地場産業として発展させる、3)若者が起業しても十分に経済的にも成立するようにしなければなりません。

 まずは、上記の1と2を実現させ、それらを踏まえて、生産性の向上と採算性の確保、そして、その事業を軸とした地場産業づくり、これに邁進していくことが重要です。

 緑砦館物語の第1話、これが、ますます、ゆかいに、そして豊かに発展していくと幸いですね
(つづく)。

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岩戸寺の緋桜