トリマーさんがワンちゃんを洗浄する際に、シャンプーを使用します。

 これで泡立てて汚れを落としやすくするためです。

 マイクロバブルフォーム洗浄法が、そのトリマーのみなさんに積極的に採用された第1の理由は、汚れ落としの主役となる極小のマイクロバブルフォームを瞬時に、しかも大量に発生させたことでした。

 この大量発生させられたマイクロバブルフォームは、水面に滞留して蓄積されていきますので、液体中に含まれていたシャンプー成分は、その時間経過とともに減少していきます。

 その際、次の2つのおもしろいことが起きます。

 ①マイクロバブルフォームによって汚れが吸着され、ワンちゃんの身体から剥ぎ取られていくと、当然のことながら、その液体は汚れていきます。

 そこで、何がおもしろいかといえば、このより汚れた液体中でマイクロバブルフォームを発生させると、その発生量がますます増加していくのです。


 それはなぜかというと、汚れた成分が多い液体ほど、見かけ上の粘性が低下することで泡の発生量が増加するという性質があるからなのです。

 たとえば、自然界の海水と同じ成分を有する生理食塩水を比較しますと、光マイクロバブルの発生量は、はるかに前者の方が多くなります。

 また、きれいな清浄水よりも汚れた排水の方において光マイクロバブルが多く発生します。

 ②さらに、トリマーさんにとってよいことは、汚れた液体でマイクロバブルフォームを発生させると、その発生量が増加するだけでなく、その大量発生したマイクロバブルフォームの寿命がより長くなります。

 これも、洗浄力がより長く維持されるのですから、すばらしい利点といえます。

 すなわち、マイクロバブルフォームがすぐには消えずに長く維持できることで、汚れを落とす洗浄力を長く維持できるのです。

 汚れれば汚れるほど、マイクロバブルフォームの発生量が増えて洗浄力をアップさせ、さらには、その洗浄力をより長く保持できるようになるのですから、これはトリマーさんにとってこの上もなく喜ばしいことといえます。

 第2は、前回においてかなり詳しく説明した次の「泡切れの利点」です。

 もともと、使用するシャンプーをかなり減らしての使用が可能であり(トリマーのMさんは、それまでの10分の1まで減らしてもOKと仰られていました)、これによって、すすぎが簡単、短時間になります。

 さらに、液体中には、シャンプー成分が泡として出てしまっているので、そのシャンプー成分が残存していません。

 それゆえに、泡切れがよく、出てしまったマイクロバブルフォームは、お湯でさっと洗い流すことができます。

 このように、二重の意味においてすすぎが簡単、短時間になるという、すばらしいことが実現できます。

 第3は、大量発生した極小のマイクロバブルフォームによって抜群の洗浄力が発揮され、同時に、液体中においてマイクロバブルフォームが発生することによって素敵な温浴効果が生まれることです。

 抜群の洗浄力による洗浄と、同時にワンちゃんを生理的に元気にする活性作用が温浴効果として発揮される、ここにマイクロバブルフォーム法の最大の特徴があります。

 このような一挙両得の洗浄法は、これまで他の機種で存在したでしょうか。

 私の知る限り、この両得の方法は、これまで存在していませんでした。

 後者の温浴における作用効果については、これまでにかなりの実験を行い、その作用効果の存在を明らかにしてきました。

 たとえば、ワンちゃんの皮膚表面付近において大幅な血行促進が起こるという実験データを取得し、それが皮膚の改善に役立つことを明らかにしています。

 また、ワンちゃんのみならず、ヒトにおいても、その生理活性作用の発現が観察されています。

 そして、この温浴によって、ワンちゃんが、それを「ここちよい」と感じ、目がトロンとしてきて眠そうになり、そのうち欠伸を連発するようになります。

 さらには気持ちよくイビキをかいて寝てしまうこともあります。

 おそらく、その「ここちよさ」をもっと味わいたいと思ったのでしょうか。

 一端、湯船から出たワンちゃんが、再度湯船に入ろうとする現象まで起きたこともありました。

 また、ワンちゃんがマイクロバブルフォーム温浴を好きになったことで飼い主もトリマーも喜ぶようになったという事例も少なくありませんでした。

 マイクロバブルフォーム洗浄・温浴で、ワンちゃんが元気になる、これはかなりのトリマーのみなさんのところで起きている現象です。

 トリマーさんと飼い主さんの両方が喜ばれていることは、それだけに留まりません。

 次回は、その「仕上がり」について分け入ることにしましょう(つづく)。

kaonimo
     顔にもマイクロバブルフォームをかけて洗顔中(トリマーはMさん)