3月も本日で終わり、いつものことながらあっという間に1か月が経ってしまいました。

 明日は、エイプリールフールの日曜日、じつは、この日に「大成研究所」を発足することにしました。

 3月は、こちらでの企業を迎えての実験などがあり、そのために1か月間の先延ばしをして明日の発足を迎えることにしました。

 研究所の発足といっても、これまでにいくつもの記念企画を実行してきましたので、この日に特別のことを行うということではありません。

 ある意味で、発足という新たな区切りを設けるということでしかなく、まずは、そのために以下のことを行う予定です。

 ①発足の案内に関する「あいさつ文」を認める。

 ②発足記念の講演を5回シリーズで開催し、その第1回を4月14日11時から行う。

 ③この講演を録画し、ニュースレターとして発行する。


 この②と③の作業は、その暁が訪れた際の予行演習みたいなものになっていくとよいなと思っています。

 さて、この発足には、表面的なデコレーションはまったく不要であり、そこには実質のみでよく、それを第1段階から積み上げていくもののみでよいと考えています。

 その意味で、第1回の記念講演で紹介する緑砦館における新型の植物工場の誕生は、それにもっと適した主題ではないかと思います。

 すでに、緑砦館では、メインのAとBのレーンが設置され、そこでの試験栽培が始まっています。

 それは、折しも、冬から春にかけての試験であり、緑が芽生え、成長し、やがて爆発する季節とも重なっています。

 いわば、1年中で最も良い緑の季節がやってくるわけですから、そのことを踏まえながら新たな光マイクロバブル水耕栽培の在り方に関する深くておもしろい、そして本質的な分け入りが可能となれば幸いと思っています。

 さて、ここでちょっとした、ミツバに関するおもしろい話を紹介しておきましょう。

 緑砦館(GFH3)における栽培の開始は、「GFO」と呼ばれる4つの小型野菜栽培装置からでした。

 その内訳は、

 GFO1:セロリ
 GFO2:セロリ
 GFO3:ネギ、ミツバ
 GFO4:セロリ、クレソン


という具合で、このうち、なぜかミツバの成長が今一でした。

 その背丈は、30㎝程度で当初の予想よりは低めの背丈に留まっていました。

 他の場所では、ミツバの背丈は大きく、葉っぱも立派に成長していたのですが、このGFO3においては、なぜか、成長に問題があったようでした。

 おそらく、西日の当たり過ぎが大きな原因と思われますが(上記のGFO1と2でも、その傾向があり、違いが出てきていました)、正確には、それは不明です。

 この疑問を抱きながら、GFH3内が狭くなり、このGFO3を丸ごとGFH1に移設しました。

 しばらく、ここにおいても、その成長は芳しくなく、おまけに虫も付き始めましたので、それを一端クレソン水槽2に入れて、虫落としと根の洗浄を兼ねたリフレッシュ浸潤を行いました。

 そしてきれいで元気になったミツバを試食してみて、じつは、大変に驚きました。

 「見るからに硬そうで、これはおいしくないかもしれない」

と思っていたのですが、この予見が完全に覆されることになりました。

 「すこし硬そうだから火を通して食べましょう」

こういって、それを豆腐と一緒に火を通して炒めた料理が出てきました。

 「このミツバは、すこぶるおいしいね」


 意外とやわらかく、噛むほどに味が出てきて、そしてミツバ特有の香りも強く、こんなコクのあるミツバを食べたことがないと吃驚しました。

ーーー そうか、味が凝縮されていたのか!

 背丈が伸びずに成長しなかった分、内部で栄養が蓄積されていたのかもしれません。

 そういえば、ここはGFH3の西側の入り口近くに設置されていたために、昼間と夜の寒暖差が大きく、これが、この栄養蓄積に寄与したのかもしれないと推察しました。

 「大きく成長していなかったので、おそらく硬くて食べられないのではないか」という私の予想は、みごとに外れ、このところ、このミツバを連日、数株ごとにクレソン水槽から取り出し、料理にしていただいています。

 ミツバといえば、ちょっとした添え物としてみそ汁に入れ、サラダで食べることなどをしてきた野菜ですが、この「しっかりミツバ」との出会いで、私の「ミツバ観」はすっかり塗り替えられることになりました。

 このように野菜のおいしさは、与えられた環境条件に応じて変化するので、それに応じた栽培法や料理法を工夫する必要がある、このことを深く認識いたしました。

 野菜栽培は、見た目では判断できない、そして食べてみないと、その良さはわからない、奥が深いですね。
 
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               ミツバ