おかげさまで、本シリーズの記事は、少なくないトリマーの方々に読まれているようで、この場を借りて深く感謝申し上げます。

 そこで、前回までの記事の要約を示しておきましょう。

 マイクロバブルフォームの大きさは、その直径で約60㎛(マイクロメートル、1マイクロメートルは1000分の1㎜)です。

 このマイクロバブルフォームは、秒速500回転という超高速でシャンプー液を含む水と空気によって形成されます。

 このような超高速の回転を伴わないと、小さなマイクロバブルフォームを大量に発生させることはできません。

 汚れは、それが小さいほど電気的に強い力で被毛や皮膚にしつこく付着しています。

 ですから、この汚れを洗浄し、流し落とすには、それに打ち勝つ泡、すなわちフォームが必要になります。

 泡が小さければ小さいほど、その表面張力は大きくなり、その力によって汚れに吸着し、それを剥がすことができるようになります。

 それゆえ、しつこく汚れたワンちゃんほど、より小さな極小の泡でないと、きれいには落ちてくれないのです。

 泡が極小であればあるほど、表面張力が大きくなり、汚れを落とす力がより強力に発揮されるようになります。

 極小のマイクロバブルフォームは、ある意味で最高水準に近い、強力な洗浄力を有した泡(フォーム)といってもよいでしょう。

 格別に優れた洗浄力を有する、これがマイクロバブルフォームの第1の特徴といえます。


 第2の特徴は、マイクロバブルフォームを瞬時に、しかも大量に発生させることです。

 この場合の「瞬時」とは、「スイッチ入れると同時」という意味であり、これは、上記の格別に優れた洗浄力とともにトリマーのみなさまに非常に喜ばれています。

 その理由は、これによってトリミングにおける大幅な時間短縮が可能になったことにありました。

 そこで、従来の手指によるゴシゴシ洗いとマイクロバブルフォーム洗浄法をわかりやすく次に説明しておきましょう。

          ゴシゴシ洗い   マイクロバブルフォーム洗浄法

 泡づくり時間    数分           0.5~1秒 

 泡の大きさ     0.5mm程度        0.06mm前後 

 発生量       全体で1リットル程度    毎分10リットル程度  

 手荒れ       手荒れが進む       もみ洗いによる手荒れはなし

 シャンプー使用料  多い           非常に少ない

 操作技能      テクニックの修練がが必要 不要、操作は簡単


 この比較によって、両者における違いがかなり明らかになったのではないでしょうか。

 また、マイクロバブルフォーム洗浄法が、いかに優れた方法であることがおわかりになられたと思います。

 トリマーにとって、この従来のゴシゴシ洗いからの解放は、夢のような出来事でした。

 格別に汚れが落ち、瞬時にマイクロバブルフォームが大量発生して、しかもそれを時間的に連続して供給できるようになったこと、これによって洗浄時間における大幅な時間短縮が可能になり、これもトリマーにとって大変うれしいことでした。


 技術の進歩によって、それまでの困難や問題を解決することにあり、この解決で、次のような反応が出現しました。

 ベテランのトリマーは、「今までの苦労は何だったのか!」といい、新米のトリマーさんには、「大変簡単になってうれしい」という感想をいただきました。

 この変化は、今後も大いに進んで行くことでしょう
(つづく)。

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                 トリミング前のワンちゃん