極小のマイクロバブルフォームは、どのようにして形成可能になるのか、この問題をやや掘り下げて考えてみましょう。

 この基礎は、淡水における(シャンプー液を含まない)光マイクロバブル技術にあります。

 超高速旋回式光マイクロバブル発生装置によって、光マイクロバブルを大量に発生させることが可能です。

 この私どもが開発してきた技術は、いくつもの特許によって成立っていて、しかも、これはわが国発のオリジナル技術として国内外によく知られています。

 この光マイクロバブル発生装置を用いて、液体中にシャンプー液を含まない場合と含む場合の2つを比較してみましょう。

        光マイクロバブル      マイクロバブルフォーム

 最頻値の直径   25-30㎛            50-70㎛ 

 発生分布    10-60㎛が9割以上        20-90㎛が9割以上 

 発生量     毎分1リットル          毎分数リットル  

 寿命      短い(数秒~数10秒)       数分以上

 この比較によって、それぞれの特徴が非常にわかりやくなります。

 まず、大きさですが、淡水の場合は、27㎛をピークとして、その分布の広がりは10~60㎛程度であり、重要なことは、直径が60㎛以上のものがほとんどないことです。

 これは、狭い範囲にほぼ均一の気泡が存在していることを意味しています。

   そして、このほとんどの気泡が、その発生直後から収縮し、小さくなっていきます。

 この発生直後から水中で消えて無くなるまでの時間は高々数十秒であり、比較的短時間に消滅しているように見えます。

 ところが、マイクロバブルフォームの場合は、どうでしょうか。

 その液体中に界面活性材(シャンプー液)を含むために、その表面張力は低下し、そのために、マイクロバブルフォームのサイズは、その分だけ大きくなって、光マイクロバブルの約2倍になります。

 約2倍とはいえ、このシャンプー泡(マイクロバブルフォーム)は十分に小さく、他の方法では、このように小さい泡を簡単に発生させることはできません。

 この50~70㎛というマイクロバブルフォームの大きさは、これまでの指による泡づくりによって形成された泡のサイズよりも約10倍も小さいものなのです。

 それを下図で示しておきましょう。

awahikaku

 これで大きさの違いは明瞭です。

 この泡の大きさの違いは、すでに述べてきたように表面張力が10倍ちがうことを意味していますので、それが面として作用することを考慮すると100倍も違うことになります。

 すなわち、表面張力は「単位面積当たりの表面エネルギー」として定義されますので、その表面張力差による洗浄力の差は100倍近くも異なることになるのです。

 ですから、いかに小さい泡を造ることができるのか、これがいかに優れた洗浄力を発揮させるのかに直接結びついているといってもよいでしょう。

 すでに、述べてきたように光マイクロバブルは秒速500回転という超高速旋回によって光マイクロバブルを発生させますが、この装置を用いているから、直径50-70㎛のマイクロバブルフォームを発生させることができるのです。

 ここに、他の装置においては実現できないマイクロバブルフォーム発生技術が存在しているのです。

 しかも、このマイクロバブルフォーム技術には、単に、シャンプー泡の小ささに留まらない、非常に優れた利点が存在しています。

 次回は、そのことを詳しく解説することにしましょう
(つづく)。

toriminngumae
      マイクロバブルフォーム洗浄前のプードル犬(トリマーは国東市のMさん)