本日は朝から、ある企業から依頼された共同研究における実験に取り組んでいました。

 まずは、その新たな装置の組み立てから、それに必要なマイクロバブル発生装置、付属部品、ポンプなど、これらを調達しながらでしたので、それが組み上がるまでに昼ご飯の時間を挟んで数時間を要しました。

 この装置は、上部と下部に分かれ、前者はサイズを変えて2種類を用意しました。

 設計の段階では、この大小のサイズのいずれがよいかを判断することができませんでしたので、結局、2つとも装置を製作して、いずれがよいかを確かめる方がよいという判断によるものでした。

 この装置の開発は、かつてT高専時代に、ある大手企業から問い合わせを受けたこともある案件でしたが、その時は、あまり深く検討することができず、そのままになっていたものでした。

 ところが、ある熱心な企業が、こちらに何度も訪ねて来られ、その開発の必要性を熱心に要請してきましたので、それを受けることにしました。

 まず、特許を含めた従来技術について調べてみたところ、光マイクロバブル技術を巧みに利用した装置がないことが明らかになりました。

ーーー そうか、これは意外なことに、その新規開発は難しい問題だったのか?

 おそらく、上記の大手企業も問い合わせはしたものの、光マイクロバブル技術をどう巧妙に駆使するかにおいて前に進むことができなかったのでしょう。

 その問合せの後は何も音信がなかったので、きっとその小さくない困難に出会って頓挫したのであろうと推察しました。

 そのように判断したのは、次の理由からでした。

 ①マイクロバブル技術を高度に利用した従来装置がほとんどない(低次元の適用は数例あった)。

 ②従来の商品に見られる技術の確立が強固であるために、それに依存した開発になってしまう。すなわち、従来装置の概念に引きずられてしまう。


ーーー これは、相当に深く「光マイクロバブル技術」を理解していないと、そこからの脱却は難しいのではないか?

 この開発においては、以下の留意点が必要であると思うようになりました。

 1)光マイクロバブルの特徴をよく理解し、それを高度に活かすことを基本とする。

 2)それを優先すると、それが従来技術の利点と相殺することになるので、それを打破する新たなアイデアを考案する。

 3)上記の2つを踏まえ、原理的な究明と確立に留まらず、それを踏まえて技術的に優れたシステムの開発を可能にする。

 こうなると、この開発はなかなか容易ではなく、深みに陥ってしまいます。

 ましてや、これまでにない独創性や新規性、優れた性能などを実現するとなるとやっかいで、「これをどうしたらよいのか?」をしばらくの間考え続けることになってしまいました。

 それでも、徐々にアイデアが固まってきて、最初のスケッチを描くまでになりましたが、どういうわけか、これで満足できずに、それから、またしばらくの間、悶々として思案に明け暮れていました。

 そして、2回目のスケッチをようやく描き直し、それを製作依頼しました。

 この担当者は、この30数年間、私が描いたスケッチをもとに図面化しながらアイデアを補強してくださるようになっていて、今回も数回のやり取りを行って、その図面を仕上げることができました。

 いつもそうですが、その装置ができ上ると、「なんだ、こんなに簡単なものだったのか!」と思うのですが、それは今回も同じでした。

 しかし、今回は、相当に考える時間がありましたので、最大限の効果が発揮できたとする場合を踏まえ、そこから性能が低下した場合のことも考慮して、その事態を改善する工夫も加えていました。

 そこで本日、相棒のYOと一緒に、その試運転を行いました。

 この運転においては、いつも次の2つのことが起こります。

 ①あらかじめ想定していた結果が得られ、「やはりそうであったか」と嬉しくなる。

 ②想定外のことが起こり、それが予見をはるかに越えて、さらに嬉しくなる。「そうか、そうであったのか!」、これこそ開発者冥利というものです。

 若いころは、この①がまるで「的外れ」で、したがって②も起こらないことが多かったのですが、ここは「経験と年の功」なのでしょうか。

 今回は、この①と②の両方が起きました。

 やはり、実験はやってみないと解らない、これがあるから「おもしろい」、そう感じました。

 この試験装置の性能をある程度調べた後に、それを稼働させながら、しばし、この開発の意味と意義について黙考しました。

 「この原理は、この装置の開発だけに留まらないのではないか。もっと他の分野に適用できるのではないか。それを検討してみる価値はあるのではないか?」

 目の前には、この装置の優れた性能の証の液体が生み出されていました。

 どうやら、新しい「重要な何か」が観えてきましたね。

 さぞかし、これを依頼した企業も胸躍らすことでしょう(つづく)。

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今年はソラマメの花がたくさん咲いて大豊作のようです