温かい、ここちよい春日和の朝です。

 本日は、第12回ナノプラネットゼミが開催されました。先月は開会できませんでしたので、2カ月ぶりのゼミとなりました。

 最初の話題提供は、大成由音さんによる「未来年表」についてでした。

 この報告によれば、まもなく未曾有の超高齢化社会が押し寄せてくるようです。

 加えて、少子化傾向がさらに進み、団塊世代が75歳以上(数年後)、加えて団塊ジュニア時代が定年を迎えるようになると、少ない働き手世代と多大な高齢者のギャップが大きな問題になると危惧されています。

 とくに東京は深刻で、高齢化率は大きく変わらないものの高齢者の絶対数が増えることから、この問題が解決できないどころかますます深刻になっていくとのことでした。

 昨日のテレビ報道では、さらに東京一極化が進行し、若者を始めとして働く世代が東京に集まってくる傾向が促進されています。

 そして、この働く世代が東京に集まることで、これに伴って地方にいた高齢者が東京やその近郊に呼び寄せられるという現象も起きているようです。

 逆に地方では消滅する都市が増え、そのなかには秋田市など3つの県庁所在地も含まれているそうです。

 大分県内では、私の住む国東市がもっとも顕著であり、一番先に、その深刻な状況を迎えるようです。

 その意味で、ここで、高齢者として暮らし、地域を再生させる課題は、私どもだけでなく、地域のみなさんにとっても重要な課題といえそうです。

 ここは、しっかりと腹をくくって、この未来予測の通りにならず、その的外れの事態を実現したいものです。

 なにせ、ここは「年収100万円で暮らせる処」(ただし、贅沢をしなければであるが)ですので、ここで生活と産業が成り立つようにする必要があることを改めて再認識いたしました。

 2つ目に、「植物は音を聞いているか?」と題して私が報告しました。

 この報告にあたり、参考にしたのが、下記の文献でした。

 『植物はそこまでしっている』ダニエル・チャモビッツ著、河出文庫

 この第4章に「植物は聞いている」があり、これを興味深く読みました。

 結論から先にいえば、植物が音を聞いているかどうかに関しては、それを科学的に証明した研究は見当たらないということでした。

 それでもいくつかの事例のなかには、それらしき傾向が認められるものもあったようですが、いざ科学的に証明するとなると問題点が多かったことから、この作者は、植物に音を聞かせる研究を「疑似科学」と呼んでいました。

 この章末に、おもしろい指摘がありましたので、それを以下に示しましょう。

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動物が聞いている音
 
 このスライドの末に、このテーマに関する私の疑問を示しておきましたが、ゼミでは、このれに関する議論が、次の報告とともに盛り上がりました。

 「植物における音の影響」佐藤優紀(佐野日本大学高等学校)

 これは農芸化学学会で表彰された研究のようで、大変興味深い内容でした。

 これは、マカラスムギを用いて、その発芽、根の成長において音を聞かせた実験でした。

 この結果は、上記のチャモビッツさんの見解と異なり、マカラスムギは明らかに音に反応していました。

 かれの研究がすばらしかったのは、以下の点にありました。

 ①音楽なし、クラシック、ロックで比較し、クラシックのみにおいて植物が反応したことを見出した。

 ②植物に聞かせる音を周波数ごとに分け、500ヘルツと2000ヘルツにおいて、その発芽と根の成長に効果があったことを見出した。

 ③しかも、これらの周波数帯が、植物のマルトースの生成やアミラーゼ活性に関係していることを発見した。

 上記のチャモビッツさんの説明には、このような成果はありませんでしたので、この佐藤さんの研究は、とても立派だと思いました。

 これらの報告を踏まえて、光マイクロバブルの水耕栽培では、この問題をどう説明するのか、ここが重要な問題として浮かび上がってきました。

 議論は、この指摘の重要性を認識することで終わりとなりましたが、今後の重要な課題が明らかになったのではないかと思いました。

 やはり、互いに学び合うことは大切ですね(つづく)。