去る1月9日、K市においてマイクロバブルフォーム洗浄、シャンプーの使用法、トリミングの実際に関するセミナー(「知って得する洗浄科学セミナー」)が開催されました。

 K市においては丁度1年前にもセミナーが開催されていましたので、今回の2回目は1年ぶりのこととなりました。

 このセミナーにおいては、(株)ナノプラネット研究所の大成由音社長が約90分の講演(「マイクロバブル洗浄・温浴の科学」)を行ったほか、シャーンプーの専門家のMさん(「スキンケアの科学」)の講演、そして国内トップクラスのトリマーのMさんの実演も行われました。

 以下、プログラムの様子を示します。

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セミナーのチラシ

 本セミナーには、地元のトリマーのKさんがご尽力くださり、初めて参加されたトリマーを始めとして大勢の方々が参集されました。

 この参加者のみなさんの感想を読ませていただき、小さくない成果が生まれたことを知りました。

 ここでは、それに寄与した前者の講演内容に関係して、マイクロバブルフォーム洗浄と温浴について解説を加えておきましょう。

 トリマーのみなさんからは、常々、次の要望が示されています。

 ①しっかり汚れを落としたい

 ②安全・安心に皮膚のケアをしたい

 ③洗浄時間・洗浄回数を減らしたい

 ④ゴシゴシ洗いをなくしたい

 ⑤しっとり・ふわふわな被毛に仕上げたい

 これらは、トリマーであれば、だれしも要望することであり、それを実現したいと思って日々努力されていることでもあります。

 そこで、この5つの課題のそれぞれについて、上記の講演内容を参考にしながら、その具体的な解説を行うことにしましょう。

 それでは、まず①の課題に分け入ることにしましょう。

 ワンちゃんの被毛は汚れやすく、そして、その汚れがなかなかきれいにならない、それは、なぜでしょうか?

 すぐに、そして簡単に被毛の汚れが落ちてしまうのであれば、そもそも、トリマーに洗ってもらう必要はありません。

 飼い主さんが、お風呂で洗えば済むことです。

 そうであれば、トリマーがワンちゃんを洗浄してきれいにするという営為も不要になり、トリマーとしての仕事そのものが成り立たなくなってしまいます。

 ところが、ワンちゃんの被毛は汚れやすく、そして落ちにくいので、飼い主さんが簡単に洗って済ますわけにはいきません。

 ヒトの場合、シャンプー液を頭に降りかけ、ゴシゴシ洗って泡を立て、しばらく揉み解してから、お湯をかけて流すことで汚れは落ちてしまいます。

 しかし、ワンちゃんの場合は、ヒトの髪の毛の大きさの3分の1であり、その数は3倍も多いのです。

 被毛がヒトよりも格段に小さい、これは、その洗浄において何が問題になるのでしょうか。

 そのことを考える前に、被毛に付着する汚れについて考察することにしましょう。

 ワンちゃんの被毛に付着する汚れは有機物系と無機物系の2つに分類されます。

 前者の典型は、脂質の汚れであり、後者は、砂や土が代表的です。

 なぜ、これらの汚れが被毛に付着するのか、そのことを考えてみたことがありますか?

 まず、脂の場合はどうでしょうか。

 これは解りやすく、被毛と脂質の場合は、電気的特性で説明することができます。

 つまり、被毛はマイナスに帯電し、脂質の汚れはプラスに帯電していて、相互にプラス・マイナスで吸着し合い、脂質が被毛に汚れとしてくっついて離れない状態になります。

 それでは、砂や土の場合はどうでしょうか?

 もともと砂や土は無機質ですので、電気的にはマイナスに帯電しています。それゆえ、被毛とは互いに反発し合ってくっつかないはずです。

 しかし、現実は、そうではありませんよね。

 しっかり、砂や土が被毛にくっついている、そのことを日々、トリマーは日々確認しているはずです。

 その続きの解説は、次回において示すことにしましょう(つづく)。

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トリマーのMさんによるマイクロバブルフォーム洗浄の様子