昨日、第10回記念のナノプラネットゼミが開催されました。

 以下は、その開催プログラムでした。
 
 プログラム

 09:00~09:30 
話題提供①
                            「食と農業について」 大成水晶 

 09:30~10:00 話題提供② 
          「植物工場の動向(3)」 大成由音 
    10:00~10:20 休憩
 10:20~10:50 話題提供③ 
          「アリランと五木の子守歌」 大成京子
 10:50~11:20 話題提供④
          「国東半島の古代文字(ペテログラフ)について」松井武明
 11:20~11:50 話題提供⑤
                                  「『ハイパワーマーケッティング』を読んで」大成博文
 11:50~12:20 自由討論 
 
 
早いもので、月1回のゼミも第10回記念を迎えたことは、1年近く続いてきたことになります。

 「知を力として」、互いに学び合うことの重要性を参加者のみなさんが深く理解し始めたことが、その継続の力といってもよいでしょう。

 会を重ねるごとに、プレゼンの内容もより充実してきて、そのために議論も活発化していくという好循環が生まれてきて、「楽しい学びの道場」が形成されてきたように思われます。

 前置きは、これぐらいにして、上記のプログラムに沿って、その内容に少し分け入ることにしましょう。

 最初の話題提要は、国連食糧農業機関(FAO)のレポートを紹介しながら、世界の食料と農業事情の解説がなされました。

 今日、世界においては、食糧事情が厳しく、そのために食や農業地を探して移民にならざるを得ない国もあり、その深刻な状況が具体的に紹介されました。

 この問題を解決するには、食や農業地を求めて移動しなくてもよい、すなわち、過酷な自然条件下におかれても、必要な農作物を栽培できる技術を生み出すことが重要であることが明らかにされました。

 しかし、この問題の討論においては、それを実現するには、その自国のおかれた環境や社会条件に則した新技術の開発が不可欠であり、そのために、世界各国において、その農業や食糧確保のための新技術を開発していく実績を得る必要があることが示されました。

 話題提供②においては、北米型植物工場の事例と特徴が解説されました。

 この北米型とは、これまでの植物工場において、とかく無駄が多かった部分を取り去り、コンパクト化してビルの屋上や都会の狭い土地に植物工場を建設しようというものです。

 この典型として、世界的規模でホテルを経営されているCEOの方の考えが紹介されました。

 ここではホテル併設型の植物工場が世界の各地で実際に運営されていて、宿泊客に喜ばれていることが示されました。

 また、これらの事例を踏まえて、あなたが好ましいと思われる植物工場について、9項目のなかから3つを選んでくださいという調査が行われました。

 その結果は、次の順でした。

 ①美味しい味の野菜である。

 ②そこにしかできないオンリーワン野菜である。

 ③無農薬栽培で安全な野菜である。


 この結果は、これからの私どもの野菜づくりにも参考になるものでした。

 話題提供③においては、朝鮮半島における国民的民謡としてのアリランと五木の子守歌の共通性が示されました。

 この報告によれば、秀吉が朝鮮に攻め込んだ際に、少なくない朝鮮人が日本に連れてこられ、その一部が熊本県五木地方の山奥に移り住んでいたそうで、その方々が農作業をしているときに唄ったアリランが元になって、五木の子守歌が唄われるようになったとのことでした。

 そこで、「代表的なアリラン」と「正調五木の子守歌」の聴き比べが行われ、両者がよく似ていることを知りました。

 また、五木の子守歌の一説にある「裏の松山セミが鳴く」という同じフレーズが、アリランのなかにあることも紹介されました。

 労働が苦しくて、悲しい思いで泣きながら唄う、これはアリランも五木の子守歌も同じで、そこに歌のルーツがあったようで、とても興味深い話題提供をしていただきました。

 アリランの心を揺さぶる調べは、日本の五木の子守歌として定着していた事実を知り、音楽には国境がないことを改めて深く認識いたしました。

 話題提供④も非常におもしろい内容でした。

 国東半島には、「古代文字」で書かれた石碑があり、この解釈をめぐっての見解が解説されました。

 これについては、かなり長い解説になりそうなので、次回において紹介いたします(つづく)。

huyunohiwo
初冬の温かい陽ざしを浴びて