本日は晴れ、朝早く目が覚めて、早速、本日のセミナーの準備にとりかかりました。

 まずはテキストの印刷作業から開始、途中印刷ミスが生じ、中断を余儀なくされましたが、なんとか印刷法を変え、一度にたくさん印刷しないようにして切り抜けることができました。

 午後からは、北は北海道、南は沖縄、そして、東京、長野、広島、鹿児島など全国各地から参加者が集まり始めました。

 新会場のセミナー室の準備も整い、予定通りの開会となりました。

 プログラム上では、最初の講演は私の記念講演1でした。

 これを最初に行うと、後の講演者の話に小さくない影響を与えてしまうとの意見が出てきて、急遽、この記念講演1を初日の最後に変更することになりました。

 しかし、ここでは、当初のプログラムに沿っての報告をする方がよりよい流れになり、昨日のブログ記事からの繋がりもよくなりますので、その変更なしで報告を行うことにしましょう。

 そこで、本論では、昨日示した「エピソード1」から分け入ることにしましょう。

 これは、光マイクロバブルの発生装置の開発に関するエピソードです。

 そもそものきっかけは、私が30歳代の半ばのころだったでしょうか、ある地元企業の社長さんから小型排水処理装置の開発に関する委員会への参加依頼を受けたことにありました。

 何しろ初めての経験でしたので、最初はおとなしくしておこうと思っていました。

 しかし、その途中で実験モデルとして使用していた実験装置の性能が悪く、その原因をめぐって会議が紛糾するようになりました。

 この原因は、装置内の気泡の流動機構に関することでしたので、私は、その問題の因果関係をすぐに理解することができました。

 そこで、毎回のように会議の紛糾が繰り返されたので、思い切って私の見解を述べると、みなさんは唖然として何も反応がありませんでした。

 それでも議論は続けられましたが、徐々に、その因果関係は、私のいう通りではないかという意見が増えていきました。

 それでも、その社長だけは、どうしても私の意見に賛同できなかったようだったので、貴方方の見解が間違っていることを実際に証明して見せますので、モデル実験の装置と同じものを透明なアクリル樹脂を用いて製作してくださいとお願いしました。

 すると、これには、その社長がすぐに賛成し、かなり高価な水槽が製作されました。

 でき上って、実験を可視化できるようにすると、これは一目瞭然であり、その問題はだれの目にも明らかとなりました。

 「この装置を採用したことが問題だったのではないですか?」

 その実験後に、こう社長に主張すると、「それでは、先生、これよりもよいものを造っていただけませんか」という依頼が返ってきました。

 こうなると勢いが優先したのでしょうか、私は、即座に「あぁ、いいですよ」とオーム返しの承諾をしてしまっていました。

 さて、どうすればよいのか? 思案の挙句、その水中での最新で最もよいといわれ、そのモデル実験装置において使用されていた曝気装置の説明書を検討することにしました。

 当時、この装置は世界12か国において特許を取得したものでしたが、それを検討しているうちに「おやっ」と思うことがありました。

 この装置には小さくない誤りがある、水と空気を回転させることには問題がないが、その空気の塊を上部に据え付けられたリベット上の突起に衝突させることで小さな気泡を発生させている、という解釈にはかなりの無理がある、むしろそれは誤りといえるのではないか、と判断するようになりました。

 「むしろ、この突起はない方がよい、これを取り去ったら、どうなるか。また、水と空気の旋回速度が小さい。これをもっと大きくできないか」

 こう考えて、その試作モデル(「W型装置」と呼んだ)を製作し、その性能試験を行いました。

 「たしかに、微細な気泡は100㎛前後にまで小さくはなったが、それ以上小さくすることとには限界がある。これをどうブレイクスルーすればよいのか?」

 この気泡の微細化をめぐって悪戦苦闘が延々と続くことになり、100㎛の気泡を30㎛前後にまで微小化することができるようになるまで15年余の歳月を要したのでした。

 下記に、その開発の基本的推移を示しておきましょう。
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               装置開発の基本的な推移
 
 苦節15年余、それは決して短い年月ではありませんでした。

 「今日もだめだったか」

 徹夜をしての朝帰り、何度もこのような思いを繰り返していました。

 それでも若くて体力があったから、このような生活を継続することができたのだと思います。

 それでも、どう改良していけばよいのか、そのヒントらしきものが徐々に明らかになっていました。

 それは次の3つでした。

 ①水と空気の気液二相流の仕組みをもっと巧みに洗練させる。

 ②とくに、その旋回速度を増加させ、高速旋回から超高速旋回をめざす。

 ③気液二相流を旋回させることによって、その装置の中心軸上に旋回空洞部が形成されるが、この形成のみでは100㎛以下のマイクロバブルは発生しない。

 これらを踏まえて、さまざまな試みが連日連夜にわたってなされましたが、その包囲網は確実に狭まっていったものの、それを突き破る(ブレイクスルーする)ことはできていませんでした(
つづく)。

akinohidamari
              温かい秋の陽ざしを浴びて