緑砦館(りょくさいかん、大成研究所)における光マイクロバブルによる小規模植物工場(GFH3)の建屋の建築が始まりました。

 早朝から大型クレーン車がやってきて、柱や梁を吊り上げ、南棟の屋根越しに中庭に運びこみ、その場で組み立てる作業がなされています。

 5人の大工の匠たちが、手慣れた動きで作業を進めていますので、おそらく今夕には建屋のほとんどができあがるのではないかと思います。

 わずか40㎡の小規模植物工場ですが、こうして柱や梁が組み立てられると意外にも広く感じます。

 その棟上げの様子を順を追って少し紹介しておきましょう。

緑砦館棟上げ-1
材木がクレーンによって屋根越しで運ばれてきました

 まずは、ブロック基礎の上に横梁を置く作業が始まりました。

 これらの材木はプレカットが施され、そして名称と記号が印刷されていました。

緑砦館棟上げ-2
印刷された材木

 緑砦館の輪郭に沿って柱が建ち始めました。

 すでにお解りのように、この緑砦館は中庭いっぱいに建てることにしました。

 それは、可能なかぎり、なかでの裁判面積を確保したかったからで、それでも、この緑砦館の総面積はわずかに40㎡です。

 しかし、この狭いハウスのなかで、いかに野菜を含む植物の生産性を高めることができるのか、それを究明することが重要な課題のひとつといえます。
 
緑砦館棟上げ-3
柱が建ち始めました

 周知のように、この地球上で農業は古くから行われてきました。

 ヒトは、生きていくために、荒れた土地を耕し、水を引き、そして肥料を発明し、豊かな農作物を収穫できるようになりました。

 その歴史の中で生き抜いてきた伝統と技術が、今も立派に引き継がれています。
 
緑砦館棟上げ-4
屋根の梁の設置

 しかし、前世紀の中頃からでしょうか。

 農業は、効率のよい第二次産業に押しまくられ、衰退の一途を歩むようになりました。

 地方を支えてきた農業の衰退は、地方そのものの衰退を引き起こし、それが危機に瀕するぎりぎりの限界の域にまで達してきました。

 そんななかで、あたかも救世主のようなポーズを示しながら、農商工連携の主役として登場してきたのが「植物工場」でした。

 しかも、そのシナリオを演じた人物たちは、ふしぎなことに口を揃えて次のような台詞を声高々に喋りはじめました。

 「大規模植物工場でないと利益は出ない。儲からない」

 「24時間光を与え続けることによって植物はどんどん成長するから、それを収穫すればよい」

 「虫は付かず、安全安心である」

 「天候に左右されず、いつも快適な条件下で育てることができる」

など、この台詞は、各方面から、幾度となく聞こえてきました。

 しかし、この台詞は、観客の目の前で本当に語られ、そして拍手喝さいを浴びることができたのでしょうか。

 もしも、私の知らないところで、そうではなく成功を修めていたのであれば、それは世界をリードできるほどの「競争的プログラム」になり得たはずでしょう。 

 わざわざ、競争力アップを声高に叫ぶ必要はなかったでしょう。

 そうであれば、メディアは、それをもっとにぎやかに報道していたはずですが、残念なことにメディアに登場してきたのは、そうではない「不振」の情報ばかりでした。

 「ここには、なにか小さくない落とし穴があるのではないか?」、「どうすれば、それを見つけることができるのか?」、「何がブレイクスルーの入り口なのか?」

 こんなことを想起しながら数年が経過し、「何はともあれ、自分でやってみなければ何事も始まらない」と思って、それから、またしばらくの時間を費やすことになりました。

 その間に時が熟してきたのでしょうか、今回の研究所の設置に伴って、ぜひとも併設したいと思った施設が、この緑砦館(GFH3、Green Fort House3)でした。

 ここで、何が起こるのか?

 いや、何を起こすのか?

 そんな思いを浮かべながら、棟上げが済んだ緑砦館の片隅に佇んでいました。
 
緑砦館棟上げ-5
棟上げ完了
 
 「いよいよ、ここまで来たか!」

 「いざ、建ち上がってみると立派なものだ!」

 「これからは、この建物にふさわしく、ますますプラス思考で進む必要がありそうだ!」

 「この思いを何かに例えてみようか」と思っていたら、次の歌詞が浮かんできました。

 走れ走れ 走れコータロー

 本命穴馬かき分けて

 走れ走れ 走れコータロー

 追い付け追い越せ引っこぬけ

 はたして、コータロー君のように走り抜けることができるのでしょうか?(つづく)