マイクロバブルフォームの特徴について、さらに詳しく述べておきましょう。

 「マイクロバブルフォーム」とは、少量の界面活性剤を含む液体のなかで、超高速旋回式マイクロバブル発生装置を用いて「光マイクロバブル」を発生させた際に発生する、極小で大量の泡(フォーム)のことです。

 このマイクロバブルフォームにおける第1の特徴は、前記事においても指摘したように、非常に小さいことです。

 これを拡大されたマイクロスコープ画像から正確に読み取ると、その最頻値は、その直径において50~60㎛です。

 言い換えれば、それは100分の5~6㎜という小ささなのです。

 このサイズの泡を大量に、しかも簡単に発生させることができますので、ここから、とてもすばらしいことが起こるようになります。

 
第2は、泡同士が互いに反発し合い、そのほとんどが吸着していないことにあります。

 なぜ、このような分離現象が発生するのでしょうか?

 念のため、読者が解りやすいように、前回示したマイクロバブルフォームの画像を再録しておきましょう。

 
マイクロバブルフォームまいくろすこーぷがぞう-1
マイクロバブルフォームの200倍可視化画像

 この画像からも明らかなように、ほとんどのマイクロバブルフォーム同士は付着せず、互いに分離して独立しています。

 それは、マイクロバブルフォームが共に負の電位を有し、互いに反発し合っているからです。

 しかし、わずかですが、この傾向に反して互いに付着し合っているものも見受けられます。

 これは、なぜなのでしょうか?

 それぞれが負電位を有しているのであれば、相互に反発して付着しないはずです。

 ところが、この場合には、気泡同士が付着しています。

 そこで、この付着している気泡同士の関係を注意深く観察すると、この場合、大きな気泡と小さな気泡に限って、この付着が起きています。

 すなわち、同じ大きさの気泡同士では付着が起こらず、極端に大小が異なる場合に限って気泡同士の付着が起こっています。

 同じ負の電位を有しながらも、付着が起こる原因は何か?

 それは電位差の大きさにあり、同じ負電位であっても、その差が大きければ互いに付着することが起こりうるということなのです。

 ですから、大きな気泡と極端に小さい気泡においては、互いに引き寄せて付着してしまうようです。

 また、汚れた水のなかに有機物が含まれているときには、その有機物(プラス帯電)を介在しての気泡同士の付着が頻繁に起こります。

 この場合、その付着において気泡の大きさはあまり関係がありません。

 つまり、どんな気泡の大きさであろうとよく付着するといってよいでしょう(ただし、気泡がマイクロサイズのものにかぎりますが)。

 参考までに、もう一つの事例を紹介しておきましょう。

 カオリンという粘土鉱物(粒子)があります。

 このカオリンは無機物質であり、通常はマイナスに帯電しています。そのため、光マイクロバブルも負に帯電していますので、これに光マイクロバブルが付着することはないと考えるのが一般的です。

 しかし、一般に市販されているカオリンや天然に存在するカオリンは、汚れていて、そこに細かい有機物が付着されています。

 このカオリンを含む液体中で光マイクロバブルを発生させると、あたかもカオリンに光マイクロバブルが付着したかのように見えて水中で浮上します。

 しかし、この場合は、正確には、カオリンに付着した有機物に光マイクロバブルが付着して軽くなり浮上していくことになります。

 こうなると、通常はマイナス帯電している物質であっても適当に汚れていれば浮上分離が可能になるわけで、これは非常におもしろいことが起こりそうな可能性があるといえそうです。

 やや、横道に反れましたが、上図に示したマイクロバブルフォームの場合、その液体は清浄な水道水でしたので、汚れはほとんどありませんでした。

 ですから、有機物を介在した光マイクロバブルの付着現象を観察することはほとんどできませんでした。

 以上をまとめますと、マイクロバブルフォームの特徴は、サイズが非常に小さく、その直径は50~60㎛であること、そして負電位のために、互いに付着することがほとんどなく、そのために気泡としての寿命が長いということができるでしょう。

 この2つの特徴が洗浄力をアップすることに重要な寄与をなしているといえるでしょう。

 これについては、後ほど詳しく解説する予定です(つづく)。
 
hu1123wan
マイクロバブルフォームでおとなしく洗浄中