去る7日に、緑砦館南棟の竣工がなされ、残るは、北棟の住居部分と玄関、そしてスロープ、中庭のハウスの建設となりました。

 その北棟の竣工予定は、今月の21日、今のところ、浴槽の手配が遅れていて、その期日には間に合いそうにありません。

 また、中庭の植物ハウスは、その基礎工事がまもなく始まるという段階です。

 北棟においては、リビング、寝室、書斎の石膏ボード貼りと巾木打ちがほぼ終わり、現在は、脱衣洗面室、トイレ、WIC(着替え室)の細部の壁やドアの設置等の大工仕事が進んでいます。

 今週末には、北棟の北側外壁の仕上げ、足場撤去、内装、玄関タイル貼りなどが行われる予定です。

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少し前の北棟キッチン付近

 同時に、キッチンなどの大型家具の搬入もあります。

 これらの配備によって、一挙に住居らしくなっていくのでしょう。

 このように進んでいく建築というものは、真におもしろいもので、その完成に向かってどんどん進んでいきます。

 当然のことですが、一時として同じ姿を留めないところに、そのおもしろさと名残惜しさがあります。

 それに、5年前の時には、建築の完成までにほとんど見ることができなかったのですが、今回は、毎日のように、その様子を具に観察できますので、その何たるかを詳しく学ぶこともできました。

 緑砦館は、大手メーカーや工務店に発注した建築物ではなく、最初から建築士と一緒に考えて設計してきた、ある意味で他所にはないユニークな建築法による建築物なのです。

 しかも、この建築法は、「オープンシステム(プラスエムのHP参照)」という「プラスエム設計」の山中さんが編み出された手法を用いていますので、これがまた非常におもしろいということができます。

 このシステムは、施主と建築士、そして大工さんなど専門業者の3者が、よりよい建築をめざしてアイデアを出し合い、時には、それを競い合い、問題が出てくると、その解決のために苦労し、知恵を出し合い、互いに納得する手法を見出して乗り越えていくことを特徴としています。

 これを生かすには、常に先手、先手が必要であり、それが後手に周ると、たちまち、このシステムが壊れはじめ、停滞や後退の事態に陥っていきます。

 そして、建築は人が行う営為ですから、どこかで問題や間違いが必ず出てきます。

 その時に、オープンシステムを生かすことができずに対応を誤って傷口を拡大させるか、それとも逆に、それを解決に導くか、この違いには相当に大きなものがあります。

 この死活問題おいては、最初から小さくない支障(ハンデ)がありました。

 それは、建築設計会社が鳥取県米子市にあり、ここ大分県国東市とは大きく離れていて、すぐに現場にやって来れないことでした。

 5年前に旧大成邸を建築するときは、米子からは遠すぎるということで、山中さんは、最初は無理です、と断わってきました。

 しかし、無理を承知で頼み込み、そしていざやってみると、この建築は非常に上手く進んでいくことになりました。

 その理由は、次の3つにありました。

 ①事前の設計において、設計士と私どもが十分に練り上げたプランであった。

 ②Uさんというすぐれた大工さんを登用し、立派な現場監督が行われた。

 ③常にメイルで建築状況を報告、検討する情報交換のシステムが活用された。

 今回の緑砦館の建築においても、この3つが適用され、これが基本となって、数々の問題点を解決することができています。

 時々は③の問題が停滞すると、その解決や改善にかなりの協議と時間を要することもありました。

 しかし後になって、それを振り返ると、この問題解決も、なかなかおもしろいものだと思えるようになりました。

 これらを経験して、オープンシステムを最高度に生かすために、私が大切だと思っていることは、問題点や過誤を見出したときには躊躇せずに、それらを指摘し、積極的に協議しながら解決していくことです。

 これには遠慮や躊躇は必要なく、率直に指摘し、話し合うこと、それによって先手、先手の取組が不可欠であると思いました。

 建築は、みなさんといっしょになってのアイデアと努力、問題解決によってでき上っていくものです。

 このことを日々痛感しながらの「緑砦館づくり」を楽しんでいます
(つづく)。

gennkann
                          玄関のスロープ
(車イス対応とするために段差を解消してスロープにする際に、かなりの検討を行った)